3限目
ひっそりと、3話目〜
「色々やってますのね。」
部活動勧誘会はちょっとしたお祭り騒ぎだ。
文化部の模擬店や運動部のミニゲームなど様々だ。
そんな中、アタシが目を付けたのはサッカー部の出し物だ。ボールを当てて的を抜いていくシンプルな物だがコレが中々難しく、9枚有る的に対して素人や初心者は4〜5枚抜ければいい方で、12球の持ち玉全て使っても2枚しか抜けない人も居た。
そして、
「ふむふむ。3枚抜くとジュース1本、5枚で2本、7枚で3本か。」
「9枚全部でジュース3本にお菓子が付きますわね。」
「ここは、アタシの出番だね〜。」
「頑張って下さいませ。」
「えぇっ!?君がやるの!?」
「?ダメですか?」
「いや…。ダメじゃないけど、スカート…」
「あぁ。気にしたら、負けです♪」
「そ…、そう…。じゃあ、持ち玉は12球だよ。」
「うっす!行きま〜す♪」
所定の位置から1球目を蹴り出す!
バシンッ!と、良い音を立てて④の的を抜くと続けて⑤、⑥と抜いていく。
「先ずは中段っ。次は下段かな。」
「流石、真夏。いいコントロールしてる。」
「えぇ、ほんと。流石ですわ。」
その後も順調に下段の的を抜いていく。
残す所上段のみと為った所で気付けば先程より、ギャラリーが増えていた。
女子のノーミス9枚クリアが見たいのか、ボールを蹴る度に見えるパンツが見たいのかは定かでは無かったが、残り1枚の時点で結構な数に増えていたのだった。
そして、
「これでっ!」
ズバンッ!と、大きな音を立て最後の③の的にボールが吸い込まれていき、遂にノーミスクリアを達成し見事にジュースとお菓子をゲットしたのだった。
「凄いな。キミもしかして、経験者かい?」
と聞かれたが、
「いいえ〜。どっちかって言うとインドア派です。今回は、景品に釣られたんですよ。まぁ、ノーミスは出来すぎでしたけど。」
と、答えてその場を後にする。
途中、戦利品を仲良く分けて他にも見て回る。
「ひーちゃんは、何か面白そうな部あった?」
「わたくしは、やはりテニス部ですわね。先輩の教え方が上手でしたわ。」
「ゆーは?」
「俺は断然、鉄研だな。小さいながらもレイアウトの展示もしてたし、他の展示物の内容も濃かった。」
「真夏さんはどうでした?」
「うーん。どれも楽しかったけど、実際やるとなるとなぁ。」
「ま、直ぐに決めなくても良いんじゃないか?」
「そうですわね。まだ、始まったばかりですもの。」
「それもそうか。じゃ、これからも色々と探してみる方向で♪」
などと呑気に笑い、部活勧誘会を後にする3人であった。