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第237話 魔法学校の年末魔法戦 2

お読み頂き有難うございます。

宜しくお願いします。

暫く知らない学生達の試合が続いた後、1学年の所でミリナの試合が始まった。相手は風属性の男子学生だ。


開始早々男子学生が突風で陣外に押し出そうとするも、ミリナは水壁を作って突風を防いだ。属性エネルギーを多く含んだ水壁は、それなりの強度があるらしく、また、土壁より柔軟性もあるので対応も簡単に出来るようで、突風は悉く防がれていた。


その後、ミリナが氷弾を放ち、男子学生が陣外に吹き飛ばされて、ミリナが勝利した。氷魔法についても、かなり上達しているようだ。このままミリナが勝ち進むと、次の次でダリムハイト様と戦うのかな? 魔法戦闘研究会で、普段から張り合っているようだし、案外面白い組み合わせかもしれない。




そして、3学年の最後の試合で、お兄様が登場した。相手は地属性の男子学生のようで、属性的には相性が悪い筈だが……試合の開始とともに、お兄様が放った氷弾は、男子学生が作ろうとした土壁を破壊し、そのまま男子学生を吹き飛ばした。


かろうじて陣内に残ったものの、男子学生は戦意を失い、降参した。まあ、魔法の習熟度を見る限り、圧倒的にお兄様の方が上みたいだから、それが賢明だね……。お兄様がこちらを見たので、軽く手を振ると、微笑んでいた。


この様子なら、3学年の決勝戦は、お兄様とライスベルト様でほぼ確定かな。楽しみだ。




その後も試合は進み、ダリムハイト様とミリナの試合が行われることになった。


二人とも、気合は十分すぎるほどあるようで、口喧嘩をした後、互いの陣に分かれた。属性的にはダリムハイト様が有利だけど、これまでの試合で魔力をかなり消耗しているように見える。対してミリナの方は、かなり魔力に余裕があるようだ。さて、どうなるかな?


試合が始まった。双方、土弾と水弾を撃ち合い、土壁と氷壁で防御している。土弾は水壁では防御しきれないから、氷壁で防御しているのだろう。それでも次第に氷壁は削られていく。


対して、水弾は土壁に阻まれている。氷弾なら、ある程度は削れるのだろうけれど……と思っていたら、ミリナは水弾を撃つのをやめ、何故か土壁を凍らせようとした。しかし暫くすると、削られた氷壁の修復を始めた。攻撃をする余裕が無くなったのだろうか?


ここを勝機と思ったのか、ダリムハイト様は一気に攻めた。再び削れ始めた氷壁。しかしミリナは動かない。精神統一をしているようだ。


氷壁に亀裂が入り、もう持たない、と思われた時、ミリナが渾身の力を込めて氷弾を放った!


氷弾は堅かった土壁を粉砕して、その勢いでダリムハイト様を陣外に吹き飛ばした。ミリナの勝利だ。


あの土壁は簡単には壊れないように見えたが……思い返してみれば、ミリナは当初、敢えて氷弾ではなく水弾を放って土壁にぶつけ、水分を吸収させていたのだ。その上で一旦土壁を軽く凍らせた上で元に戻して土壁に小さい隙間を作り、崩れやすくしたのだろう。これは、ミリナの作戦勝ちだな。




他の試合は……お兄様とライスベルト様は余裕で勝ち進んでいる。オスクダリウス殿下は、やはり危なげなく勝ち進んでいる。地属性の対戦相手もいたが、残念ながら重力魔法を使えなかったようで、全く相手にならなかった。重力魔法は反則的なまでに強力だな。


そして、今からティーナとルカの試合が始まる。


これまでティーナは余裕で勝ち進み、ルカは光魔法と通常の火魔法をうまく使い分け、勝利して来た。魔法の習熟度ではティーナの方が一枚上手のようだが、属性の問題もあるし、双方、雷魔法と光魔法があるので、勝負がどうなるかはやってみないと判らない。


試合が始まった。ティーナはいきなり稲妻を放った。速攻で決める算段のようだ。属性的に相性が悪いから、判断としては妥当だろう。対してルカは、火属性のエネルギーで障壁の様なものを自分の前に作った。


どうやら、雷魔法は属性エネルギーの障壁で軽減されるらしく、見た感じ、ダメージは与えられていないようだ。ただ、これは、属性の相性にもよるかもしれない。風属性に強い火属性だから、ここまで軽減出来たのだろう。


だが、ティーナの攻撃はこれで終わらなかった。今度は稲妻の軌道を変え、側面や背後から攻撃して来たのだ。これにはルカもたまらず、自分の周囲に障壁を張った。


しかしながら、どうも属性エネルギーを使った障壁を維持するのは、単なる水壁や土壁よりも魔力の消費が激しいようで、ルカの魔力が急激に減っていった。ルカもそれは判っているのか、火属性弾を放って早期決着を図ろうとするも、ティーナの稲妻に阻まれて届かない。


そこでルカは、光を収束させて攻撃した。ティーナは眩しかったのか、一旦動作が止まったが、風属性エネルギーの壁で前面を覆うことで、眩しさが軽減したのか、攻撃が再開された。


そして、結局ルカが魔力切れで降参し、ティーナが決勝に進出した。二人とも、よく頑張ったよ。


特に、ルカがレーザーを知っていたら、結果が変わっていたかもしれないが……待てよ?


あの、属性エネルギーの障壁を利用すれば、収束した光を、相性が悪い風属性でも軽減できたのだ。相性が良い水属性を使うなり、光の特性を生かすなりした属性エネルギーの障壁を使えば、レーザーを防ぐことが出来るかもしれない。今度検討してみよう……。




3位決定戦の後、決勝戦が行われる。決勝戦及び3位決定戦は、中央の試合場で行われるようだ。1学年の3位決定戦には、ルカが出場……する筈だったが、ティーナとの激戦の際の魔力切れにより棄権し、4位となった。これは仕方がないだろう。


3位決定戦が終了し、決勝戦となった。1学年の決勝戦で戦うのは、ティーナとミリナだ。


属性では優劣無し、ティーナはまだ魔力に余裕があるようだが、ミリナはダリムハイト様との激戦の影響か、魔力を結構消耗しているようだ。魔力の分だけ、ティーナが有利だと思うが……審判の合図で、試合が開始された。


開始直後から、ミリナは氷弾を放った。どうやら短期決戦を選んだようだ。まあ、それが一番いいだろうね。ティーナは、稲妻で氷弾を撃ち落とそうとするも、威力は弱められたが撃ち落とすには至らず、風属性エネルギーの障壁を作って防御した。


ティーナも負けじと、軌道を曲げた稲妻を複数放った。ミリナは水属性エネルギーの障壁を張って防御するも、火属性ほどダメージを軽減出来ていないらしく、苦しそうだ。


暫く魔法の撃ち合いとなっていたところ、ミリナが魔力切れで降参したことにより、ティーナの優勝が決まった。二人ともお疲れ様。優勝、準優勝おめでとう。


ティーナは、小さい頃から父であるアンダラット先生に魔法を教わっていて、当然アンダラット法も早期に習得している。その影響かもしれないが、魔力量についても高位貴族に勝るとも劣らないようだし、更に雷魔法もあっさり習得しているから、卒業時には魔導師の資格を得ているかもね……。




2学年の決勝戦は、オスクダリウス殿下と、風属性の女子学生だ。属性的には女子学生が有利だが、どうなるだろうか。試合が始まると、オスクダリウス殿下は土壁を作り……おおっ、女子学生が稲妻を放った!


しかし、残念ながらティーナ程の発動速度や威力は出ておらず、土壁に簡単に阻まれた。また、ティーナの様に稲妻の軌道を曲げることが出来れば、まだ勝ち目はあったかもしれないが、そこまで雷魔法を使いこなしているわけではないようだ……オスクダリウス殿下は重力魔法で女子学生を陣外に移動させ、優勝が決まった。おめでとうございます。

お目汚しでしたが、楽しんで頂けたのであれば幸いです。

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宜しくお願いします。


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