鬼影
熱い・・・・・ここは・・・・・どこ?
意識がハッキリしていた。
周りは焼け野原だ、たぶん・・・地獄かな?
うっすら遠くに人影が見える。
見えづらい・・・・・
行ってみよう。
次第に見えてきた。
二人いる。
片方の人は地面に額をつけて叫んでいる。
女性のようだ、遠くから見える。
もう片方は・・・・・・大きい。
初めて見るほど大きい人だ。
ぼやけてよく見えない。
なにかあったのだろうか?
小走りで近寄った。
近寄ってみたものの、大男の顔はよく見えない。
「どうかしたんですか?」
女性はこちらに気づいたようだ。
「なにをしているの!?逃げて!」
「え・・・・」
その時、
大男がこちらを振り返った。
「あ・・・あ・・・・」
鬼だ。
人とは思えぬほどの形相、
まるで激怒したかのように大きく皺が見える。
そして何よりも人にはない角。
額の辺りに二本、獣のように生えている。
・・・・・殺される。
本能だろうか?
すぐにわかった。
大男、いや、鬼はこちらを見たとたん歩いてきた。
「やめて!」
女性が僕の前で腕を開いた。
とたんに鬼は女性の上半身はある腕で女性を殴り飛ばした。
宙を舞う、無残。
一言。
地面に落ちた。
「逃げて・・・・・・」
女性の悲痛の叫びに聞こえ。
そして、鬼はまたこちらを見て歩き始めた。
死ぬ前に、一度だけ感じたことのある恐怖、
それ以上の感覚が僕を襲った。
足が・・・・・動かない。
死ぬのか?二度目の死か?
時間が止まったように見えた。
鬼がゆっくりと腕を振りかざす。
死にたくない。死にたくない。
ヤコの言ったことが真実であればまだ人生はあるはず。
僕の顔面に当たる瞬間、
「うわぁぁぁぁ!」
初めて大声で叫んだ。
・・・・・あれ?
痛くない。
瞼を開けた。
鬼の腕が黒い影に捕まっていた。
その影は僕の足元から出てきた。
「なに・・・・これ・・・・」
鬼は影を振り払い、そして背中を向け歩いていった。
その時気づいた。
ここの太陽は今、鬼の方向に昇っている。
だが今さっきの影は鬼のほうに伸びていた、
つまり太陽の光に逆らって出ていたことになる。
試しに後ろを振り返っても焼け野原だけ、
太陽、星すらない。
自分の影はいつもの通り太陽に従っている。
「う・・・・うう・・・・」
女性の声だ。
駆け寄ったろうとした瞬間、光がまわりを包んだ。
また意識がなくなった。
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他作も書いているから時間が掛かったかな?




