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第41物語 一時の休息

 ヨリィーと訓練以外で初めて戦ったあと、プルミエは1人、ベッドで横たわり今日のことをずっと考えていた。

クヨクヨしてても仕方ないと内心思い、必死に強くなろうと考えた。

そして実際に行動を開始し、人知れず汗水垂らしていた。

アルヒェに頼ろうか悩んだが、ずっと人に頼ってばかりではダメだと、自分なりにメニューを考え、筋トレをしたり真言ノ刻(リフィクション)の練習をしたりとできるだけのことはした。

しかし、その練習をしようとして気づいた。


「あれ? 基礎能力が使えない……?」


「現在デバックモード中です。基礎能力によって生じる寿命削りは、復興を著しく遠ざけるため使用を制限しています」


「寿命削り……。もしかして、リピートさんが言ってたデメリットって……」


 プルミエはひとりで考えた。

いつぞかリピートが言ってたデメリットとはなんなのだろうと。

そう考えていくうち、ありもしない記憶がプルミエの中をよぎる。それは、数多の映像だった。

 そこにうつるのはたくさんの自分、意識だけの自分は初めてこの場所に転移した時にみたあの風景と同じものを見ていた。

しかし、あの時は確か……幸せな記憶ばかりが抜き取られていたはず。

なのに今見てみれば、どれも主役のプルミエ自身がなにかの要因で死んでいる姿ばかりだった。

そのどれもに"残基0065"などといった特有の番号が振られていた。

そう、ここは残基記録(リピートメモリアル)がこれまで記してきたプルミエ自身の最後。


「……今のは一体……。たくさんのあたしが、死んでいた……。あんなのずっと見てたら精神がおかしくなりそう」


 知りたいようで知りたくなかった事実に、プルミエは目を背けることしかしたくなかった。

少なくとも、あんなにたくさんの自分が死んでる映像なんて夢見が悪くなるから二度とみたくないと思うほどだ。


「だめ。ちゃんと集中しなきゃ……。10……11……」


 腕立て伏せをしながらの考え事だったために、何回やったかの回数を忘れるところだったが、何とか思い出して続けた。



「プルミエさん、最近何してるんでしょう? 部屋を開けてることが多いですが……」


「ウチに聞かれても……。あっ。ウチにこの前負けたの悔しくて、ひとりで特訓してたりしてね」


「プルミエさんの努力……。確かに負けたら悔しいですし、仕掛けがあったとはいえ負けは負けですから鍛えたくなく気持ちは分からなくは無いですね……」


「そういや、残り3つはなんだったの? 仕掛け」


「ええっと……実は分からなくてですね……」


「わからないで使ってたの?! こわいことするわねあんた……」


 そう、プルミエが恐らくいつの間にか作ったのだろう会場なため、仕掛けも人を殺さないという最低限しかしらない。

要するに、自分の仕掛けにはめられて負けたことになる。

そりゃ悔しいだろうなと心中を察したヨリィーは、なんとも言えない気持ちになりつつも、知ってるふうな説明をしてたのに知らないと思わなくてびっくりしている。


「まあなんでもありですから……死にさえしなきゃ儲けものですよ。何事も」


「実はアルヒェって、狂人って言われたことあったりしない?」


「いいえ? 生憎とございませんが……。その代わりに、頭のおかしいやつとなら……」


「大して意味が変わらないのよそれ。あんたただでさえ顔にあんまり感情出さないのに……」


「感情なんて必要ありませんもん。ボクはボクの使命を全うするだけですから」


「そういやあんたは元々機関車だったわね……忘れてたわ」


 アルヒェの考えを聞いて、機械かなにかだろうかと思ったが、そもそもの生い立ちとして仕方の無いことかとちょっと思った。


「それよりも、ボクたちはするべきことをやりましょうよ」


「えぇそうね。黒化現象の解明もしなきゃ行けないしね……」


 悲劇はすぎ、別の話が進む。

黒化現象とは一体何なのか、それを研究するためにアルヒェたちは動く。

そして、2人の気付かぬうちに黒化の範囲がゆっくり広がっていく。


「気のせいかしら。この前よりも少し肩がこるのよね。筋肉痛かしらね……」


「ボクも、少ししか歩いていないのに足が痛くて……。おかしいですね、なんだか……」


「やはり、黒化現象のせいなのかしら。とはいえ、進行速度はゆっくりなのね。

それとも人によるのか……分からないわね……」


「原因が分かりませんもんね……」


 今思えば、プルミエがレイヴェン諸国に行ってから様子が変だということ以外なにも原因らしいものが無いため、突き止めようにも突き止めれないのだ。


「特別警察の協力も駆使して、国民の皆さんに聞きこみ調査をしましょうか」


「ええそうしましょう……」


 プルミエにも後で伝えておくとして、今後の行動方針が決まった。

これから待ち受けるものが希望か絶望か、ホープアイ王国は果たして幸せにたどり着けるのか……。

全ては創造者(リビルド)にかかっている。

でも各々が行動するその前に、今回のところは一時休息と行こうと思ったプルミエ一行であった。

名前:狭山千夜

新たな名前:プルミエ・エール

2つ名:創造者(リビルド)

基礎能力:真言ノ刻(リフィクション)


強み:知識さえあれば、地の文(えいしょう)を使用して創造・改ざんが可能。

弱み:使用者の知識が壊滅的だと意味をなさない。仮に知識があっても世界の都合のいいように"添削"される。


応用能力:華癒ノ陣(ブロッサムキュア)


強み:死亡以外ならあらゆる生命をジャスミンの花の香りで治癒出来てしまう。例え部位が欠損しようと、痛みを伴ってもその痛みすら忘れ失った部位が再生する。


弱み:半径300m圏内でしか効果がなく、怪我人を範囲内に連れていくかその範囲内で怪我をするかしないと発動しない。

既にこの世から魂がはなれた死体は蘇生できない。

また、範囲内なら死んでさえ居なければ敵味方問わないため利敵行為として利用されやすい。


修正能力(デバッカー):自動文体(マリオネット・シュブリ)

説明:デバックモード。デメリット・足枷として身についた。

神のツールと呼ぶにふさわしいこの異能力は、状況に応じてリーズナブルに装備を切り替えたり異能力を自由に操ったりできる、アルヒェと似た能力。

複数のモード変更を行えるが、その全ては自分の意思で発動することは出来ず、システムの判断に左右されるため完全ランダムである。


仲間:ヨリィー・ディメンション

仲間の愛称:よーちゃん


ヨリィーの能力:物語添削(リバーストーリー)


強み:対象の添削可能範囲を見つけ、それを添削し自分の力として創造・改善出来る。


弱み:サポート特化故に、攻撃用として能力を行使するのは実質不可能。

相手の方が技量を上回れば添削は行えないため能力は使えない。

サポート特化なのに添削元に力を与えれない。


仲間:アルヒェ・ハイリヒ


役職:幻想の方舟/騎士団長


能力:騎士ノ傲慢(ナインツプライドニア)


強み:自強化+武器変異系異能力。状況に応じて様々な形態に移行できる自強化装甲と、それに対応する為の武器変異を同時に行うだけあって、様々な状況に対して臨機応変に対応出来る万能性に優れている。


弱み:単純な能力相手には強いが、複雑な能力相手には無力で、死を超越することは不可能なため、死に直結する事象に対しては耐性をつけることは出来ない。


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