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Truth Over  作者: 柊 天音
19/37

ジキル編◆エピローグ:終わりなき悪夢◆

全ての黒幕は親友だった……?初めて語られるヨシュアの心。道化の正体。全ての真実が今、明かされる。そして……ジキルの身には最悪の結末が訪れる。ジキル編、終幕!!

 俺が……殺し……た?

 動かなくなったヨシュアの屍に、フラフラと歩み寄る

            

『ヨシュア……何で、何でこんな事……』

 その体を強く揺する。

            

『答えろよ……答えてくれぇ!!!!』

            

            

            

 ――クククッ。

            

            

            

『!!!!』

 振り向くと、後ろでアイツが笑っていた。

            

「私はピエロ。彼の憎しみが生んだ、醜い道化……」

『――?』

            

            

「貴方は知っていましたか?彼――つまり貴方の親友が、誰よりも貴方を憎んでいた事を……」

            

            

(俺を憎んで……いた?)

            

 そんな……

            

「貴方と姫君の事を、彼はいつも羨んでいた。だから彼は試す事にした……惑わしの森の闇に、(そそのか)されてね」

            

            

『唆されただと……?』

                        

「惑わしの森が在るこの地には、時々、覚めない悪夢が人々を襲う。

 夢なのか現実なのか分からない中で、人々は苦しみ死んでいく。それはいつまでも回り巡る夢」

            

            

 ――そう。

 昔、彼女が森で別れを告げた時

 心に闇を落とされたのは、俺では無く、一人森に残った親友の方だったのだ。

            

「彼が正気を失い始めたのは、大会で優勝した後。

 姫君と結ばれる筈だった彼は、姫君が望んでいた相手が自分では無く、貴方だったと知った……」

            

『…………』

            

 もう、やめてくれ

            

            

「彼は恐ろしい計画の元、やがて子供を殺し始める。

それを理由に姿を消し、後は私が、貴方に“彼は死んだ”と伝えるだけ……」

            

 もう、沢山だ

            

「残った貴方と姫君は結ばれる……全てはシナリオ通り」

            

            

(……シナリオ?)

            

「ククッ……ヨシュアは“殺された”

 彼によって生み出された私は、じき消滅する……誰が見ても黒幕は貴方だ」

            

            

 ――――!?

            

            

「もうすぐ、彼の復讐は終わる。クク……クヒャヒャヒャヒャヒャヒャ」

            

 そして

            

 奴は胸に手をあて、深くお辞儀した。

            


「さようなら、ジキル。

よい夢を――」            

            

            

「――永遠に」

            

            

 そして

 奴は消えた。

            

            

            

            

            

            

「――――


 きゃぁぁぁあ!!!!」

            

            

            

 ――――まさか!?

            

            

            

 立ち尽くす俺の耳に、悲鳴がこだまする。

            

            

            

 何故ここに彼女が……?

            

 まさか……これが

            

 本当のシナリオ?

            

            

            

            

『――違う!!俺じゃない!!』

            

            

            

 彼女は俺を通り過ぎ、親友の屍に走り寄ると、剣を握り締めた。            

            

「全て……貴方の仕業だったの?」

 血に汚れた俺を見るその瞳は、かつて俺を愛した眼差しでは無かった。

            

            

『違うっ!!!!!!話を……』

            

 そう手を伸ばした瞬間――

            

            

            

 ――ザクッ。

            

            

            

『――――!!!!』            

 ポタリ、ポタリと


 口元から


 鮮やかな赤が滴る



 

「……さよ……なら……ジキ……ル」

            

 ――ドサッ。

            

            

 涙を流しながら


 彼女は、


 親友の剣で

 自ら命を



 ……絶った。

            

            

            

            

            

『……ぅわぁぁぁ!!』

 俺は発狂する

            

            

            

 ――何だこれは!!!!

 今目の前にある、この光景は……何だ!!?

            

 血にまみれた俺の傍らに、愛する二人の変わり果てた姿……

            

            

            

 真実とは何だ?

            

 愛とは……

            

 何だこの悪夢は。

            

            

            

 ダレカ……

 オシエテクレ……

            

            

            

            

 大切な人は居ますか?

 守りたいものは……在りますか?

            

            

            

 ――――俺は

            

            

            

            

            

            

            

            

『……ふ……ふふ……







 ははははは!!!!!!!!!

 


 愛?希望?……



 否!!そんな物は、もはや存在しない!!





 こんな世界、俺が壊してやる!!




 はははははは!!!!!!!!!!!』                        

            

 そして

           

 オレは




 壊れた。          

            

 


 ……今もこの世界で


 この悪夢が終わる事をただ


 願いながら……




            

            

            

            

            

            

            

            

            

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