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Truth Over  作者: 柊 天音
22/37

第二話◆任務!!◆

闇に生きる火邑。彼が新たに与えられた、気の重〜い任務とは……!?

 俺は、任務以外は忍びの装束を着ない。

 いつも藍染めの衣を身に纏い、いかにも町人体な風貌。

 体は華奢な方で(変装の為鍛えない)高い位置で纏めた髪は、ほんのりと朱く、

 童や女と間違えられる事なんてザラだ。

            

 だがその方が都合がいい。油断を誘えるし、馬鹿な男達は俺の(とぎ)に騙されてくれる。            

 それも全て任務の為

            

 死なない為の手段さ。

            

            

 俺が居る部隊には、年頃も同じ仲間がいる。

 その殆どは、小さい頃から忍術を叩き込まれてる。

            

 皆、親が居ない身寄りの無い子供ばかりだ。

            

 俺もそう。

            

 両親は、俺が3つの時に間者と疑われた後――

            

            

            

            

            

 ――侍共に殺された。

            

            

 初めて目にした血の海は壮絶で、今でも忘れる事は出来ない……

            

 それが原因なのか、任務で暗殺をする事にも躊躇は無い。

            

 乞食だった俺を拾ったのが、このジジィ――

            

            

            

            

「火邑、由弥、ぬかりは無かったであろうな?」

            

 ――俺達の頭、忠平。

 歳は60過ぎだろうか、白髪は腰程にあり、長い髭を生やしてる。

            

 部屋は至って普通。

 手狭な空間は書斎と化している。いや、そんな立派な物じゃねぇか……

 なんせ、そこには春画本(※H本)ばかりがならんでるんだからな。

            

(本当エロジジィだな……)

            

            

            

『勿論、ぬかりなく』

 俺は頭を下げながら言う。

            

            

            

            

「……うむ、ようやった。由弥は下がってよい」

 ジジィはコチラに背を向けたまま言った。

            

「はい」

 由弥は頭を下げ立ち上がり、にやけた顔をこちらに向け部屋を後にした。

            

 相変わらず嫌な女だ。

            

            

            

「さて、火邑よ……」

            

 俺はジジィの背中に、あっかんべーをする

            

「火邑!!!!」

            

『ッは、はい!!』

 て、見えてんのかよ!!そろそろボケろよジジィ……

            

「お前には、別の任務にあたってもら……」

『本当か!?今度は何だい?暗殺か?』

 ジジィの言葉を遮り、俺は目を輝かせた。

            

            

            

            

「…………呑馬(※催眠術のような物)による情報収拾じゃ」

            

『――――は?』

 俺は固まった。

            

「詳細はコレに書いとる」

 ジジィはポンッと、俺に巻物を投げた。            

 ――ちょっと待てぃ!!            

            

「何じゃ?何か不服か?」

            

『……いや、不服って言うか、その役には由弥の方がいいんじゃないかなー、と』

            

            

「……ふむ」

 ジジィは背を向けたまま、顎髭を手で撫でる。

            

「しかし、あやつは術が不安定だからのぅ……

 諦めい。お前が適任だ」

            

『――――っ』

            

「これも、白眉(※最も優れた者)の運命じゃて」

 カッカッカ、と笑うジジィ。

            

『……御意』

 ガックリと肩を落とす俺。

            

            

            

            

 え?

 何故、気が重いかって?

            

 術を使うには、場合によって――いや、

 殆どの場合 相手を自分の色香にかける必要がある。

 即ち、相手を誘惑しなきゃならないって事。

            

            

 俺は肩を落としながら、部屋を後にした。

            

            

            

            

 (ほっほ、暗殺がしたいとは、あやつも鬼じゃて

 ――――ぅおっ!!このくのいち可愛いのぅ)

            

            

            

            

 火邑達が部屋に入った時から既に

 この男が春画本から目を離さなかったのは

            

            

 ……当人達の知らぬ所。            

            

            

            

            

            

            

            

            

            

 俺は肩を落としたまま、部屋に向かった。

            

            

            

            

            

 (もう、やだ……

   コレ系の任務)

            

            

            

            

            

            

            

            

                      

            

            

                    

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