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ヘナの村からディーノの町へ。

ep.14 変態領主と善良な冒険者。の内容を変えました。

 ヘナの村を出る前に、証拠集めのため少し村の中を探索をする事にした。

 女の子がムマ、男の子二人はアレックとグレス。

 雑貨屋の中にある商品は、今まで襲ってきた旅人や冒険者の持ち物だった。

 ムマが見覚えのある魔法衣を見つけた。

 これは、ムマの友人の持ち物で防具屋に特注で作ってもらった一品物であり、2年ほど前に行方不明になっていた。

 ムマがマージャに問い詰めると、当時2人の男女の冒険者が村に訪れて宿屋に泊まった。

 女の容姿が良かったため、睡眠薬を盛り襲ったそうだ。

 男の方は不要なので眠っている間に消したと言っている。

 男の亡骸は村の奥に埋めているらしい。


 「ムマの友人は、変態領主のとこに居るって事ね」

 〖レーナちゃんが急に居なくなって、まさかこんな事件に巻き込まれてるなんて....〗

 

 友人の名前はレーナという。

 レーナを含む被害者達を救うため、ディーノの町に向かう事にした。

 

 〖おい、変態ども早く起きろ!〗

 

 アレックとグレスは馬車に縄を繋ぎ、その縄で今回の事件の首謀者達を拘束し強制的に歩かせる事にした。

 アレードは、声を大きく張り罵声を浴びせてくるので布で口を塞いだら静かになった。

 それでも、何か言いたそうにしているが変態の言う事に耳は貸さない。

 準備が整いヘナの村を出た。

 私とフィーは被害者なので馬車の中で休ませてもらっている。

 ムマが馬を操りアレックとグレスは最後尾にいて、アレードとマージャと手下の男二人を見張りながら着いて来る。

 このペースなら、夕暮れ前にはディーノの町に着くそうだ。


 〖ミルトちゃんとフィーちゃんは姉妹なんですよね?〗


 ムマが、手綱を握りながら話しかけてくる。

 姉妹と言われると違うのだけど、そうゆう事にしておこう。

 色々と説明がめんどくさいし、私の旅の理由を話さなくてはいけないので控えたい。

 

 「そうだけど、どうしたの?」

 〖エルフの子供ってすごく珍しいから、ミルトちゃんはフィーちゃんのお母さんなのかなって思っちゃった〗

 

 エルフの子供ってそんなに珍しいのかな?

 お母さんか....そんな風に見えちゃうのかな。


 「そんなに珍しいかな?」

 〖エルフって私達の登録しているギルドにも何人かいるけど、みんな数千年から数万年は生きてるって言ってたし、人間と違って子供を作るって事は滅多にしないって言ってたよ〗

 

 数千年から数万年...寿命がないとは聞いてたけど、想像ができない程長く生きるんだな。


 〖歳はいくつなの?〗

 「私は16歳でフィーは....11歳かな」

 〖えっ!ミルトちゃん16歳なの?私は19歳なんだけど、生きてる内に二人も年下のエルフに会えるなんて思わなかったよ〗

 

 そっか、数千年以上も生きるのが当たり前のエルフで滅多に子供も作らないんじゃ、私達みたいな若いエルフは珍しいよね。

 まあ、私はエルフもどきなんだけど....。

 でも、フィーはどうなんだろ?もしかして、見た目が幼いだけで実はすごく長く生きていて年上とかもありえるのかな?

 ムマが19歳ってのも驚いたな、童顔だから同い年か年下かと思ったよ。

 

 「ねー、コイツらどうなるかな?」

 〖一生牢屋生活か死罪のどっちかだよ、レラの国じゃ人身売買や奴隷は禁止されてるし重罪だからね〗

 「牢屋か死罪か....どっちにしたって、こんな奴ら外に出しちゃダメだよね」

 〖うん、生きてる価値がないよこんな奴ら〗


 友人のレーナの事が心配なはずなのに、ムマは平静を装っている。

 手綱を握る手は震えていた。

 ムマの友達、無事でいればいいな.....。

 それから、しばらくは無言の時間が続いた。

 フィーは馬車の振動が心地よかったのか、眠ってしまって小さな体を私に預けてくる。

 

 〖フィーちゃん、眠っちゃったの?〗

 「うん、よく眠る子なんだ」

 〖フィーちゃんって無口だよね、人見知りなのかな?あっ、悪い意味じゃないからね〗


 確かに普段から口数は少ないけど、私とイリナ以外の人がいると余計に喋らなくなる。

 あれ、イリナは?

 そういえば、イリナはずっとフィーの服の中に隠れたままだった。

 ムマ達なら信用できるから出てきてもいいのに....イリナも人見知りなのかな?


 「ねー、イリナ出てきなよ...ムマ達は信用できるし大丈夫だよ」

 〖......イリナって誰?〗

 「まだ紹介してなかったけど、もう一人いてね妖精なんだ」


 私はフィーの服の中に手を入れて、イリナを見つけ優しく掴んだ。


 「この子なんだけどね」

 〖すごい、本当に妖精さんだ....小っちゃくて可愛い〗

 「口を開けば、そのギャップに驚く事になるから楽しみにしててね」

 〖うん、でもなんで裸なの?〗

 「妖精は本来、裸が自然なんだってさ....まあ、服がなくなっちゃったんだけど」


 イリナの服は私のボロボロだった服ごと燃やさていたらしい。

 まあ、いろんなとこが破けてたしいいんだけど....。


 「町に着いたら服を探してあげたいけど、妖精の服なんて売ってたりしないよね」

 〖ないだろうね、あるとしたら人形職人が作ってくれそうだけど〗


 人形職人か、着いたら探してみよう。

 いつまでも、裸だと風邪引いちゃうかもしれないしね。

 どんな服がいいかな、フリフリがいっぱいのファンシーな感じがいいかな?

 オレ口調にフリフリ....なかなかだね。


 〖あっ、見てディーノの町が見えてきたよ〗

 「あれが、そうなんだね着くの早かったね」

 〖そんなに遠くないからね、休まずに移動していたから思ったより早く着いたよ〗


 後ろを見ると、領主達が息をあげて苦しそうだった。

 馬車のペースはゆっくりなようで意外と早い。

 歩かなければ、繋がれた縄に引きずられてしまう。

 足を止めるわけにはいかないし、更に後ろからアレックとグレスに睨まれている。

 極悪非道を働いた変態達はあの町で裁かれるだろう。

 そして、被害にあった娘達も救われればいいな....。

 

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