第23物語 ホープアイ王国の今後
リピートの来訪から1週間ほど経過した。
国自体はあれからさほど変わりなく、依然として活気に溢れていた。
ヴァラルフ王国から改名し、国王陛下まで変わり生まれ変わったホープアイ王国は、隣国でも少しづつ噂になっている。
「プルミエ、あんたレイヴェン諸国から目をつけられてるわよ。前の国王陛下の行為のせいでただでさえ信用がガタ落ち……何してくるか分からないから気をつけるのよ」
「また戦争を仕掛けてくる可能性も考慮してる。恐らく大丈夫だと思うけど……」
「いえプルミエ様、それは軽率な考えですよ。信用というのは1度落ちたら戻すのは一苦労です」
「それはわかってるけど……直ちに影響はないだろうとおもってる」
1度国家間での戦争を繰り広げてるからこそ、すぐには戦力を用意出来ないだろうと考えている。
なにせ準備で少なくとも時間がかかるだろうことは現実世界でも経験した事だからだ。
事務仕事というなの経験程度ではあるが……。
「それに、信用ガタ落ちとはいえ……新任の国王陛下の様子を見ないでちょっかいをかけるほど、頭が回らない長ばかりじゃないだろうし……」
「確かにそうですね……」
あくまであの国王陛下が貪欲すぎただけで、他の長はそんな事ないだろうと考えている。
ただ、数があまりに多い故に……そうも言いきれないのかもしれないと密かに思っている。
「それで、今後の方針はどうするつもり?」
「今後……。とりあえずあたしはレイヴェン諸国に1度赴くつもりでいるよ。でも行くなら連絡入れておかないと……」
連絡のひとつでも入れておかないと何をされるか分からない。
最悪アルヒェ達を護衛に付けるつもりで考えている。
でも基本は一人で行こうと言う考えの元、玉座で足を組む。
「それなら、ボク達もついて行きましょうか?」
「そう言うと思って今考えてたの。護衛をつけて訪問に行くのが普通なんだと思うけど、信頼度がどん底なら、かえって護衛をつけてると関係が余計に悪化する気がする」
「では、様子見程度の感覚でボク達はいましょう」
「そうしましょ。プルミエのいうことは筋が通ってるし」
信頼関係の復興ともなると途方もない時間がかかることは覚悟しておこうとプルミエは内心で呟いた。
なにせ王室に残っていた書類によれば、前の国王陛下はレイヴェン諸国と契約を結んでいたようで、その契約の内容は書類だけでは把握しにくい。
なにより全てに目を通すのも一苦労故、直接話を聞きに行く方が手っ取り早いと思ったから1度赴くことにしたようだ。
「とにかく、今日から数えて1週間後にいくよ。隣国ってことはさほど距離は遠くないはずだし」
「せいぜい半日程度だし、確かにそうかもしれないわね」
「そういうことなら、今から書類を書き出すね」
ようやく話がまとまり、ホープアイ王国の国王陛下として赴く為の伝達表に、今日までずっとお飾りだった羽根ペンことぺー君をひとつ使って書き記す。
伝達内容といえば、レイヴェン諸国に赴くことと、護衛は付けず一人で赴くことと、契約のことやその他貿易のことなど諸々話をすると記すつもりだ。
そうして、国自体はある程度復興出来た。
これからさらに大変なことになるとは、プルミエは思わないだろう。
――――新たな国王陛下……。前よりは楽しめそう……。楽しみにしてるよ、ふふふ。
名前:狭山千夜
新たな名前:プルミエ・エール
2つ名:創造者
基礎能力:真言ノ刻
強み:知識さえあれば、地の文を使用して創造・改ざんが可能。
弱み:使用者の知識が壊滅的だと意味をなさない。仮に知識があっても世界の都合のいいように"添削"される。
応用能力:華癒ノ陣
強み:死亡以外ならあらゆる生命をジャスミンの花の香りで治癒出来てしまう。例え部位が欠損しようと、痛みを伴ってもその痛みすら忘れ失った部位が再生する。
弱み:半径300m圏内でしか効果がなく、怪我人を範囲内に連れていくかその範囲内で怪我をするかしないと発動しない。
既にこの世から魂がはなれた死体は蘇生できない。
また、範囲内なら死んでさえ居なければ敵味方問わないため利敵行為として利用されやすい。
仲間:ヨリィー・ディメンション
仲間の愛称:よーちゃん
ヨリィーの能力:物語添削
強み:対象の添削可能範囲を見つけ、それを添削し自分の力として創造・改善出来る。
弱み:サポート特化故に、攻撃用として能力を行使するのは実質不可能。
相手の方が技量を上回れば添削は行えないため能力は使えない。
サポート特化なのに添削元に力を与えれない。
仲間:アルヒェ・ハイリヒ
役職:幻想の方舟/騎士団長
能力:騎士ノ傲慢
強み:自強化+武器変異系異能力。状況に応じて様々な形態に移行できる自強化装甲と、それに対応する為の武器変異を同時に行うだけあって、様々な状況に対して臨機応変に対応出来る万能性に優れている。
弱み:単純な能力相手には強いが、複雑な能力相手には無力で、死を超越することは不可能なため、死に直結する事象に対しては耐性をつけることは出来ない。