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ワークマン無双・神コスパ装備で未登録ダンジョン攻略〜熟成生ハムを密造していたら、エリート公務員が陥落した〜  作者: 荒屋朔市
ショッピングモールの怪異

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第24話:「プロ探索者」の評価項目


 古泉荘に戻ると、俺は安全靴に付いた泥とコウモリの糞をブラシと石鹸で洗い落としてから寝た。


 翌日、羊羹を提げて現れた早春サハルは居間へ通され、いつものごとく安い緑茶でもてなされた。


「今回のダンジョン探索、ミシャに随行を許可したのは早春サハルさんでしたよね?」

「そうだ。光紗ミシャ君には予め事情を伝え、協力してもらっていた。プロライセンスの評価項目に、『非戦闘員の安全確保』がある。一般人がダンジョンに迷い込むケースが後を絶たず、捜索・救出の依頼も増化傾向だからな」


 早春サハルは緑茶を一口すすって続ける。


光紗ミシャ君には県庁から正当な『広報協力費』、つまりバイト代を支払っている。彼女の欲しがっていた照明具とワイヤレスマイクが余裕で買える額だ」

『策を弄されたけど、リエの実力が認められ、必要とされていることは事実だよ。ミシャも、リエを信じていたから、カメラを回し続けられたってことだね』

「……手のひらの上、というのが納得いかない」


 俺は、羊羹の甘さをコーヒーの香りと苦みで調節する玲那レナさんに視線をやった。


「あら、もしかして私を疑っているの? リエの個人情報を売ったんじゃないかって? 私は相談を持ち込まれて、「カウンセラーの有資格者」として、アドバイスしただけよ」


 否定も肯定もせず、優雅にカップを傾ける。


「ここの地下は、誰が管理するんでしょうね?」

「そのためのネズミ捕りだろう? 掃除頻度が週一に減ったそうじゃないか」


 早春サハルが薄汚れた茶封筒を取り出し、テーブルに置く。

 

「次の案件は、下水処理施設に発生したダンジョンだ。公式な予算が削られ、プロ探索チームは軒並み『採算が合わない』と辞退している」

「重要度が低い案件、金にも名誉にもならないってことですか?」

「攻略難度が最悪なんだ。……高濃度の酸性ガスと強烈な腐敗臭。さらには魔物の粘液による『腐食』が激しい。多くのプロが着ている数十万円の防具は、一回潜るだけで生地が溶け、臭いが染み付いて再利用困難になる。……つまり、修理費が報酬を上回るんだ」


 俺はワークマンのカタログを思い浮かべた。


『2,900円の安全靴なら、溶けても買い替えればいい。だから、リエに回ってきたんだね』

「報酬は?」

「一晩の作業で3万円。消耗品費は別途1万円までだ。……君なら、利益を出せるだろう?」

「だとして、エロゲーみたいに服だけが溶けるわけじゃないでしょう? 俺だってイヤですよ」


 早春サハルの差し出した「泥臭い依頼」を眺めた。一流の探索者が逃げ出す現場。そんな場所に乗り込まなくとも、肉ともやしで食いつないで行けばいい。

 俺は、和菓子屋で買った草大福にクルミを添え、至福のひとときを楽しんだ。



『収入:基本報酬(コア回収・ライセンス取得特典)200,000円、

 サーマル・バットの魔石(18個 × 250円) 4,500円。

 支出:消耗品(100均カイロ、アルミシート等) -150円 

 装備消耗(フライパンの傷、靴の摩耗) -600円

 魔石売却の仲介手数料 -1,350円

 純利益: 202,390円』

 


次回:まさかのエロゲー展開!?


投稿時間は、明日6時50分です。

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