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第099話 一旦帰省した

お読み頂き有難うございます。

宜しくお願いします。

教主猊下との会談は、私が思った以上に周囲に驚かれていた。お兄様にはその日の夕方話して、驚かれるとともに安堵され、次の日には精霊課の人達からも安堵され、また、重力?魔法を習得する支援で魔法研究所に行くと、オスクダリウス殿下や他の方から様子を尋ねられ、しまいにはアルカドール領から、私を心配する手紙が届いた。お兄様とも相談し、休日に一度帰ることになり、本邸と王都邸の間に設置されている緊急連絡用の魔道具を通じて、連絡して貰った。




今回の省定例会議は、私に関する2件の話が別途報告された。1つは先日の教主猊下との会談の件、もう一つは雷魔法の開発の件だ。会談の話は陛下から達せられているから特に問題はないが、明日の全体会議で確認されるかもしれない、という話だった。


雷魔法については、基本的に魔法研究所から報告されるので、こちらも質問に備える程度でいいということだった。あと、宰相府から、今後私が災害対処に参加する件が話されるかもしれない、ということであった。


翌日、全体会議に参加したが、私に直接何かを確認するということは無かった。ただ、やはり宰相府から災害対処の件が話され、法整備を行うことになった。その他、建設省の方から、一部工事が予想以上に進捗し、予定より早く終了したことが報告されていた。




週末となり、学校と魔法省から帰宅後、着替えなどを行って、転移門でお兄様や数人の護衛、使用人とアルカドール領に戻った。転移門の前には使用人が待機しており「御曹司様、お嬢様、お帰りなさいませ」と言われ、そのまま談話室に誘導されると、お父様、お母様、お祖父様が既に待機していた。


「カイ、帰ったか。フィリス、無事で良かった」


「カイ、お帰りなさい。フィリス、また貴女が変なことに巻き込まれたのかと心配したのよ」


「カイ、お帰り。フィリス、無事に帰れたんじゃな」


何故お兄様は普通なのに、私は心配されているのか。いや、帰る発端が私にあるからだけどね。


その後、簡単に教主猊下との話?の内容を説明した。


「なるほど。今後も引き続き気を付けねばならんということか」


「転生の話は、カラートアミ教の上層部はご存知でしたのね」


「確かネルセーデル国は、イオンステ大陸でも尚武の国とされておったのう」


反応は様々だったが、納得はして頂けた。その後、皆で夕食を食べた……が


「まあ、これはうどんではございませんか」


そう、うどんが出て来たのだ。話を聞くと、どうやらうちの副料理長が、これまでのパスタと異なるうどんにハマったらしい。皆の反応を見たところ


「私はうどんよりそばの風味が好きなのだ」


「あら、私はこのもちもちした食べ応えが気に入っているのよ」


「儂はどっちでもいいのう」


「私はそれぞれ美味しさが違うと思いますので、どちらも好きですね」


という内容だった。意見がバラバラだ。ちなみに料理長はそばがお気に入りで、料理長と副料理長がそばうどん論争を繰り広げているらしい。いや、そこまで取り入れなくていいから。


あと、お父様から私に


「フィリス、明日は本来休日なのだが、お前が一時帰省すると知った者達が、例の産業振興の件で話したいことがあるから、と頼まれてな。申し訳ないが、明日対応して貰えると助かる」


「承りましたわ。私も気になっておりましたの」


「父上、それなら私も同席させて頂けないでしょうか」


「ふむ、私は元々同席するところだったが、お前も次期領主として、聞いておいた方が良いだろう」


ということで明日は、産業振興プロジェクトの件で話し合うようだ。まあ、教主猊下関連の報告は既に終了しているから、何もすることが無かったので丁度いい。


そういえば、パティはどうしているだろうか。地精霊と感覚共有して、ミニスクス邸に行くと、パティが本を読んでいたので、お邪魔することにした。


『パティ、元気?』


「あら、フィリス。どうしたの?こちらに帰って来たの?」


『実は先日、教主猊下にお会いしたのだけれど、うちの両親が心配して、手紙で確認してきましたので、顔を見せに帰って来ましたの』


「へー、そんな凄い方とお会いできるのね。流石精霊導師様だわ」


『もう、貴女まで』


「まあそこは事実でしょう?……ああ、だから休日だと言うのに、明日父がそちらに行くのね」


『あら?明日の話し合いに、執政官殿も来られるの?』


「そうみたい」


『これまでは具体的な話に絡まなかったのだけれど。ところで、先日ティーナにお会いしましたわ』


「そうなの!元気だった?」


『ええ、先生が今魔法研究所に勤められているから、そこで魔法の勉強をされていましたわ』


「ティーナはルカと一緒に、来年魔法学校に入学ですものね」


『頑張っていましたわ。先日も、雷魔法を習得していましたわよ』


「え?雷魔法?それって物凄く難しくて、誰も成功したことがないって聞いているけど?」


『いえ、風魔法の応用よ?ティーナったら、やり方を教えたら、1か月で習得するんですもの』


「……つまり、それは貴女が元凶なのね?もう、相変わらずとんでもないことをするわね」


『元凶って……私は悪いことはしておりませんわよ?』


「まあ、そうですけどね。でも……そうなると、ルカが拗ねてしまうかもね」


『どうしてルカの話が出て参りますの?』


「先日、セレナが氷魔法を習得できたのだけれど、それを聞いたルカが、コルドリップ先生に「私にも何か新しい魔法はございませんか」と尋ねていたらしいわ」


『気持ちはお察ししますが……』


「これで来年魔法学校でティーナが「フィリス様に雷魔法を教えて頂きましたわ~」とか言ったら……」


『あまり想像したくありませんわね』


「フィリス、何か火属性の新しい魔法とかないの?」


『ないの?と言われましても急には……一応検討してみますが』


「そうした方がいいわね。そういえば、精霊課ってどんな所なの?」


『そうですわね。色々仕事があるのですが、あまり有効に運用されていない感がありましたわ』


「……面倒な仕事が無ければ良いのだけれど」


『地属性は色々活躍の場がありますから、かなり忙しくなるかもしれませんわね』


「えー、行くのやめようかしら」


『そんな!貴女と勤務できるのを楽しみにしておりますのに』


「冗談よ。そんなこと出来ないのも分かっているしね。何かやっておくことはあるかしら」


『パティはアンダラット法も習得していますし、特にありませんわね。ただ、今後精霊術士の役割が変わっていきますの。そのための鍛錬などをあちらで行いますから、そのつもりでいて下さいな』


「そうなの?まあ、フィリスが絡むと、どこもそうなるのかもね。分かったわ」


『何だか変な納得の仕方ですが……そういうことですので、あちらでも宜しくお願いしますわ』


「ええ、こちらこそ宜しくね!」


そのような感じでパティと話していた。うーん、新しい火属性の魔法か……頭の片隅に入れておこう。そういえばお父様は風属性だし、雷魔法を教えてもいいかもね。雷親父というにはダンディな感じだけど。

お目汚しでしたが、楽しんで頂けたのであれば幸いです。

評価、ブックマーク、いいね、誤字報告を頂ければとても助かります。

宜しくお願いします。


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