意識
「ところで、さっきから私の話ばっかりなんだけど・・・・・・彼氏は?いるのいないの?教えてよ」
真剣に言われた。
「いやー・・・・・・実はいない、です。ってか別にそんな深く考えたことないし、別に好きな人いないし、そこまで欲しくないかなーって」
自分恋愛話をふられるとすごく困る。なんか焦る。
「例えばもし、誰かに好きって言われたら?付き合ってって言われたらどうする?」
「えー・・・・・・そんなこと言われたことないし。自分が好きにならないといやかなぁ。どう付き合えばいいかわかんないもん。何話せばいいかわかんないし、つまんなそう」
「あぁ、これ厄介なパターンで結構こじれてる恋愛耳年増だわ」呆れたようにマイちゃんに言われた。
何気にひどくない?
「ふーんだ。べつにいいんですー。女の子と遊んでる方が楽しいんですぅ。恋愛ってめんどくさそうだし」
偉そうに言ってしまった。私の悪いくせだ。
でも実際本当にめんどくさがりなんだよね、いろいろ。インドアだし。気が付いたら寝てるぐうたらだし。
恋愛をしたことがない上に、話聞いてるだけで臆病になっちゃう
ビビリのヘタレでさらにマイナス思考・・・・・・
全然がんばれない。
「ターくんで練習とか?」苦笑いしながらマイちゃんは言った。
「・・・・・・え?ちょっ、この前まで付き合ってた人をそんなふうに!!!」信じらんない!
「いやー・・・・・・恋愛とかじゃなくて、男として人を見てみる練習としてね。男慣れしたほうがいいんじゃなーい?」
そんなめんどくさそうに言わないで!
「あの、ハナっから男として見てないのですが」ズッパシ言ってやった。
「男って意識してないからいいんだってば!男って意識してたら会話も絶対出来ないよ」
なんかくやしい。これが経験値の差なのか。
確かに会話にもならないから感じ悪い人だと結構思われてる。
意識しすぎで、自意識過剰で、偉そうになっちゃう!
「あう・・・・・・」
もう言い返せない。図星だもん。
「恋愛とか考えなくていいから、疑似体験みたいなだけでも、ね!飽きたらやめりゃいいよ」
言いくるめられてしまった気がする。
むしろ、なんか楽しんでるでしょ、これ。
飽きたらやめていいって、それはそれでひどいような・・・・・・
ただの友達・・・・・・ただの友達・・・・・・心の中で呪文を唱えた。
スマホ片手にタクさんに送るメッセージを考えて、考えるだけ考えて、
私はそっとスマホを置いた。