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第280話 デカントラル~カルテリア間のトンネル工事を行った

お読み頂き有難うございます。

宜しくお願いします。

田んぼの方をもう少し見たかったが、週末についてはトンネル工事が予定されているため、王都に戻って来た。今度はカルテリア~デカントラル間にトンネルを作ることになっている。これで依頼されたトンネル工事は終了になるわけだ。


工事の要領については、距離が約33キート、前世の距離で言うと概ね30kmということで、これまでより長いが、工事可能な距離ではあるので、問題無いだろう。




次の日、トンネル工事のため、私は王都からデカントラル領の中心都市まで空動車で移動した。


デカントラル領は王都の東隣にあるため、中心都市にも1時間強で到着した。ここで、デカントラル伯爵に挨拶した後、トンネル入口付近の村に、これまでとほぼ同様の編成で移動したが、今回は伯爵自身が同行した。


到着後、警備中の領兵から、周囲の状況に問題が無いことを確認し、トンネル入口予定地に移動した。これまでと同様、女王様の像を置いて、風精霊に暫く山谷風を止めて貰った後、案内係を空動車に乗せてカルテリア側に行った。


カルテリア側は……伯爵、私にとっては伯従父様と、前伯爵、私にとっては大伯父様がやって来ていた。特に大伯父様は、私が空動車から降りた瞬間、嬉しそうな顔をしたが、仕事中なので普通に挨拶をした。


伯従父様に、工事の要領などを説明した後、周囲の地精霊を探したところ、馬の頭に乗っている精霊がいたので挨拶をして、魔力を渡して仕事を頼むと、早速飛んで行った。


暫くすると、少し上の方からやって来たので、入口の場所を微修正することになったが、追加の工事は不要の様だ。さて、工事のために、和合を行おう。


【我が魂の同胞たる地精霊よ。我と共に在れ】


地精霊と和合を行い、早速トンネルを掘り進めた。今回は掌握出来る距離ギリギリまで掘り、そこからトンネルに入って、地精霊に案内して貰って方向を誤らないように慎重に掘り進めた。今回も結構水が出て来ていたからしっかり岩化しつつ進み、1時間半でデカントラル側に出ることが出来た。出口付近もしっかりと固めて、今日の作業を終えて宿営地で休んだ。




次の日は、デカントラル伯爵に挨拶をして別れた後、手を地精霊と同化させて、トンネルを空動車でカルテリア側に移動しつつ、内部の工事を進めていった。3時間程でカルテリア側入口に到着したので、伯従父様達に会って、今後の予定を確認した。近くの道路までの道を作るということだったので、ついでということで道を作らせて貰った。


トンネル入口付近の工事も終了し、カルテリア伯爵邸に移動した。その日は宿泊する予定だったので、前に泊まった時と同様に、親戚として宿泊したわけだが……食事の際にはかなり話が弾んだ。


「マーサはあまり身体は強くなかったが、結構好奇心が旺盛でな。屋敷の中を良く歩いたり、本なども良く読んでいたよ」


「まあ、活発な方だったのですね」


「ああ。たまに熱が出て寝込んでいたが……静かに寝るのは性に合わなかったようでな……」


やはりお祖母様に関する話が多かったが、私の現状に関する話も色々した。


「お前の活躍も様々な所から聞けるので、儂達も楽しみにしているところがあるのじゃが……昨年のサザーメリド国の話は正直、後から聞いたが心配したぞ。難しいのは解るが、心配するようなことは避けて貰いたいものじゃ」


「申し訳ございません。ご心配を掛けぬよう、職務に励みたいと思います」


「こんな老いぼれで良ければ、遠慮なく頼ってくれて構わんのでな。これからも健やかに生きておくれ」


あのようなことはもう無いと信じたいが……出来る限り安全に暮らせるようにしよう……。




次の日は休日だったので、大伯父様達と色々話しつつ、昼食までごちそうになってから、カルテリア領を後にした。転移門で王都まで戻り、交通課の担当者を送った後、王都邸に戻った。





8月2週となり、王太子殿下達が視察を終了して王都に帰って来たり、収穫祭の準備もあったりで、王都全体が忙しいような感じではあったのだが、私の正面の仕事は特に大きなものはなく、時間が空いてしまったところに、丁度ヴェルドレイク様がやって来たので、電磁気関係の話をさせて貰った。


特に電荷の話や、電場や磁場などの話を、イメージ図や右ねじの法則、フレミングの左手の法則などで、目で覚えやすいように説明してみた。


「雷の力を持つ存在は、周囲の領域に一定の影響を及ぼすのですね……」


「ええ。ですから、それらの性質を利用することで、遠く離れた所にも影響を及ぼすことが可能となるのですわ」


「そういった性質を理解することで、私が現在研究している魔道具の完成に近づくということですね」


「その通りですわ。それと、法則性だけではなく、雷素の流れ方を変化させる様々な仕組みがありますから、それらを活用する必要が出て来るでしょう。例えば、雷素は一定方向にしか流れないわけではありません。流れる向きが周期的に入れ替わる状態を作ることが出来ます。前者を仮に『直流』後者を『交流』と仮に名付けますが、情報のやり取りをするには『交流』も必要になって来るでしょう」


「それはどういう意味でしょうか?」


「流れ方に意味を持たせ易いのです。強弱、周期など、様々に変化させることが可能ですから……例えばこのような感じですね」


交流の時間経過に伴う波形、所謂サインカーブを紙に記し、また、音声が空気振動の結果生じていることなどを踏まえて、合成波形などを作ったりして、説明した。


「成程! 極短時間で周期的に向きが入れ替わる交流の影響力が遠方に伝わり、状態を元に戻すことで遠方の声を届かせることも、可能なのかもしれませんね!」


「ええ。その辺りも踏まえ、幾つか精霊に確認しているものがありますので、お教えしましょう」


そして、発電機や、コイル、コンデンサなどの素子についても説明しておいた。


「有難うございます! また雷素などに関して理解を深めることが出来ました。感謝致します」


「では、今後も励んで下さいませ」


ヴェルドレイク様は退室した。これから、再び法則などをまとめるのだろう。頑張ってね。




省の定例会議があったが、大きな報告事項は無く、王太子殿下達の視察の話や収穫祭の話だけになりそうかな……と思っていたのだが、大臣から、他省の大臣が何名か交代する方向で話が進んでいるという話を聞いた。在任期間や、派閥の力関係などが理由だそうだが……ちなみに、先日の体制派の会合の後で聞いたが、お父様にも調整が来ているらしい。大臣になったら、領政をある程度お兄様に預けて王都に住むことになるそうだ。さて、どうなることやら……。




収穫祭が始まった。初日はやはり、魔法学校に行かせて貰おう。というのは、今回は精霊術士が魔法強化の展示を行うのだ。特製の的を使い、各属性が魔法を放てるように準備しているそうだ。その他、魔法強化の概要を記した紙を展示場に貼っているらしい。


テルフィを伴って魔法学校に行き、件の展示場に行ったところ、結構混雑していた。学生を主体として試していたが、中には教官らしき人達もいて、魔法強化を体験していた。今の時間はパティ、マリー、フェルダナ、ラズリィが担当しているようだ。


「賑わっておりますわね」


「まあ、導師様。お越し頂き光栄ですわ」


「何か問題はございませんか?」


「先程、氷魔法を放った方がいたのですが、魔法強化された状態でしたので非常に強い威力となってしまいまして……特別製の的が破損してしまいました。それ以降、氷魔法は禁止となりましたわ」


確かにね……氷魔法は元々強力だからね……まあ、今回は禁止という処置で大丈夫だろう……。


その後、魔法戦闘研究会の発表などを観に行ったり、魔法研究所と魔法学校の有志の合同展示を観に行ったりした。合同展示の方では、今回は光魔法も展示されていた。習熟度はまだまだだったが、今後に期待かな。


その他、様々な発表などを見て、収穫祭初日は終了した。

お目汚しでしたが、楽しんで頂けたのであれば幸いです。

評価、ブックマーク、いいね、誤字報告を頂ければとても助かります。

宜しくお願いします。


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