迷宮開発日誌③
ダンジョンモンスターといえばなんでしょう?
私からすれば定番のアレとかアレとかアレですね。
ダンジョンエネミーは何がいいか……。
そもそも神族のダンジョンと魔族のダンジョンは構成が違う。
現在数が多いものは魔族の運営するダンジョンだ。
これは神族が信仰などによりエネルギーを得ているのに対して、魔族のエネルギー供給が少ないためである。
そのため魔族は魂をより効率よく回収するべくダンジョンや魔獣などを生産してきたのだ。
それぞれの対立が無くなった現在ではメインの収入源はダンジョンなのだろう。
そのため、魔族のダンジョンは道中は比較的楽で実入りが多いいものが多い。
そして深部でのBOSS戦は道中よりも格段に強い魔獣が用意され、それに見合った報酬が用意される。
一方で一般的な神族のダンジョンだが……。
ある理由から道中の魔物がえらく強い構成になる。
はっきり言って魔族ダンジョンのボスクラスのが雑魚として出てくる。
これは神族の深部での試練の影響である。
魔族のダンジョンではボスが強すぎてクリア出来ず、全滅する場合が存在する。
しかし、神族のダンジョンではソレが無い。
試練を受けるパーティーの格に応じて自動で試練の難度が調整され、さらに試練を受けたパーティーが全力で挑めば確実にクリア出来る、出来てしまうシステムになっている。
……問題はただクリアしただけでは無償で祝福が獲られないことであろう。
神々の試練にはクリア条件が2つ以上設定されるのが常である。
そのうち1つ達成しさえすればクリアとなるが、その場合その祝福に見合うだけの対価を払わなければならない。
そのため、祝福や願いの内容によっては対価を払うことが出来ず、あるいは魂に至る全てを失う場合がある。
まぁ、簡単に言ってしまえば
道中楽でボスがキツイ、報酬が均一のが魔族。
道中鬼でボスがそこそこ、報酬が個人次第なのが神族。
という区分である。
……最後の部分だけでよかったな。
さて、自己のおさらいが完了したところでダンジョンエネミーの配置である。
まずはダレを対象としたダンジョンとするかだが
こんな秘境に人など来ない。
とするならば、必然的に対象は“神”と“魔”である。
高位の者以外ならば他の神魔が創ったダンジョンに挑む『遠征免許』を取得しているものも多い。
それらを対象として創れば問題は無いだろう。
神魔だと報酬の代価を払えないこともあるまい。
方向性は決まった。
あとは種類と攻略法である。
攻略法の無い無理なダンジョンを作るわけにも行かないので、正攻法と裏技の2種を想定すべきか。
正攻法がエネミーの全制覇ならば……それ以外の勝ち筋を設ければいい。
何かあとで考えよう。
あとは種類だが……
迷宮といえばアレだろう!
幸いにも俺の眷属にうってつけなのが居る。
さすがにそのまま流用だと問題がありすぎるが、スペックダウンした量産体を製造し、姿を直立歩行にするだけでアレっぽくなる。
まぁ、一目で素体母体が解からないようにはしたい。
他にも種類はいくつか用意すべきだろうが、あまり数を増やすと攻略不能になってしまう。
そして、お約束のアイツである。
これは譲れないな。
男神の夢といっても過言ではない。
これだけでダンジョンにいる意味もあろう!
俺は嬉々として創造に取り掛かるのだった。
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