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第023話 テトラーデ伯爵令息 アレクシード・テトラーデ視点

お読み頂き有難うございます。

宜しくお願いします。

夕食の時に、父上が僕達に、今度伯母上と従兄姉達が来ると話してくれた。伯母上は、父上の姉さまで、北にあるアルカドール侯爵家の夫人らしい。初めて会うので少し怖かったけれど、父上が懐かしそうな顔をしていたので、大丈夫かも、と思い直した。従兄姉達はどんな子達だろう。父上に聞いてみると


「姉さんの手紙を読む限り、しっかりした子供達のようだ。お前も遊んでもらいなさい」


と言われた。何だか少しわくわくした。


伯母上達が来る日になった。朝からそわそわしていたけれど、昼過ぎに女中が呼びに来て、家の玄関で到着を待っていた。暫くすると、馬車が玄関前に止まり、中から伯母上達が降りて来た。


伯母上はどことなくお祖母様に似ている綺麗な方だった。カイダリード兄さまは、優しそうだけれどしっかりした感じの方だった。そして、フィリストリア姉さまらしき女の子を見た時、体じゅうが熱くなった。ずっと見ていたい気持ちになった。


父上から挨拶するよう言われて気が付いたけれど、上手く挨拶できなくて、悲しくなった。

その後、談話室で色々なことを話した。領地の事はわからなかったけれど、カイ兄さまやフィリス姉さまがとてもすごい事がわかった。父上も母上も、二人をものすごくほめている。僕も父上の跡を継ぐことになるから、がんばらないと!


だけど、微笑んでるフィリス姉さま、可愛いなあ……。所作も僕と1つしか違わないのにすごく綺麗で、どんなに見ていても飽きないや。でも、夕食の時にフィリス姉さまを見すぎていたせいか、何回か失敗をしてしまった。フィリス姉さまに嫌われてしまう!気をつけよう!


それからしばらくの間、カイ兄さまやフィリス姉さまは、うちを案内されたり、本を読んだりしていたけれど、他にも護衛の人達が剣のたんれんをしているところに混ざっていた。それを見て僕はびっくりした。だってカイ兄さまなら分かるけど、フィリス姉さまも一緒にたんれんするんだもの!その上、フィリス姉さまは護衛達より強かったんだから!


みんな真剣にやっているのに、フィリス姉さまにかかればあっさり転がされて木剣を突きつけられる。たまにカイ兄さまもやられていた。フィリス姉さまは、すごく楽しそうにたんれんをしていた。


僕もフィリス姉さまとたんれんしたくて、お願いしたのだけれど、僕はまだ体が小さいからだめだった。フィリス姉さまは僕より腕が細いのに、大人の人と剣を打ち合えるのは、身体強化を使えるからだそうだ。


僕も魔法の勉強は始めたけど、活性化があまりできていないから、魔法も使えていない。仕方なくあきらめたのだけれど、フィリス姉さまがかんたんなたんれんの方法を教えてくれた!父上に話したら


「それは良い事を教えて貰ったな。頑張りなさい」


と言われたので、毎日やることにした。あと、体操?というのもやっている。これを続けていると体の調子が良くなると言われた。今はむりだと思うけれど、いつかはフィリス姉さまとたんれんしたいなぁ。


お祖父様達と一緒に、カイ兄さまとフィリス姉さまに町を案内した。フィリス姉さまと手をつなごうと思ったけれど、カイ兄さまに取られてしまった。二人はお似合いだった。僕はお祖母様と手をつないで歩いた。


市場や工芸品の店などを見て回ったけれど、僕も初めての所が多かったから、楽しかった。それに、周りをみて気付いたけど、すれ違う人達の多くはフィリス姉さまを見て、最初の僕の様になっていて、面白かった。けれど、それで捕まる人もいたらしい。僕は従弟だからいいよね?


昼食は、予約していたという店で食べた。お外で食べる時は、いつもよりちゃんとしないといけなかったんだけど、肉を食べたら鼻がつんとしてむせてしまった。後で聞いたら、肉に付いていた緑色のやつがいけなかったらしい。気をつけよう。


暫く経った夕食の時、父上がハトーク分領という所の視察に、カイ兄さまとフィリス姉さまを連れて行くという話があった。僕も一緒に行きたいと言ったら、行けることになった!楽しみだなぁ。


そしてハトーク分領に行く日になった。行きの馬車では、父上と伯母上が僕達に途中の町の話などをしてくれた。二人の子供の時の話も色々聞いた。その時に、僕もお姉ちゃんが欲しかったなあ、と言ったら、フィリス姉さまが微笑みながら僕の頭をなでてくれた。


ハトーク分領に着いた。分領の人達が、領主である父上を出迎えた。いつかは僕も父上みたいになれるのかなあ。その日の夜はかんげいのうたげだった。ハトークの偉そうな人達が父上の所に挨拶に来て、僕にも挨拶をした。今日は人が少ないけど、王都でうたげがある時は、人が多いから、挨拶だけですごく時間がかかるそうだ。面倒だなあ。


今日のうたげは子供が僕達の他にはいなかったので、挨拶が終わってからは、カイ兄さまとフィリス姉さまと一緒に食べた。魚は骨があって、僕は食べるのが大変だったけど、二人はきちんと食べていた。特にフィリス姉さまは綺麗に骨を取っていて、僕の魚の骨も「今日は特別ですからね」と言って取ってくれた。すごいなあ。


次の日には魚市場に行った。こんなに沢山の魚を見たのは初めてで、とても面白かった。昼食は魚市場の近くで食べた。焼いた貝がとてもおいしかった。フィリス姉さまは、帆立貝だと言っていた。こんな貝の名前を知っているなんで、やっぱりフィリス姉さまはすごいなぁ。


昼食の後は、魚達を展示している所に行った。人がいっぱいいたけど、泳いでいる魚が見られたので楽しかった。魚の他にも、変な生き物がいっぱいいたけど、フィリス姉さまが言うには、きちんと料理すればおいしいらしい。一度食べてみたいなあ。


今日は、牡蠣?という貝を育てている所に行った。案内してくれている太守夫人の話では、うちの領だけでなく、王都の方にも出荷していて、人気があるらしい。特に今頃のものはとてもおいしくて、国王様もお食べになるそうだ。僕達も昼食でこの牡蠣の料理をたくさん食べた。僕は揚げたやつが一番おいしかったけど、伯母上やフィリス姉さまは、生の牡蠣が一番おいしかったようだ。カイ兄さまも揚げた牡蠣がおいしかったと言っていたから、生の牡蠣は女の人に人気なのかな?


砂浜にやってきた。遠くを見てみたけど何も見えない。海は凄く大きい。今は寒いから人はほとんどいないけど、夏になるとこの辺りで遊ぶらしい。何だか怖いから僕はいいや。そういえば、海の水は塩辛いらしい。なめてみると、本当に塩辛かった!


何でだろうね、とフィリス姉さまに聞いたら、大地にあった塩が川などから少しずつ流れていって、今みたいに塩辛くなったらしい。そのうち海が川の水であふれそうだね、と言ったら、実は風が海の水を少しずつ空の上に持ち上げていて、それが雨になるから、すぐにあふれることはないらしい。何だかすごいなあ。


ハトーク分領から帰ってきて、カイ兄さまやフィリス姉さまとたくさん話をしたり、本を読んでもらったりした。あと、僕の魔法の勉強も見てもらった。二人は、今やっている活性化とはちがうやり方を知っていて、教えてくれた。カイ兄さまが言うには、このやり方はフィリス姉さまが考えたらしい。すごいなあ!僕もできるようにならないと!


そして、伯母上達が帰る日になった。セディはぐずっていたけど、僕はお兄ちゃんだからしっかりしないと。それに、フィリス姉さまが悲しみそうだったからがまんした。またうちに来るか、王都などで会うきかいがあるらしいので、絶対会おうね!と言って見送った。


伯母上達が帰ってしばらくは、さびしかったんだけど、僕付きの女中から


「アレクシード様は、最近逞しくなられましたね。毎日行っている運動の成果ですね」


と言われて、フィリス姉さまが今でもそばにいるようで、うれしくなった。もっとたんれんしたり、活性化をれんしゅうして、がんばろうと思った。

お目汚しでしたが、楽しんで頂けたのであれば幸いです。

評価、ブックマーク、いいね、誤字報告を頂ければとても助かります。

宜しくお願いします。


(石は移動しました)

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