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友達

「おまたー!」


後ろから急にマイちゃんに飛び付かれて座っていたイスがガタっと大きく揺れた。

「うわっ!もー!びっくりしたー」変な声まで出たけど、喫茶店が混んでるおかげで注目を浴びなくてすんだのはラッキーだ。


えへへと笑うマイちゃんになんか一安心。

あの話し合いから会ってなかったから、元気そうで本当によかった。

あの一件から、なんとなく仲良くなれたような、距離が縮まったような気がした。

実際そうだといいな。


「新しい彼氏はどんな人ー?」

人の恋バナは聞くのは好き。ちょっとわくわく。

「いい男よー」

ストローでガムシロップを混ぜながらマイちゃんは続けた

「んー、ちょっとだけ年上かなぁ」

ほうほう。それでそれで?

「えーっと、おとな!おとなだから落ち着いて見えるのね!これからはオトナじゃないとね」

ふむふむ。おとな。


「ど、どこで会ったん?まさかナンパとかじゃないよねぇ」


「こら!違うよ!友達のお兄さんだよ」


「また身近なところだねぇ」


「うん。けど、知ってる人のお兄さんなら安心かなって」


あ、なんとなく納得。全然知らない人より全然マシだ。わかります。


「前から、ちょっといいなぁって思っててね、ちょっと頼んでみたの」

「ふぅん」

氷を混ぜながら気のない返事をした。


ん?前から?タクさんと付き合ってる間に?

これは聞いてもいいのか・・・・・・

気になるととことん気になっちゃう。


「ねぇ、前っていつからなの?もしかして、まだ付き合ってる時・・・・・・?」

「うーん、今だから言えるけどそう。ターくんが私のこと本気で嫌がってるのわかってからかな。付き合ってても他に目が行くのは仕方なかったの」


上手くいく恋愛なんてないんだろうな。


「私、タクさんとマイちゃんはずっと一緒だと思ってた・・・・・・なんか、他がぴったりこないんだよね」


「まぁ、私も思ってた。けど、恋愛ってどうなるかわからん。今は付き合ってたことがもう遠い昔のようだもん」


マイちゃんはけらけら笑ってる。


女の子は切り替えが早いってこういうこと?


「けど、友達としては仲良くしてるからね。連絡くるし。家近いし!完全に縁が切れてないから、こんなに楽なんだろうね」


なるほど、うちら別れたけど友達だよね!ってやつか!

さっきからこくこくうなずいて、話を聞くだけで何もついていけてない。


「ターくんのおかげで、誰かさんと仲良くなれたから、そこはありがたいかな」

ぽつりとマイちゃんが私を見ながら言った。

「えっ!?私?私のこと?ほんと?仲良しになれたかな??」

なんか嬉しい。自然と顔がにやけてきた。


「きっかけがなかったもんね。ターくんと付き合ってたときはターくんだけしか見えてなかった。そこは本当に反省しなきゃ。これからは周りにも目を向ける!恋愛もいいけど、友情も大事だ!」


「あれぇ、マイちゃんが照れてる・・・・・・珍しい!可愛いーー!」

「口に出して言うな、恥ずかしい!」


私は今のところ恋愛してるより、女の子たちと遊んだりこうやって喋ったりしてる方がいい。


マイちゃんともやっと本当のお友達になれて、もう満足だもん。



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