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竜の国の悲願3

 魔法は使える。

 けれど、王様の選び方なんて知らない。


 そもそもこの国に私が来ることになった預言の元の文言を私は知らない。


 未来を不幸にしないために、預言の一部は秘されることがある。

 それは常識として知っていても一体どのような託宣をうけて私はこの国に来たのだろう。

 そして、本当にしなければならない事は何なのだろう。


 王のいないこの国に本当に王を作ってしまっていいのだろうか。



 何も分からないけれど、メアリとシェアリが顔色が悪いですと言って慌てだしてしまった。

 倦怠感は先ほどまでより増している。

 魔法は無尽蔵に使えるものではないらしい。


「乙女をベッドに!!

私は医者を呼んでまいります!!」


 バタバタとしだす周りを止めることもできずベッドに横たわって、ただ成り行きを見守るばかりだった。


 駆け込んできた医者は手だけが爬虫類の様な人で、けれど今まで診療を受けた医者と同じ手際で私の瞼や口の中を確認した後「お疲れの様子ですのでよくお休みになるよう」と言われた。


 私の家にあった物よりも上等だと思われるベッドに寝かされて、目を閉じた。

 シーツもサラサラで枕もふかふかだった。


 手入れの行き届いた部屋はやはり女性好みのものに思えた。

 ずっと乙女のために準備をしていた部屋なのだろう。


 乙女が今日来ることを知らされていたのだろうか。知らされていたのなら試されるような事はされなかったのかもしれない。

 それともあまりにも私が乙女に相応しくなく見えたのかもしれない。


 どっちだったのだろう。


 けれど、今日はもう疲れてしまった。

 明日からの事は明日考えようと思った。

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