火邑編◆プロローグ:鬼と呼ばれた子
時代は変わり、違う場所にて物語りは動き出す。鬼の子と呼ばれた少年の物語り……
――鬼の子!!
それは俺に投げらた言葉。
「近付いたらあかんえ」
大人達が声を潜め言った。
ざんばらになった髪を、指先で摘んで見る。
何故俺の髪は赤いのだろう……
本当に、赤鬼みたいだ。
――――八年後。
闇に潜んだ俺は、その首に刃をたてる。それは糸のように“すっ”と広がり
声をあげさせる暇も無く、息の根を止めた。
その光景を見る度思う。
いつからだろう……
人を殺める事に
躊躇しなくなったのは