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パワー系の幼いエルフ。

タイトルを変更しました。

少女と幼いエルフの逃亡生活→少女は幼いエルフを拾い逃亡しながら安住の地を目指します。→少女と幼いエルフの逃亡の旅に変更しました。


 目を覚ますと寝る前とは違う部屋に居た。

 

 『みぅと、イリナ....どこ?』

 

 先程の女の子らしい部屋とは違い、この部屋には飾り気がなくベットしか置いていない。

 両手足は枷で拘束されていて、その鎖は床に固定されている。

 フィーは起き上がろうとするが枷が邪魔をしてうっとうしい。

 右腕を思いっきり体の方へ引いてみた。

 枷の鎖がピンと張り、さらに力を込めて体の方へ引くと鎖が千切れた。


 『これ....嫌い、全部取る』


 自由になった右腕で左腕の枷の鎖を掴み引っ張ると簡単に千切れてしまった。

 両足の枷も同じように千切ってベットから下りる。

 

 『みぅととイリナを探さなきゃ』


 部屋の扉のドアノブを回すが開かない。

 外から鍵がかかっているようで、フィーは少し苛立ち扉を両手で突き飛ばした。

 扉は外の廊下まで吹き飛び破片が散らかる。

 廊下の先の階段を上り、もう一つの扉を開けると見覚えのある間取りと家具があった。

 聞き覚えのある大きな声が聞こえてくる。


 《なあ、今の音はなんなんだ?もしかして、フィーか?》

 『イリナ、どこ?』


 フィーは声のする方へ走った。

 マージャの娘の部屋の扉を開けると、鳥籠の中に囚われているイリナを見つけた。

 フィーは初めて一人になってしまって不安だったのか、少し強引になっていて力が制御できない。

 鳥籠の扉を錠前ごと引っ張り壊す。


 《フィー、来てくれてありがとな》

 『イリナ、寂しくて不安だった....みぅとは?』

 《不安だったよな、ミルトは宿の方に連れて行かれたぞ......しかも、あのマージャっておばさん人身売買をしてるみたいで、オレら揃ってどこぞの変態に売られるとこだったぜ》

 『マージャ、悪い人なの?』

 《ああ、それも相当な極悪人だよ》

 『みぅと、助けないと...』


 フィーの服の中に入りイリナが襟元から顔を出す。

 家の外へ出てミルトが捕まっている宿屋に行こうとした時、扉が開きマージャが現れた。


 〝これは、どうゆう事だい?なぜ、お前がそこにいるんだ〟

 『これ、引っ張ったら壊れた....マージャ、みぅとを返して』


 拘束具としての役目をもう果たす事ができない、枷の千切れた鎖をマージャに見せフィーが喋る。

 マージャはフィーの言う事が信じられない。

 どう見ても、11~13歳ぐらいにしか見えないエルフの子供が枷の鎖を壊したなど、信じられる訳がなく意味不明だ。

 エルフの子供が近づいてきて両手を前に突き出した。

 マージャの体は外に通じる扉ごと吹き飛んだ。


 《フィー、もうちょっと力抜いてもいいかな....こいつら、悪人だけど殺しちゃったら後味悪いぞ》

 『うん、力抜いてみる』

 《宿屋は、あれだな明かりがついてるし行こう》

 

 外はすっかり暗くなり明かりのついてる建物は一軒しかない。

 近くまで行くと大きな看板がある。

 オレは人間の文字が読めないし、フィーも言葉を話せるようになってきたばかりで文字を読めないだろう。

 宿屋の中から暴れるような物音がした。




 あれ?話し声が聞こえるし視線も感じる。

 なんか、身動きが全然取れないな...うん?縛られてる?

 自分の今置かれている状況が理解できず、目の前には目が血走っているおじさんと腕を組んで睨んでくるおじさんが居た。

 私は、この手の男の人は苦手で怖い。


 「なんで縛られてるの?えっ、おじさん達誰?」

 〝目が覚めたようだな、こっちの身にもなれよ性欲抑えるのも大変なんだぞ〟

 〝お前は少しは下半身の欲望に逆らえよ、ここを追い出されたら俺達はもう行く場所がないんだぞ〟


 性欲?下半身の欲望?....もしかして、私は今マズイ状況なんじゃないのか?

 椅子に縄でぐるぐるに縛られていて痛い。

 ここまで身動きが取れないと、いくら強くなった力でも縄を千切ったりとかはできないみたいだ。

 

 〝それにしても、いい体してるぜ...マージャが居なかったら、お前の体を堪能してやったのによ〟

 〝まあ、こんな豊満な体をしてるエルフを目の前にして、性欲の塊みたいなお前が手を出してないのは感心するよ....オレも我慢してるは辛いけどな〟

 〝だろ?だからさ、胸ぐらいは揉んでもいいよな〟

 〝ダメだ、そんな事したら我慢できなくて犯しちまうだろ〟


 目の前で最低な会話をしている。

 女の子をそんな目でしか見れないコイツらに嫌悪感が激しく増した。

 話からすると、私の体は悪戯はされていないらしい。

 というより、マージャって言ってたねコイツら...私、騙されたんだね。

 目的がまだ分からないけど、あんなに良くしてくれたのに裏切られて気分は良くない。

 あれ、でもフィーとイリナはどこなの?私と同じように縛れているのかな。


 「ねー、おじさん私の仲間は?」

 〝妹の方と妖精か?なら、マージャの家にいるよ〟


 あっさりと教えてくれるのか....。

 コイツら余裕だと思っているんだろうな。

 私達を縛って身動き取れなくしているし、エルフといえども女の子二人と妖精が一人で甘く見ているのだろう。


 〝妹の方も美味そうだったよな、あれぐらい幼いのも味見してみたかったが〟

 〝妹の方は相当な高値が付くから、マージャがそばに置いときたかったんだろ〟

 〝あの可愛い顔が快楽で歪むところを見たかったぜ〟

 「おい、変態ども....」


 私はキレてしまった。 

 フィーみたいな幼い子をそんな目で見ているコイツらが許せない。

 私は怒りが爆発してしまって、足元の縄で縛られている椅子の脚を壊してしまった。

 お腹の辺りは縄でぐるぐる巻きにされているので、中腰状態で変な体勢になるがこの変態どもを相手にするには充分だった。


 〝げっ、コイツ椅子を壊しやがった〟

 〝大丈夫だ、縛られていて上手く動けないはずだろ....あれっ?〟


 私は、力いっぱい体当たりをした。

 少し冷静そうな変態の方に思いっきり体をぶつける。

 不意を突かれ、伸びてしまったようだ。

 私は起き上がり、もう一人変態に体を向けた。


 〝おお、来るなら来やがれ!どうせ、突っ込んでくる事しかできなんだろ!〟

 『みぅとー!』

 《助けに来たぞー!》


 玄関の扉が開きフィーとイリナが来てくれた。

 無事な二人を見て安堵したけど、目の前のコイツに対しての怒りが収まらない。

 私は勢いよく椅子に縛られたまま走り体当たりをした。

 来るなら来いと言っていたけど、私の勢いがすごかったのか極悪な変態は反応できなくて壁まで吹き飛んだ。

 

 《ミルト、すごいなこの状態で二人を倒したんだな》

 「コイツら、女の敵を通り越した変態クズ野郎だったから....ついね」 

 『みぅと、縛られていて痛くない?』

 「めり込んでいて痛いけど、二人が来てくれたからもう大丈夫だよ」

 《そうだな、何か切れる刃物は...そこにナイフがあるなフィーいけそうか?》

 『これで切るの?』

 「うん、お願いね」

 

 フィーに縄を切ってもらい体が自由になる。

 よく見ると、フィーの手首や足首に枷と引き千切ったような跡がある鎖がついてた。

 私のフィーを鎖のついた枷で拘束していたのだと思うとまた怒りが沸いてきた。


 「そうだ、マージャは?コイツらの話から大体の事は分かってるんだけど」

 《マージャなら、フィーが突き飛ばして外で気を失ってるよ》

 『手加減、難しくてけっこう飛んじゃった...』

 「フィーとイリナが無事ならそれでいいの.....あとはコイツらを縛り上げて、フィーの枷を外してあげないとね」


 変態二人を私にしたように椅子に縛り付けた。

 外に出てマージャを引きずり宿まで連れて行き同じように椅子に縛る。

 ピクリとも動かなくて、死んでいるのかと思ったけど心臓はちゃんと動いていた。

 様子を見ていると、気が付いたみたいだった。

 マージャは椅子に縛られているのを確認すると、返り討ちにあった事を悟ったみたいで太々しく開き直り始めた。


 〝それで?どうしたいんだい?〟

 「まず、フィーの枷の鍵の在処を教えなさい」

 〝それなら、ほら私の服の中にあるはずだよ〟


 服の中に確かに鍵があり、フィーの手足の枷を外してあげられた。


 「じゃあ、次はなんでこんな事をしたのかな?」

 〝そういう生業さ、まあ始めて4年程だけどね〟

 「その間に犠牲になった人はいるんだよね?どれくらい、やったの?」

 〝40...50人は買い取ってもらったよ、若い女は高く売れるし今じゃ小金持ちさ〟


 思っていたよりも多い。

 それだけの人が犠牲になったのか.....。

 

 「うん?でも、旅人や冒険者には男性もいたはずでしょ、その人達はどうしたの?」

 〝男は睡眠薬で眠っている間に....ね〟

 「本当に酷い奴ら.....最低だよ」

 〝最低でけっこう、この世界は隙を見せる奴らが悪いのさ〟


 極悪人にこれ以上言っても仕方ないか。

 別の話題にしよう。


 「買い取ってくれる人がいるんだよね、そいつは誰?」

 〝教えてほしいのかい?〟

 「教えくれなきゃ、死なない程度に痛い思いをさせるけど....いいの?」


 私は、得意の風魔法の渦を手のひらに小さく発生させマージャを睨む。

 本気だという気持ちが伝わったのか、マージャは話してくれた。


 〝分かった....言うよ、いつも買い取ってくれるのはアレードって奴でね、この辺りの土地を収めてる領主様だよ〟

 

 この極悪人達の取引相手...つまり、変態ロリコン野郎の名前はアレードと言うのか。

 しかも、土地を収める領主とか大物が出てきたな。

 これ以上被害者を増やさないためには、大元を絶たないとダメだよね。

 そいつにも天罰を与えないと....。

 

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