表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

97/414

第094話 治水工事を手伝おう

お読み頂き有難うございます。

宜しくお願いします。

さて、今日は治水工事の現地視察だ。


導師服に着替え、両足を風精霊と同化した。クインセプトへは北街道を進めば行ける。とりあえず、姿を消して王都を出て、そこから北街道沿いに高速移動した。4時間ほど走ると、クインセプト内に入ったので、そこから風精霊に案内させて、1時間ほどで現場に到着し、同化を解いた。さて、遊んでいる水精霊を見つけたので、マルロアーナの所に案内して貰う。


「貴女がマルロアーナ・アクラスター様でしょうか?」


そう言うと、何故かびっくりした表情で固まるマルロアーナ。何かしたかな?


「もし?貴女がマルロアーナ・アクラスター様で宜しいのでしょうか?」


再び聞くと、首を縦に振った。では話を続けよう。


「アクラスター様、初めまして。私は精霊導師のフィリストリア・アルカドールですわ。今日はこちらの工事現場に視察と言うことで参りましたの。貴女宛てに精霊に伝言を頼んだのですが……」


「は、はい。ご挨拶遅れて申し訳ございません、導師様。伝言は承ったのですが、まさか本当に今日来られるとは思いませんでしたので……」


どうやら精霊が日時を間違えて伝えたと思ったらしい。うーん、そういうものか。


「そうでしたの。では、エルスラ・ルワーナさんと、こちらの現場長にお会いしたいのですが」


「2人ともあちらにおります。ご案内しましょう」


マルロアーナに案内され、私はエルスラと現場長の所に来た。どうやら堤の出来具合を精霊に聞いて確認していたらしい。


「現場長、エルスラさん、導師様が視察に来られました!」


「は?アクラスター殿、導師様が今来られたのですか?」


「マリーさん、昨日は5日くらい後だって言ってたよね」


うーん、全員私が馬車で来るものだと思っていたらしい。まあいいや。


「フィリストリア・アルカドールです。今回こちらに伺わせて頂いたのは、精霊術士が工事現場でどのように働いているかを確認させて頂くためです」


とりあえず強引に視察の目的を告げると、現場長は説明を始めた。マルロアーナは川の監視くらいであまりやることがなさそうだが、エルスラは採土場の状態を確認したり、出来た堤を確認したりして、割と忙しいようだ。この工事があとどれくらい続くのかを聞いてみた。


「そうですね。今の進捗ですと、あと1年程度でしょうか」


堤はあと3キート程、近くの山が採土場になっていて、そこから馬車で土を運び、堤の場所まで持って来て、魔法で押し固めるとともに、表面を岩化して、堤防にするそうだ。反対側はもう出来ていて、後はこちら側だけという話だ。こちら側は作り始めたばかりの状態だ。


「現場長、この作業を私が手伝っても宜しいでしょうか?建設大臣から、手伝っても良いと許可は頂いておりますので」


「は?導師様が?一体何を手伝って下さるのでしょうか」


「そうですわね……。まずは採土場から土を運搬して、こちらの堤の位置に持って来ます。それからこちらのように押し固め、表面を岩化します」


「それではほとんど全部ではありませんか!」


「土を乗せて堤にする場所さえ教えて頂けたら、後は全て可能ですわよ」


その後、私の能力を説明し、現在の作業を中断して貰って、今いる人達で堤の場所の表示や、土の盛り加減を教えて貰ったりで、その日は終わった。私はマルロアーナ達が宿泊している仮設宿舎で泊まった。そこで、二人とは色々話をして、それなりに仲良くなった。




次の日、皆が見守る中、私は和合を始めた。


【我が魂の同胞たる地精霊よ。我と共に在れ】


和合した私は、堤と採土場の中間地点に移動し、土を運んでいく。10分程で運び終え、堤の位置に戻った。後は移動しながら押し固め、表面を岩化していく。40分程で完成し、和合を解いて身体強化をして移動し、全員の所へ戻ったが、驚いているようで反応が無い。


「後は点検をして下さいな」


と現場長に言うと


「はい!只今」


と言って、部下に点検を命じ始めた。エルスラも付いて行った。マリーは


「伺った時は冗談かと思いましたが、まさか本当にこのようなことが可能とは……」


と私に言った。まあ、初めはみんな、そう思うんだよな。私自身、そう思ったよ。


点検が終了し、問題ないことが確認されたので、現場長は堤が完成したと報告した。これでこちらの2人はそのうち帰って来るだろう。私はエナスジェラに、明日伺うと地精霊に伝言を頼んだ。ちなみにその夜は、現場長以下で宴会をやったのだが、私は飲めないので、最初だけ顔を出して休ませて貰った。




次の日の朝、私は皆さんが見送る中、セクテートに向けて移動した。セクテートは隣の領なので、2時間ほどで工事現場に到着した。とりあえず、地精霊にエナスジェラの所に案内して貰った。


「貴女がエナスジェラ・バンケルメス様でしょうか?」


「……はい、その通りでございます、導師様」


どうやら今度は、建設省の方からもきちんと連絡があり、今日来る前提で対応しているらしい。アリネラや現場長とも挨拶をした後、同様に工事の要領や進捗を聞いた。どうやらこちらは今年になってから工事が始まった様で、あまり進んでいない。こちらでも同様に、私の能力を説明し、手伝うので表示をして貰いたい、と言うと、クインセプトの件が伝わっていたのか、素直に従ってくれた。


その日は同様に、エナスジェラ達の泊まっている仮設宿舎に泊まり、それなりに打ち解けることができた。次の日、クインセプトの時と同様に、作業を始めた。


【我が魂の同胞たる地精霊よ。我と共に在れ】


和合した私は、堤と採土場の中間地点に移動し、土を運んでいく。今回は川の両側であり、土の量も多かったので、運び終わるのに30分程かかった。今回は魔力が足りるか心配だったので、ここで和合を解いて、両手の同化に切り替えた。土砂の運搬は力がいるけど、こちらはさほど力が要らないので、同化でも十分作業が可能だ。


前回と同様、移動しながら押し固め、表面を岩化していく。50分程で片側が完成したので、出来た方から点検を行って貰い、反対側の堤の方に向かった。こちらは1時間程で終わった。


反対側の方も点検をして貰いつつ、魔力を多く使ったので、早めに休ませて貰うことにした。


次の日、朝起きて、堤に問題がないことを確認し、私は帰ることにした。ここからだと、概ね6時間ほどで帰れる距離だ。行きと同様の要領で移動し、夕方に王都の侯爵邸に帰宅した。一応、水精霊に頼んでロナリアに帰宅したことを伝えて貰い、その日は休んだ。




今日は普通に出勤の日だ。馬車が来ないかもしれないので、うちの馬車も控えさせたが、きちんと魔法省の馬車が迎えに来たので、そちらに乗って出勤した。出勤すると、ニストラム秘書官から、大臣の所に報告に行くよう言われたので、行ってみたところ


「導師殿、今回の様に他省も絡むことは、私にも言って頂けると有難かったのですが」


と、お叱りを受けた。そう言えば大臣には言ってなかったな、反省。

お目汚しでしたが、楽しんで頂けたのであれば幸いです。

評価、ブックマーク、いいね、誤字報告を頂ければとても助かります。

宜しくお願いします。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ