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第25物語 残基記録<リピートメモリアル>

「残基-0015:転移から3時間後、真言ノ刻(リフィクション)に目覚めるが、己の力を過信し戦地へ飛び込み、蜂の巣になると同時にトドメで斬られる」


「相変わらず人間は過信しがちなのよね……」


 ある本棚からまたまだら模様の本を取り出して、内容を読み上げつつ呟く。

ここは、リピートとシザーズがいる異境の空間。

世界の傍観者と言われる彼女らにとっては、うってつけの観戦席と言えるだろう。

なにせ、ここからは以前来訪した元ヴァラルフ王国の様子やレイヴェン諸国の様子など、いわゆる下界に当たるそれを見渡すことが出来るのだ。


「リピートっ、いい加減残基記憶(リピートメモリアル)を静かに読めないのかしら? 耳障りなんだけど」


「おやおや、ごめんよシザーズ。でも、口にすることでより面白さが際立つのよ? 良くも悪くも人間らしくて面白いのよ」


「なんていうか、悪趣味なのは相変わらずね……。ほら、そろそろ次の展開が見れるわよ」


「そうだったぁー。あぶなーい、見逃すところだったー」


 四角形の大画面のようなウィンドウが目の前に出てくる。

まるでテレビ画面のように、下界の様子を見ることが出来るのだろう。


◇◇◇


「はぁ、はぁ、結構歩いてきたけど……半日かかるって言われてただけあって結構遠いなあ……」


 ホープアイ王国から出て、レイヴェン諸国に向けて歩みを進めるプルミエ。

アルヒェとの訓練のおかげで、自宅警備員だったが故に体力がなかったプルミエも、しっかり体力が戻り多少歩いても疲れなくなっていた。

筋トレをしてきた訳では無いので、翌日の筋肉痛が心配だが……こうして歩くのも悪くないかなーと思っている。


「とはいえ、これじゃあ交易どころじゃないよなぁ……。馬車一つもないなんて……」


「あたしの夢のせいで中世要素も殺してしまったから、これ以上は壊すの良くないんだろうけど……作り変えろと言ったのはおばあちゃんだし、多少は好きにしていいよね……やっぱりやめよう」


 世界に負荷をかけない程度に自分の好きにしても大丈夫だよねと自分の都合で思考しつつも、それじゃああの国王陛下となんも変わりがないことに気づき辞めることにした。

とはいえ、楽な移動手段位は構築しないとなあ……と思っている。


「今思えば、なんで復興中に作らなかったんだろ。うっかりしてたぁ」


 あの時は復興という気持ちでいたが、今思えば自分の国にしてしまったから建国だよなぁと思っている。

それよりも何故馬車程度でも生み出さなかったのだろうかと酷く後悔している。


「仕方がない。一時的だけど、移動手段を用意しよう」


――――"プルミエの眼前に、四足歩行で力強く大地を蹴り進めるたくましい馬が現れる。その馬はレイヴェン諸国にたどり着けば消えてしまうが、既に懐柔済みである"


 プルミエが地の文(えいしょう)を唱える際、またぺー君を使用する。

あと何回使えるのかは分からないが、とりあえず唱えた通りの立派な馬が、丁寧にも座りやすいように革が背中に引かれている。


「あれ、あたしどうして馬出せたんだ? あっそうか! あのゲームで……あぁぁぁ……爆死したことがでてくるから思い出さないでおこう」


 某史実馬ソーシャルゲームのことがでるが、プルミエにとっては嫌な思い出しかでてこないためにすぐにかき消した。


「とにかく、一旦乗ろう。乗ったことなんて学生時代にしかないけど……」


 独り言を何度呟いても仕方ないので、さっさと乗ってしまうようだ。

馬の背中にまたがり、持ち手を持ってバシッと馬を叩けば勢いよく走り出す。


「わー! はやいぃ。これだけでもいいかもしれないな……電車とか用意しなくても」


 自分でたくましい馬と明言したこともあって、ほんとに競馬に出場した子のような、100m程度なら3秒もかからなさそうな速さを体験している。


「車に乗ってる感覚にちょっと近いな……。おっと、そういってる間にもう着いてしまった……」


 あれおかしいな、半日かかるはずじゃ……? そう思ってたのに案外すんなり着いてしまう。

もしかして、この世界元々馬なんかの移動手段なんてなかったのでは?とふと考える。

 レイヴェン諸国の雰囲気といえば、元々のヴァラルフ王国とはかなり異なる風貌をしている。

中世的な世界観なんて微塵も感じられず、出発前に2人が気にしていたことが身に染みてわかるほどに荒れ果てていた。

そういうアートなんかではなく、今でもなかから爆発音が聞こえたりすることから、世紀末な雰囲気なのがこの国のデフォルトなのだろうとおもった。


「こんなに荒れ果ててるなんて……。気をつけてって言う理由がわかる……気をつけなきゃ」


 そうひとつ呟くと、馬からおりる。

すると地の文(えいしょう)で唱えた通り消えてしまう。

そうして、降りてすぐ入口に向かおうと歩みを進める。


――――せいぜい気をつけるんだよー?さて、あたしも向かわなきゃ。


リピートは異境の空間でひとつ呟いた。

どうやら彼女も動くらしい。

名前:狭山千夜

新たな名前:プルミエ・エール

2つ名:創造者(リビルド)

基礎能力:真言ノ刻(リフィクション)


強み:知識さえあれば、地の文(えいしょう)を使用して創造・改ざんが可能。

弱み:使用者の知識が壊滅的だと意味をなさない。仮に知識があっても世界の都合のいいように"添削"される。


応用能力:華癒ノ陣(ブロッサムキュア)


強み:死亡以外ならあらゆる生命をジャスミンの花の香りで治癒出来てしまう。例え部位が欠損しようと、痛みを伴ってもその痛みすら忘れ失った部位が再生する。


弱み:半径300m圏内でしか効果がなく、怪我人を範囲内に連れていくかその範囲内で怪我をするかしないと発動しない。

既にこの世から魂がはなれた死体は蘇生できない。

また、範囲内なら死んでさえ居なければ敵味方問わないため利敵行為として利用されやすい。


仲間:ヨリィー・ディメンション

仲間の愛称:よーちゃん


ヨリィーの能力:物語添削(リバーストーリー)


強み:対象の添削可能範囲を見つけ、それを添削し自分の力として創造・改善出来る。


弱み:サポート特化故に、攻撃用として能力を行使するのは実質不可能。

相手の方が技量を上回れば添削は行えないため能力は使えない。

サポート特化なのに添削元に力を与えれない。


仲間:アルヒェ・ハイリヒ


役職:幻想の方舟/騎士団長


能力:騎士ノ傲慢(ナインツプライドニア)


強み:自強化+武器変異系異能力。状況に応じて様々な形態に移行できる自強化装甲と、それに対応する為の武器変異を同時に行うだけあって、様々な状況に対して臨機応変に対応出来る万能性に優れている。


弱み:単純な能力相手には強いが、複雑な能力相手には無力で、死を超越することは不可能なため、死に直結する事象に対しては耐性をつけることは出来ない。


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