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儀式3

 声をかけてきた青年はプラチナブロンドの髪がさらりとしていてアイスブルーの瞳は涼し気だ。

 そのはかなげな美貌に不釣り合いなニンマリという表情を浮かべてから、ことさら明るい声で言った。


「僕は双子の流星である白き竜、この国の騎士団長だよ!!」


 君が王を選ぶと聞いてね! とその人は付け加えた。


「この国で最も古き血筋を受け継ぐこの僕をしらないんじゃあ、王は選べない!

そうだろ?」


 メアリとシェアリをばーんと指さしながらその白き竜は言った。

 メアリとシェアリが眉を顰めるのが見て取れる。この国でも指をさすのはマナー違反らしい。


「白き竜というのは二つの流星のうちの白い星の?」


 私が聞くと白い竜は「ああそうとも!」と得意げに言う。

 そして私に近づくと「赤い竜にはお気を付けくださいませ」と言って、貴族として完璧な笑みを浮かべた。


 メアリが近づいてきた白い竜と名乗る騎士を振り払う様に動く。

 白い竜は飛び上がる様に、一歩下がる。


 それだけだった筈なのにその一歩でドアの前まで飛んでしまう。

 それが普通じゃない事くらい私でも分かる。


「いやだなあ。そんな物騒な物振り回さないでくれる?」


 白い竜がヘラヘラと笑いながらメアリに言う。

 メアリの手には短刀が握られていて驚く。


「乙女に失礼な物言い。とても許されるものではありませんわ」


 メアリがはっきりと言う。


 メアリには護身術の心得があるのだろうか。

 剣を構える姿がとても様になっている。


 二人は身動きすることなくにらみ合っている。



「おい、何をしているんだ!!」


 騒ぎを聞きつけたのだろうか。マクスウェルが駆け付ける。


「子供にはかんけいないだろう?」


 大人の話に入っちゃだめだって言われたことない?

 まるで煽る様にマクスウェルに言った。


 この国での大人とか子供だとかが分からない。

 けれど、マクスウェルがこぶしをぎゅっと握りしめたのを見てしまった。


 殺意のある人間を私は見抜けるのかと言われたらそういう特技はない。

 けれど、この騎士は私を殺そうだとかそういう意図があるとは思えなかった。


「やめてください」


 私は静かに言った。

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