主要用語説明 (第165話~第262話)
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1 世界関連
・龍及び神獣
人が世界を治め始めた頃、魔物の脅威が大きいことを感じた神が、火・風・水・地の4龍を生み出し、魔物暴走の監視や、状況により対処する任務を与えて地上に住まわせた。場所は龍の意思に任されている。龍は魔物暴走多発地帯の近くで、自分の属性に合った場所に棲み、眷属である神獣を生み出し、監視などを行い、魔物暴走の兆候があると、近傍の人の集落に神獣を遣わせて警告する。龍及び神獣には魂があり、精霊視を持つ。また、龍は精霊女王とも交流がある。龍や神獣は、浮遊したり飛行することが可能だが、これは神の恩寵に基づくもの。
水龍はロイドステア国とアブドーム国の間にあるダリブノウ山、地龍はサザーメリド国にある大森林の中央にある大洞窟に棲む。
2 地理関連
・イストルカレン領
ロイドステア国公爵領の1つ。領内にロイドステア国東部の主要な港を有し、サザーメリド国やティロケープ国を中心とした貿易の拠点となっている。各種海産物や交易品が有名。統治するイストルカレン公爵は、各公爵領の位置関係から「東公」と称され、改革派の領袖でもある。
・カウンタール領
ロイドステア国侯爵領の1つ。アブドーム国と隣接し、流通の主要経路であるため、国境警備の任を国王から受けている。大麦の生産は多め。林檎なども採れる。カウンタール家は改革派。
・ディクセント領
ロイドステア国侯爵領の1つ。セントチェスト国と隣接し、流通の主要経路であるため、国境警備の任を国王から受けている。山羊が有名。最近は水不足に悩まされている。ディクセント家は改革派。
・イクスルード領
ロイドステア国侯爵領の1つ。ネクディスト国と隣接し、流通の主要経路であるため、国境警備の任を国王から受けている。領内に活火山があり、頻繁に灰が降っている。畜産と、餌となる作物の生産が盛ん。軍馬も有名。フィリストリアの助言で、さつまいもの生産に力を入れるようになる。イクスルード家は容認派。
・サザーメリド国
メリゴート大陸の南部に位置し、国土は大陸中2番目で、北の国境周辺は魔物暴走多発地帯であり、近傍には地龍が住むとされる大洞窟がある。東公領の港で交易を行っている関係上、東公との関係性が深い。フィリストリアを取り込もうとして画策したことが仇となって国の体制が変わり、ラルプシウス国となる。
3 特殊能力関連
・新開発された魔法
フリーズドライ魔法、美肌魔法
・魔法強化
精霊術士や妖精族が、約定に基づく文言により精霊に願い、魔力を与えることで、その精霊が実行した魔法が一定の時間、数倍の威力になる。この現象を魔法強化と呼んでいる。
・魔力波
フィリストリアが編み出した技。魔力の活性化が、脳波とシンクロさせることであると仮定し、アルファ波が強まった瞬間に体内の魔力を圧縮して一点から放出することで、強力な攻撃技となった。当初は発勁を取り入れようとして試行錯誤していたため、発勁(仮)と呼んでいたが「魔力波」と名付けた。
・魔力増幅
魔力波の応用で、アルファ波が強まった瞬間に魔法を使用することで、数倍の威力の魔法を放つことが出来る。カイダリードが開発中。ただし、未完成であり、魔力を大量に損失する。
・荒魂
フィリストリアが魔力波を応用して編み出した技。和合して、属性のエネルギーを取り込んだ状態で、魔力波を放つと、属性のエネルギーと魔力が混ざり合った状態で放出され、絶大な威力を持つ攻撃となる。大自然の脅威の様だと精霊課長に言われたので、そこから連想して命名した。該当する属性を頭に付けて(火荒魂、風荒魂、水荒魂、地荒魂)呼ぶ。
4 その他
・ロイドステア国行政府
国王を補佐し、行政を司る組織。宰相が統括し、総務省、財務省、外務省、国防省、建設省、魔法省、農務省、商務省、法務省が存在する。各省の長である大臣は、3公5候の現当主や前当主、元王族の法服公爵や、伯爵などが任命される。省内は各業務担当課が存在し、課長は子爵級の貴族が任命される。「ステア政府」と略される。
なお、宰相・財務・外務大臣は3公当主又は前当主、元王族の法服公爵が持ち回り、総務・国防・建設大臣は5候当主又は前当主が持ち回りで就任、その他は16伯当主や前当主などが就任することになっている。
・魔法省
ロイドステア国行政府の省の一つで、魔法に関連する各種事業において、国王を補佐する組織。長は魔法大臣。省内は、魔法に関する研究や教育を司る魔法課、魔法兵団の運用や育成を司る魔法兵課、魔道具の研究や資料収集、登録された魔技士の管理などを行う魔道具課、精霊に関する諸業務を司る精霊課、省の人事や施設の管理、その他省全体の業務などを行う総務課がある。なお、魔法研究所は魔法省の隷下組織である。
・精霊課
魔法省の精霊関連業務担当課。長は精霊課長。ここに精霊術士は所属し、精霊課付という役職になる。その他、資料班、運用班、警護班及び総務班がある。資料班は、精霊に関する資料収集及び管理、運用班は精霊術士の運用に関する業務、警護班は精霊術士の移動や警護に関する業務、総務班は他班が担当しない課の諸業務を担当する。
・国防省
ロイドステア国行政府の省の一つで、国防に関連する各種事業において、国王を補佐する組織。長は国防大臣。省内は、国防政策を司る国防課、国内治安を司る治安課、国軍整備、運用に関する事項を司る国軍課、国防施設整備を司る国防施設課、省の人事や施設の管理、その他省全体の業務などを行う総務課がある。
・農務省
ロイドステア国行政府の省の一つで、農林水産業に関連する各種事業において、国王を補佐する組織。長は農務大臣。省内は、農業・林業政策を司る農業課、畜産政策を司る畜産課、漁業政策を司る水産課、農業技術の維持発展に関する事業、開拓事業を司る農耕開拓課、省の人事や施設の管理、その他省全体の業務などを行う総務課がある。なお、作物研究所及び畜産研究所は農務省の隷下組織である。
・ロイドステア国軍
ロイドステア国が有する軍隊。総司令官が長で、伯爵級の貴族が就任する。隷下には総司令部、騎士団、魔法兵団、歩兵団、海兵団がある。海兵団以外は基本的に王都ステアシードに所在する。作戦時に司令官を任命し、司令部を作るとともに各団の部隊を合わせて方面軍を編成し、作戦を行う。なお、国防省は、軍の基盤整備や、国軍と各領軍が連携する際の調整を行う。
近衛部隊は王都の防衛警備担当、第1~4部隊は各地で作戦する部隊。4個部隊である理由は、海兵団以外は、隣国が4つあることから、最大4個方面軍を作る前提で編制されたため。海兵団はそれに合わせただけの模様。
なお、歩兵団の本部及び近衛歩兵隊は王都在住だが、第1歩兵隊はトリセント領のガスマーク、第2歩兵隊はクインセプト領のセンドルク、第3歩兵隊はブラフォルド領のタルアイク、第4歩兵隊はペンタデウス領のフルホークに駐屯している。
・神子
神から選ばれた預言者。いつ神の言葉を預かっても良いように、基本的に教主殿に控えている。神子が口にする神託は、周囲の人間全てを強制的に平伏させ、偽ることができない。故に、神は代々の神子を神託で指名する。現在の神子はアドナーシェ・ユール・テムトック。ネルセーデル出身の神官兵から出世し、神子に指名された。なお、ミドルネームの「ユール」は、神子を意味する。
・カラートアミ教の組織構成
代々の神子(神女)が教主。カラートアミ教本部、即ちクェイトアミ山の神域内を統括するのは神域長で、各国の大司教より格上。本部には神学部(教義に関する研究や教育・伝道を司る)、浄財部(資産の運用や各国通貨発行の調整を司る)、神殿部(神域内施設や警備を司る)、神子付などの部署がある。
各国の支部は王都に大聖堂を配置し、大司教を支部長として運営している。国内の主要都市(領主在住の市など)には聖堂と司教が配置され、支部分局として機能している。町村には、基本的に教会と神官が配置されている。
・トロスの役
1518年末、疫病の影響で陸の孤島状態となっていたアルカドール領を占領しようと、ノスフェトゥス国が、国軍の第1軍第1団によりアルカドール領に侵攻した紛争の事を指す。通常であれば本格的な戦争となりかねない事態であったところ、アルカドール領のトロス砦周辺の戦闘終了後、講和が締結された。フィリストリアの存在が強力な抑止力となったためである。本来は第5次アルカドール紛争と呼ばれるものだったが、早期に終結したため、砦名で呼称されるようになった。
・商工組合
大抵の国に存在する、商会や各種職人、各種販売店などを管理する組織。所属国の政府の認可を受けて運営されている。組合同士で連携を取り合っているものの、カラートアミ教の様に国家横断的な組織とはなっていない。しかしながら、金融業も併せて行っており、かなりの発言力を有する。預金口座は協定を締結した他国の組合でも使えるものだが、本人と確認できるものが必要なので、実質貴族や有力な商人しか使うことができない。
基本的に本部は王都にあり、主要な都市に支部がある。なお、ロイドステア国では、商工組合関連事業は基本的に商務省管轄となっているが、魔道具に関しては魔法省管轄になる。
・冒険者組合
大抵の国に存在する、冒険者を管理する組織。所属国の政府の認可を受けて運営されている。組合同士で連携を取り合っているものの、カラートアミ教の様に国家横断的な組織とはなっていない。
基本的に本部は王都にあり、主要な都市に支部がある。また、冒険者の役割上、小さな村や集落にも、大抵出張所がある。失業者対策の一環として、国からも運営資金が出されているので、国営事業としての面がある。なお、ロイドステア国では、総務省の管轄になっている。
お目汚しでしたが、楽しんで頂けたのであれば幸いです。




