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現実社会編

私が就職活動をしていた際、「顔採用」という言葉がよく見られました。

中身が同じならば見てくれの良い人間を採用する。なんだったら、中身が劣っていても顔が良い方を採る。ということですね。業種職種によるでしょうが、まあ正解なんじゃないでしょうか。


「すみません」と数日前の発注ミスを謝られても、可愛い子なら「しゃーねーなぁ・・・」と言うくらいでしょうか。元々が既に起こってしまったミスなので、その場の対応としては、こうあるべきです。しかし、こちらも人間ですから本来であれば罵詈雑言を叩きつけてから、処理にあたりたい場面です。が、出来ない。


10年、20年と「可愛い子」をやってきただけはあります。仕事はイマイチでも処世術には長けています。フロアの忙しさ、その場のトップ、謝る人選。これらを自分の抱えたミスと見比べて、ベストなタイミングで彼女はやってくる。「顔」だなんていうと表面的聞こえますが、とんでもない。常に周りと比べて優遇されてきた厚みのある経歴、その象徴なのです。


彼女たちは自分の周りを円滑に動かすことなど日常なのです。「顔採用」と共に「コミュニケーション能力」という言葉も就活ではよく使われていました。正直、私には得体の知れない能力でした。しかし顔面偏差値の高い彼女らは、十分にそれを使いこなしていたと思います。


男の子の話もしましょう。


私は学生時代、バーベル部の友人に誘われてボディビルディングの大会を観に行ったことがあります。驚いたのは観客の掛け声でした。大会によって差はあるとのことでしたが、その日は熱いオイル推しでした。「今日はオイルがぁ、輝いてる!」「いいよー、ピカピカオイル、光ってるぅ!」といった感じで初観戦の私をビビらせます。


突然ブーイングが起こりました。色白ですが筋肉量はしっかりある選手です。友人から解説が入ります。

「ああいうのは冷やかし扱いだよ。日サロいけばカットがだせるのに、やらねー奴。要は半端者ってこと。筋肉見せびらかしたいけど、身体焼きたくなくて、でも大会出たくてっていうアホ」

その時は、そういう世界もあるのか・・・と思ったくらいでした。


後日、私は整形に興味を持ち出しました。


肉体芸術の祭典で見た、妥協をしない身体作りから、己の顔面への疑問が生まれました。

私が顔に施してるのはヒゲ剃りと眉の整えくらいです。20年以上生きてきて顔で得したことはありません。そして私が知らないところで、損はしているでしょう。いや、当然のこととなりすぎて損として認識できていないモノが大多数でしょう。これはいけない。そうして私は整形を調べ出したのです。


結果としては断念しました。高すぎます。

そしてコストパフォーマンスの悪さが決め手となります。「総額1000万円かけた顔」のお兄さんがクラスの中の上レベルだったのを確認して、整形は諦めました。女の子は化粧も出来るから、そこらへん有利だなぁ、という感想です。


お金があったらやっていましたよ。

「親から貰った身体を傷つけたくない」という意見は尊重します。

一方で「親から貰った人生を棒に振るっている」のもまた確かなものでしょう。

まあ、何を言っても「顔が良いだけでやることなすこと持ち上げられる」という成功体験がない人間の声でしかありませんが。

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