第081話 魔法省初出勤 2
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魔法省庁舎は、1階に魔法兵課、衛兵詰所や食堂があり、2階には魔法課と魔道具課がある。そして3階は大臣や私の執務室、秘書室、総務課と精霊課がある。地下には文書庫があり、庁舎外にも色々倉庫があるらしいが、今日はそちらには行かない。まずは1階から案内された。
「こちらが魔法兵課です。魔法兵課は、魔法兵団の運用、魔法の戦力化に関する研究や、魔法兵の育成などに関する業務を行っています」
まあ、業務内容を平たく言えば、組織的かつ効果的に魔法を使う方法を考えて戦争に役立てる、というところか。あまりいい気分はしないが、魔法という力をうまく利用しないと戦争に負けるというなら、やるしかないのだろう。私も自分の力を戦争に使っているから、綺麗事を言える立場ではない。
事務室に入ると、全員その場で気を付けの態勢を取った。精霊課長が私を紹介する。
「皆注目。こちらの方が本日着任された精霊導師様だ。導師様、一言お願いします」
「只今ご紹介に与りました、フィリストリア・アルカドールです。若輩者ですが、精一杯努めて参りますので、宜しくお願いします」
「導師様、こちらへ。魔法兵課長殿を紹介いたします」
「魔法兵課長殿、フィリストリア・アルカドールです。本日からこちらで勤務いたします。宜しくお願いします」
「導師様、私は魔法兵課長を務めております、ルディエルド・グースラプタです。いやあ、噂以上にお美しい。その上トロスの役では、ノスフェトゥス軍を圧倒的な力で蹴散らしたと伺っております。そのような方と同じ庁舎で勤務できますこと、誠に幸運でございます」
うーん、何かこの人からはあまり良い印象を受けない。様子を見よう。
その後、こちらが頼んでいないのに、魔法兵課の事を色々語っていたが、ぶっちゃければ、この人が手柄を独り占めして自慢しているように聞こえた。この人の話は、話半分に聞いておけばいいな。
自慢?話が途切れた所で、精霊課長が「そろそろ次に行きますので」と言って強引に事務室を出た。私が精霊課長をうんざりした目で見ると
「まあ、ああいう方ですので」
と言った事から、私の持った印象は、一般的なものだろうと結論付けた。次は何処だろう。
「こちらは食堂です。貴族用と平民用に区分されております。昼食はこちらに来て頂いても宜しいですよ。なお、明日の歓迎昼食の場所は、こちらではなく3階応接室になります」
なるほど。そういえば明日の予定に、私の歓迎昼食があったな。他の方は確か大臣と各課長だったかな。
「こちらが衛兵詰所です。導師様の専属護衛の方も、基本的にこちらに待機しております」
少し入ってみた所、衛兵達が全員気を付けの態勢で固まってしまったので、残念だが、今後は出来るだけ来ない様にしよう。レイテアの様子も確認したが、こちらの勤務要領を確認していたようだ。
2階に上がった。確か魔法課と魔道具課だったかな。ヴェルドレイク様はいるだろうか?
「こちらは魔法課になります。魔法課は、魔法に関する教育研究についての業務を行っております」
「魔法研究所との関係性はどうなっておりますの?」
「あちらは研究そのものを行っております。こちらは、その予算取りですね。また、王都魔法学校や各公府高等学校、各領中等学校の魔法教育に関しても、予算取りや学習指導要領の検討、教科書の製本・配布などを行っておりますが、その内容は、魔法研究所の研究成果を活用したものになります」
「そうなのですか。お答え頂き有難うございます」
事務室に入ると、やはり全員その場で気を付けの態勢を取った。精霊課長が私を紹介する。
「皆注目。こちらの方が本日着任された精霊導師様だ。導師様、一言お願いします」
「只今ご紹介に与りました、フィリストリア・アルカドールです。若輩者ですが、精一杯努めて参りますので、宜しくお願いします」
「導師様、こちらへ。魔法課長殿を紹介いたします」
「魔法課長殿、フィリストリア・アルカドールです。本日からこちらで勤務いたします。宜しくお願いします……?」
「ど、どう、しさま、まほ、う、かちょ……です」
「あの、魔法課長殿、御気分が優れないのであれば、私など構わず、お休みなされては?」
「……導師様、彼は魔導師なのですが、魔力への感性が人一倍強いのです。もしかすると、導師様の強大な魔力に怯えているのでは?」
「じ、じつは、そうなの……です。もうし、わけありませ、ん」
「それは申し訳ございません。お話はまたいずれかの機会に」
足早に立ち去った。魔導師の人は私に恐怖を抱くことがあるけど、あそこまで怯えられたのは初めてだよ。
「ちなみに彼は、マルデラウス・アルテカルロ子爵。王都出身で、普段は優秀なのですが……」
王都出身で子爵、というなら、競争率が高い中、叙爵されているわけだから、相当優秀な魔導師なのだろう。普段の状態で、一度話を聞いてみたいものだ。
「こちらは魔道具課です。魔道具課は、魔道具の研究や資料収集、国家資格を取得した魔技士の管理業務などを行っております」
結構幅広そうな業務内容の割にこぢんまりしているな。まだ魔道具が発展していないということだろうか……など考えながら事務室に入る。やはり全員その場で気を付けの態勢を取った。ヴェルドレイク様もいた。精霊課長が私を紹介する。
「皆注目。こちらの方が本日着任された精霊導師様だ。導師様、一言お願いします」
「只今ご紹介に与りました、フィリストリア・アルカドールです。若輩者ですが、精一杯努めて参りますので、宜しくお願いします」
「導師様、こちらへ。魔道具課長殿を紹介いたします」
「魔道具課長殿、フィリストリア・アルカドールです。本日からこちらで勤務いたします。宜しくお願いします」
「導師様、私は魔道具課長を務めております、ニルストラム・プリナツールです。宜しくお願いします」
良かった、今度は怯えられていない。まともそうな方だし、少し質問してみようか。
「魔道具課長殿、こちらは魔技士の管理もされていると伺いましたが、今ロイドステアで登録されている魔技士は、どのくらいおりますの?」
「1000名程度ですな。王都で約200、各公府で約100、後は国内に分散していますね」
確かセイクル市で10名くらいしかいなかった筈。やはりうちは田舎だ。増やせたらいいなあ。
「有難うございます。私は、今後国民の生活を豊かにするには、魔道具の力が欠かせないと思っておりますの。その為には、課長殿をはじめ、魔道具課の皆様のお力が一層必要になりますわ。国民の為、共に励みましょう」
一応、魔道具課の皆さんを対象として言ったのだが、ちらりとヴェルドレイク様を見ると、微笑んでいた。
さて、次は3階だ。こちらは総務課の方かな?
「こちらは総務課です。総務課は、省内の人事や施設、備品などの管理、その他省全体の業務を行っております」
……まあ、言葉は悪いが裏方や雑用的な仕事の担当が総務課なのね。必要な業務ではあるのだけれど。
「ちなみに秘書室も、編成上は総務課に含まれております」
おおっ、急にニストラム秘書官が補足説明した……なるほど。
総務課の事務室に入ると、結構忙しそうにしていたが、やはり全員その場で気を付けの態勢を取った。制服を合わせる時に来た人もいる。精霊課長が私を紹介する。
「皆注目。こちらの方が本日着任された精霊導師様だ。導師様、一言お願いします」
「只今ご紹介に与りました、フィリストリア・アルカドールです。若輩者ですが、精一杯努めて参りますので、宜しくお願いします」
「導師様、こちらへ。総務課長殿を紹介いたします」
「総務課長殿、フィリストリア・アルカドールです。本日からこちらで勤務致します。宜しくお願いします」
「導師様、私は総務課長を務めております、ラルフノリス・ジェルフロウです。宜しくお願いします。ところで、執務室の方は、不都合はございませんか?」
総務課の人が私の執務室を準備したので、不具合が無いか聞いているわけか。
「いえ、今の所ございません。細やかな心配り、感謝致します」
「何かご入り用のものがございましたら、何なりと申し付け下さいませ」
その後少し話をしたが、出来る限り勤務環境を良くしようと努力している様が伺えた。真面目な方なのだろう。
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何となく、異世界恋愛物の短編を書いてみました。
舞台は、本作の世界「フィアース」の中の1国「セントチェスト」になります。
ユートリア大陸中部に位置し、ロイドステア国の西の隣国に当たり、ディクセント領が接しています。地下資源が豊富な国ということで、その辺りを背景にして、話を進めています。
なお、一応、数年後に本作が絡む構想になっています。




