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君に届くは竜の声  作者: 月野安積
第一章 麓の村
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俺、竜になる

思いつくまま書いていきます、不定期です

 その日俺は、無性に家に帰りたくてしかたなかった。


 仕事中も、仕事部屋にかけてある部長の頭の上の時計が気になり、パソコンのデスプレイの右下にあるデジタルの時計もチラチラ見て、隣の席の同期入社した鏑木が、彼女とデートなの?どうなのと彼女どころか、女性と付き合った事のない俺に、鬱陶しいちょっかいをかけてくるのをいなしながら、終了定時のベルが鳴ると同時に俺は、「お疲れさん、ごめんお先に」と言ってさっさと会社を後にした。


 こんな事正直初めてだ、大抵、仕事2時間ほど残業して帰るのだが、まぁとにかく、その時とりあえず帰りたかったのだ。

 会社の地下にある自転車の駐車スペースから、ガッと愛車を引っ張り出し自宅まで15分の距離を急ぐ。


 俺、今日何か予定あったかな。見たいTVでもあったのかな、読みかけの本、通販が届く日。いやいや、コタツの電気つけっ放しだったろうか、何でこんなに気が急くのか、誰か教えてプリーズとちょっと今思えば混乱しかかっていたのかも知れないが。ふと、いつもの道よりこっちの方が近道だったかなと、公園の中の歩道に自転車を向けた。

「わかんねぇけど、こっち通ってみるか……」


 早く、早く、行かなきゃ、待ってる、待ってるんだよあの人が……。


 公園内自転車禁止の看板をチラリと横目で確認して、チッと舌打し。自転車から降り、押しながら公園を走りぬけようとした。


 走ろうとしたんだけど、誰かから背中を思いっきり突き飛ばされ、えっ、と思って体を守ろうと両手を前に突き出し、支えようと伸ばした先は土では無く……。


 真っ黒で、俺の目の前も真っ黒で。まるでマンホールの中に頭からダイビングしたみたいな格好だったと思うのだが、そこからスコンと俺の意識は無くなった……。


 これが、この世界に来るまでの俺の経緯。ワケ分かんないだろ、俺だって分からんわ、でも、現実は受け入れなくちゃならんだろう。何でだろうとか考えるの大切だけど、それどころじゃない事態になってる現在生きていかなくちゃ。


 ハイ、俺、今多分すごいデカイ洞窟の、緑が眩しい柔らかい苔の上に居ります。隊長!、上を見上げますと500円玉くらいの大きさの空?が見えまして、ここがかなーり深い穴の底であると思われます。

 穴が深くて脱出不可能とか、食いもん無くて腹が減って切ないとか、俺の自転車どうなったとか、仕事残したまんまなんだけどとか、俺の家族が捜索願出してくれるかなとか、姉ちゃんと妹に借りた金返してねぇとか。


 全ての煩悩がぶっ飛ぶ事態が起こっております。


 俺、西洋のおとぎ話で悪役絶賛大活躍のドラゴンとやらになりました……。

果たして俺は一体どうなるのか、念のためR15にしましたが多分大丈夫です

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