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神竜帝国のドラゴンテイマー  作者: 八茶橋らっく
3章 猫精族と守護剣
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50話 戦闘開始

「テ、テメェ卑怯だぞッ!? 名乗りの最中に不意打ちの仕込みとかッ!? 騎士道精神とか知らないのかッ!!」


「魔族にも騎士道精神って概念はあるのか……」


 と言うか最初に不意打ちを仕掛けてきたのはそっちだし、アイルにも似たことを言われた気が。

 そう思いつつ、不意打ちの封印術で魔族二人を拘束した俺は、メラリアたちに言った。


「この隙に守護剣を回収して来るんだ。急がないと魔物も集まって……」


「……ま、少し驚いたが。こんな鎖がどうしたよォーッ!!」


 見上げると、封印術の鎖で縛っていたゴラスが全身の筋力を隆起させ、あろうことか鎖を引きちぎろうともがいていた。

 それを見て、ルーナは唖然とした表情を浮かべている。


『馬鹿な!? 対ドラゴン用の魔術に、筋力で抗うなんて……!?』


『姫様、あっちばっかりにかまけている暇もなさそうだぜ? どうやらお出ましらしいぞ!』


 ガラードが構えた直後、周囲の地面が弾けて地下から魔物が現れた。

 件の三つ首のヒュドラに、ミノタウロスやコボルトなどの凶悪な魔物が、俺たちを囲むように次々に這い出てくる。

 恐らくはあの二人の魔族の配下、戦闘音を聞きつけて集まって来たのか。

 物量差を鑑みながら、俺は声を上げた。


「ガラード、ここで足止めを食らっていてもキリがない。メラリアたちを連れて、先に守護剣を確保しに行ってくれ! アイルも付いて行って、皆を守ってくれ!」


『よしきた、任せやがれよっ!』


「わ、妾の体がまた勝手にぃ!? ……しかしこの体が痺れる感じ、癖になりそうな……!?」


 古竜の姿に戻ったガラードのブレスと能力を解放したアイルの爆炎が、魔物を吹っ飛ばして包囲網に穴を開けた。

 それから魔物たちを倒しながら、この場から離れてゆく。


「レイド殿!」


「レイドお兄ちゃん!」


「守護剣を手に入れたら脱出する! メラリアもロアナも行くんだ!」


 メラリアとロアナは何か言いたげだったが、覚悟を決めたようでガラードたちと一緒に守護剣の元へ向かっていく。


「できればミルフィも行って欲しいんだけど……」


「……無理な相談。奴らを完全に抑えるまで、わたしは動かない」


 封印術から抜け出しつつあるゴラスを見て、ミルフィは目を細めた。


「しっかしこの封印術、明らかに並みじゃないよ……なァッ!」


「……させない!」


 鎖を引きちぎりかけたゴラスに対し、ミルフィは魔法で水弾を生み出して奴へと放った。

 宙に浮かぶ水弾は大きな木の実ほどだが、その速度と威力は廃墟の一角を穿ち抜くほどだった。


「ぐっ、このチビ精霊中々……!?」


 炎の魔族らしいゴラスには、ミルフィの水系魔法は効果覿面と見える。

 顔を歪めるゴラスへと、俺も封印術を重ねがけしにかかった。


「封印術・竜縛鎖!」


「嘘だろ重ねがけだとッ!? まーだ鎖を出せるのかッ!?」


 魔法陣を展開し、縛る鎖を倍増させた結果、今度こそゴラスは呻きながら倒れた。

 あんな馬鹿げた魔力の奴を自由にさせたら、それこそ形勢が逆転しかねない。

 危なかったなと安堵していると、先ほどから黙り込んでいたシルが封印術の鎖を見て呟いた。


「やっぱりこのタイプの封印術、見覚えがある。ゴラスはどう?」


「……ケーッ! 俺もだッ! あの皇竜騎士と同じ、魔力を封じ込める忌々しい鎖……ッ!」


「お前、まさかあの皇竜騎士の子孫? 魔王様が封印された後、ヴァーゼル様が根絶やしにした筈なのに。何で血が繋がっているの?」


「……?」


 そういえば、アイルも俺の封印術を見て「皇竜騎士の末裔」とか言っていた。

 でも俺の家系は代々ドラゴンテイマーとして神竜帝国に仕えていた筈、根絶やしにしたとか一体どういうことだ。

 深掘りして詳しく聞き出そうとした時、視界の端から三つ首のヒュドラが突撃してくるのが見えた。


『ギュオオオオオオオ!!!!!』


「くそっ、話は後か……! 封印術・蛇縛鎖!」


 遠距離型の封印術を起動してヒュドラの動きを牽制しつつ、距離を取る。

 ヒュドラは毒霧のブレスを吐き出す魔物で、再生力も高く、その甲殻は魔力耐性も高い。

 並みの魔術師なら十人がかりでも叶わない相手だが、こっちには古竜が付いている。


「封印術・重竜縛鎖!! ──ルーナ、頼む!!」


『畳み掛けます!』


 俺が多大な魔力と引き換えに、特大の鎖を十本ほど魔法陣から引き出しヒュドラを縛ると、この場に残っていたルーナがヒュドラへとブレスを叩き込む。

 如何に魔力耐性が高いヒュドラの甲殻も、古竜の超高密度魔力ブレスの前には無いに等しい。

 甲殻を貫通されたヒュドラの体はごっそりと穿たれ、ドウン! と倒れ込んだ。

 さらにルーナは尾を振り回し、小型の魔物を打ち払ってゆく。


『レイド、今は魔物に集中しましょう。奴らにメラリアたちを追わせる訳にはいきません!』


「……一気にカタを付ける!」


 ルーナとミルフィは一気に魔力を解放し、魔物の群れに向かってく。

 俺も封印術で端から魔物を縛りつつ、二人と共に奴らの相手をしていった。


《作者からの大切なお願い》


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