表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ワークマン無双・神コスパ装備で未登録ダンジョン攻略〜熟成生ハムを密造していたら、エリート公務員が陥落した〜  作者: 荒屋朔市
閑話2

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

18/29

第18話:ブラック資金洗浄と床のDIY

 

「ジヴ、この50万円を『洗浄』しつつ、最も効率的に還元する方法を算出」

『モノに変えて、古泉荘の「資産価値」を偽装すべきだね。ポータブル電源や防災備蓄品を揃えて、「地域貢献型の多目的施設」という看板を強化するのが最もコスパが良いよ』

「それで行こう。……で、本題だ。この廊下を直そう」


 工事現場のような足場で凌ぐのも限界だ。俺はジヴに修繕の見積もりを出させた。


根太ねだの補強、合板の張り替え、塗装仕上げまで。材料費だけで12,400円だね。クッションフロアを貼るなら、さらに5,000円追加だよ』

「廊下にクッションフロアなんて、どこの大豪邸だよ。合板にニス塗るだけで十分だ。で、請求書は誰に送ればいい?」

 

 俺は、近所の和菓子屋で買った豆大福(1個180円)を口に運んだ。

 餅の弾力と本物の砂糖の甘みが、疲れた脳に染み渡る。コンビニスイーツに180円払うくらいなら、伝統工芸品に投資すべきだ。由良ユラに分けた時の「180円以上の笑顔」を考えれば、投資利益率は計り知れない。


 居間のソファに座る玲那レナさんと、すっかり入り浸るようになった早春サハルに視線を向ける。


「早春さん。トドメを刺したのは、あなたの体重でしたよね?」

「……法的責任を問われれば不可抗力だ。だが、私の過失であることは認めよう」

 

 内ポケットから「機密費ブラック」の封筒を取り出そうとする早春を手で制した。

 

「ブラックじゃない形で材料費だけ協力してください。12,400円。あとは俺が直します」

 

 絶句したエリート官僚が何を考えたかは知らない。


「……分かった。レシートの額面通りに支払おう。それが、誠意というものだな」

『交渉成立。材料費をポケットマネーから出させたことで、この件は「公務」ではなく「個人の不始末」として処理できる。サハルへの貸しが一つ増えたね』


 作業開始だ。俺が身にまとったのは、ワークマンの『CORDURA(R) (コーデュラ) ツールベスト(2,500円)』。

 引き裂き強度に優れたこのベストは、多数のポケットにドライバーやメジャーを効率よく収納できる。まさに「着る工具箱」。必要十分な機能美だ。

 

「ミシャ、そこ押さえてて。動画撮るなら手元だけにしろよ」

「任せといてて〜! 今『DIY女子(助手)』ってタグでバズらせてバイト代せしめるから!」


 俺はYouTubeの解説動画を思い起こしながら、腐った根太を切り落とし、新しい木材を打ち込んでいく。隣では、早春サハルがダイソーの箒と塵取りで木屑を掃き集めつつ、物珍しげに見学していた。


「……久世クゼ君。あの資金で、もっとマシな場所に引っ越そうとは考えないのか?」

「業者に頼めば半分が飛んで、家賃も高くなります。通勤時間や労働時間の縛りもない古泉荘ここは、都合がいいんですよ」


 夕暮れ時、廊下の一画だけが新しい合板とニスで輝きを取り戻した。


「完璧だ。……素人にしては。ジヴ、今日の収支は?」

『サハルの「自腹」で材料費を相殺。リエの労働力は豆大福で減価償却。結果、古泉荘の資産価値が微増したよ』


 今日は情報集めと材料の買い出し、不慣れなDIYに1日を費やした。明日からは、またダンジョン掃除だ。


『収入: 床修繕の寄付金(早春の自腹) +12,400円。

 支出: DIY材料費(合板、根太、ネジ、ボンド) -12,400円、豆大福(2個) -360円。

 利益: ±0円(+補強された床 +将来の不労所得への一歩)』


 

次回:インスタと特大魔石の所有権。


投稿時間は、明日6時50分です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ