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Truth Over  作者: 柊 天音
23/37

第三話◆いざ行かん!?◆

部屋に戻った火邑を仲間達が出迎える。忍びと言えど彼等もお年頃……。火邑の苦悩(?)はまだまだ続く……!?

「なぁ、最近やけに由弥が色っぺぇんだが……何か知ってる奴いるか?」


「さぁね」


「知らないよ〜」


「つーかよぉ、色香と言やぁ火邑の方が……」


「何だ?お前もか。

 あのうなじ……たまんねぇやな」


「面だって、そこらの女より雅てる気がしねぇかい?」




            

「確かに!!」            

            

            

            

――――スパンッ。

            

『お前ら・・・・何て話をしてやがる』

 俺は寒気と吐き気を押さえながら襖を勢いよく開けた。

            

「火邑っ!!帰ったのかい!?今日の任務はどうだった?」

 そう笑顔で一番に飛び付いてきたのは、カガリ。 体は少し小さいが、飛び抜けた素早さがある。

 剣術が得意。

 笑うとえくぼができ、顔にはまだ幼さが残る人懐っこい性格。

            

『別に、普通さ』

            

「やっぱ出来る奴は言う事がちげぇや」

 そう笑うのは、十夜。コイツは幻術や心理操作が得意だ。

 ざんばら髪はツンツンで、体格が良く、仲間を引っ張ていく気質がある。

            

「はは、十夜とは頭の良さが違うのさ」

 少し離れた所から笑うのは、阿修羅。

 冷静沈着で一匹狼気質。

 仕事は早く、女子と見紛う程の美童だが、冷酷な所がある。

 宗家出身。

            

「俺、腹へった〜」

 そう呟きゴロゴロしているのは、雪定。

 マイペースな性格で気まぐれ。猫のような瞳が特徴的。

 その顔に似合わず頬や体には無数の傷跡があり、暴れ馬的な野郎。            

「俺っち明日は任務無し〜」

 ピョンッと飛び上がり、犬っころのように笑うのは、日向(ひなた)

脳天気な性格で、少年臭さと八重歯が特徴。

 俺とは馬が合い、よく一緒に行動する。

 日向は百姓の家から買われて来た為か、皆と比べて情に脆い。

 少々忍び向きでは無いな。

            

『あん?由弥はどうした?』

 先に部屋に戻った筈なんだけどな

            

「あ?そう言やぁ姿を見ねぇな」


 俺の言葉に皆は首を傾げた。

            

『ふ〜ん』

 ま、いいや。


 最後に由弥、術や剣はまだまだ不得意だが、才はあると思う。

 アイツについては謎が多い。あまり自分の事を話さないし、馴れ合う事も嫌う。

 俺が拾われた少し後に、此処へと来た女。 少々気難しいのは、女子だから……と言った所か。            

 あぁ、説明が遅れたな。此処が俺達の部屋。

 と、言っても布団位しか無く、ガランとした床間だが狭くは無い。

            

 流石に由弥は皆と一緒って訳にはいかねぇから、別に部屋がある。

            

 襖を開け、突っ立ったままだった俺は、皆の間を突っ切り奥にドカッと座った

            

            

――――途端

            

            

「なぁっ!!」

 十夜が俺にズイッと顔を近付ける。

『な、何だよ』

 待て、待てぃ!!顔近過ぎ!!

            

「オメェも行くだろ!?」


『……は?どこにだよ』

 俺は怪訝な顔をした。

            

「今夜皆で里に行くんだって〜」

 日向がニコニコと言う。

            

            

 ピン、ときた。

            

 ――――嫌な予感。


            

『あー…俺ちょいとジジィに呼ばれてんの思い出し……』

            

「ちょお……」

「待ちや」            


“ガシッ!!”

            

『――ひぃっ』

 逃げようとする俺の腕を十夜と雪定が掴む。

 日向が楽しそうに、俺の顔を覗き込んだ。

            

            

「火邑も行こうね〜

 ゆ・う・り(遊里)」


 ウキウキの日向を先頭に、皆ぞろぞろと部屋を出る。            

『カガリっ!!助け……』

「千代梅さん元気かな〜」

 手を伸ばす俺の前を、ルンッと鼻歌を歌うカガリが通り過ぎていったのは

 言うまでも無い……

            

            

            

『……い……いやだぁぁぁ〜!!!!』            

            

            

            

 引きずられる俺の悲鳴は、夜空に虚しくこだまして……

            

            

            

「……本当、男って阿呆ばっかりだねぇ」

 屋根の上の由弥は、溜め息交じりにソレを見送ったのだった……


            

            

「いざ行かん!!島原〜」


「お〜!!!!」






            

            

            

 (もう……やだ)            

            

            

            

            

            

            

            

            

            

            

            

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