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元勇者のヒキニートは転職屋を始めました。  作者: 垢スジ
駆け出しのプロローグ
6/12

Ⅱ-3 オレは使い魔で飼い主は巨乳です。

 異世界に召喚転移されてからまだ数時間。オレは召喚師である巨乳女とあれこれ話をして時間を潰していた。

「私の名前はユカリ・アーシアって言います。ユアって呼んでくださいね」

「オレは――」「勇者様ですよね」

「いや、オレは勇者じゃなくて」「勇者様ですよね」「……オレ」「勇者様♪」

 駄目だ。こいつオレの名前を勇者で固定しやがる。話になんねぇ。

「オレは元勇者なんだぞ」

「私は勇者様が元勇者であれ、尊敬してます」

 話が噛み合わないぞ?

 これ、どう足掻いてもオレが勇者で確定じゃねぇか。

「じゃあ聞くぞ」

「はい。なんなりと」

「バストはいくつだ」

「86のFでございます」

 即答かい。まぁ、でかいな……見た目よりあるぞ。もしかしたら着痩せするタイプなのか?

 いや、とうでもいいんだけどな。

「てか、オレを召喚したのが召喚師ってことは、オレのことは使い魔扱いってことになるんじゃね?」

 王族などの召喚とは異なり、召喚師は大抵魔族や式神の召喚を行う。だから召喚されたものは召喚師の使いとなる訳だ。

「そうなりますね」

 否定ではなく肯定するユア。

「勇者の次は使い魔かよ……なんて厄日なんだ」

「私はすこぶる良い気分ですよ?」

「お前はそうだろうなあ…っ」

 自分勝手の都合で召喚しておいて、気分がわるいとか、どんな最低な奴だよ。

 ま、オレが言えた義理じゃないが。

「ったく。オレは家で気持ちよく二次元幼女の萌え画像を集めてたってのに……台無しだよ」

 細かく言うと、虹幼女のエロ画像だが。

「すみません。勇者様の気分を害したのなら謝罪します。私の躰を好きにしていただいて構いませんから。それで許されるのなら、私は……」

 そう言われるのは悪くはない。

 だがしかし。オレは三次元などには興味はない。くどいようだがな。

「だったら今すぐにでも元の世界に帰してくれ。そうしたら許してやる」

「そ、そんな……せっかくお呼びしましたのに…。殺生な……」

 目がうるうるしたと思ったら俯くユア。

 なんかずるいぞ……。

「わかったよ。ユア、お前の用事を済ませるまで帰らない」

「本当ですかっ?!」

 顔をこれでもかって具合に近付けて来るのを押し退けながら言う。

「だが一つ条件だ」

「はい。なんでしょうか?」

「オレが言うものを取り揃えろ。そうしたら居てやるよ」

 これでできなかったら即お帰りだな。

「はい。わかりました。勇者様の仰る物をなんなりと揃えて見せましょう」

「……はい?」

 こうしてオレは自ら墓穴を掘ったのである。

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