Ⅰ-3 勇者として魔王を退治した話をしときます。
オレは数日前まで勇者として異世界【シンフォニア】に半ば無理矢理転移されて活動していた。
活動していた内容はシンプルだ。
世界を脅かす魔王を倒す。以上。
異世界には世界を統治する姫なんかもいたけど、オレは三次元の女には興味はなく、さっさと魔王を倒して帰って来た。
魔王は異世界【シンフォニア】ど真ん中に城という名のダンジョンを根城に世界征服を企んでいた。
オレはそのダンジョンに剣一本持ち、三日でダンジョン攻略して魔王を倒した。
ダンジョンは全30層のフロアがあり一日目に15層、二日目は25層、三日目には最後の30層まで上り詰め、オレの勇者アビリティスキル【魔力祓い】の力ですべての魔法を取り除き魔王デス・デーモンを遂には倒した。
そして姫に感謝され勇者として伝説を刻んだのだが、オレは二次元が好きであって三次元には興味はなく、それが異世界だろうと同じ。
勇者としての義務を果たしたオレは速やかに帰還、自分の部屋に閉じ籠ったという訳だ。
まぁ、最後は壮観だったがな。ほくそ笑む魔王の作り出した巨大な火の玉をぶった切りそのまま一刀両断その何メートルもあるでかい魔王の体躯を半分に切り分けてやった。
いい君だったな。オレのアビリティスキルを嘗めてその薄気味わるい姿を曝したのだから、自業自得だ。
なんであんな弱い魔王が存在するんだろうな。それにデス・デーモンなんて安直な名前しやがって。もっと捻るなりしろよ。
どうでもいいけど。オレは元々なかった興味をさらに無くしたんだ。今となってはあってもなくても同じな過去だ。
「ということで今日もエロ画――もとい萌え画像を探すか」
オレはパソコンのディスプレイに視線を送り興味のそそる虹画像を模索した。