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神竜帝国のドラゴンテイマー  作者: 八茶橋らっく
2章 精霊姫と魔王軍
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43話 最後の四天王

 ミルフィにアイルをテイムした件を説明すると、ミルフィはようやく水弾を引っ込める程度には落ち着いた。


「……分かった。アイルがレイドの奴隷になったなら許す」


「奴隷じゃなくてテイムな」


 しかしまだ怒っているようで、温厚なミルフィにしては物言いが過激になっていた。


「……なら人質。残り三人の魔王軍四天王が来た時に使う」


 ミルフィはふんっ! と鼻を鳴らしていた。

 東洋で言うところの怒髪天を突くというやつだろうか。


「うぅむ、恐らくというか間違いなくそれは無駄だぞ。妾たち魔王軍四天王は魔王様に忠誠こそ誓っておるが、仲間意識は互いに皆無だ」


 むくりと起き上がったアイルは、水で濡れた服の端をぎゅっと絞りながら話し出した。


「それに水精霊の姫君……ミルフィは残り三人と言ったが、実際には妾を除けば残り一人だ。後の二人は古の時代、人間どもに討ち取られてしまったのでな」


『それは朗報ですね。竜の国を焼き尽くす勢いだったアイルほどの手練れが残りたったの一人であるならば、万が一襲って来ても対処のしようはあるでしょう』


「……そう上手くいくと思わぬ方がいい。先の戦いは妾とレイドの相性があまりに悪すぎたのもあるが、最後の四天王は魔王様に匹敵するほどの魔族。奴が来れば古竜の統べる竜の国とて、ただでは済まぬよ。と言っても奴がこんな辺鄙な場所に来る物好きとも思えぬが」


 アイルは話しながらやれやれ、と言った様子だった。


「それにこの際だから話してしまうが、魔王軍を侮らぬ方がいい。妾は魔法で適当な魔物を率いていたが、魔界にいるであろう本隊は魔族の軍勢だ。また魔王様復活に乗じて地上に現れるだろうが、その時にはいくつの国が滅びるやらといったところだ。ま、レイドの下僕にされた妾には無縁の話であるがな」


「そうは言っても、魔王が復活するのは五十年も先なんでしょ? あたし、なんだか実感湧かないよ」


 ロアナの言う通り、確かにあまり実感の湧かない話だ。

 それに魔族が出たら各国も対応するだろうし、俺たちは自分たちの住む竜の国を守ればいいだけだ。


『それに古の時代でも、ただでは済まなかったとは言え、竜の国は最後まで魔王軍の侵攻を許さなかったと聞きます。何よりこのような秘境に魔王軍も用事はないでしょうし、案外来ないかと思いますが』


 ルーナが見つめると、アイルはため息をこぼした。


「うむ、左様だ。かつての魔王軍も竜の国だけは攻め落とせなかったし、欲しいものもなかったので攻め落とすほどの戦力も送らなかった。……となれば、やはりこの時代でもこの地だけは魔王軍の侵攻を防ぎきるのかもしれぬな。その方が妾にも好都合であるが」


「それはまたどうしてなんだ?」


 魔王軍の仲間が助けに来た方がアイル的には都合がいいだろうに。

 そう思いつつ聞いたが、アイルは首筋にあるテイムの紋章を指しながら言った。


「こんなものを刻まれて人間にテイムされたなどと魔王軍の者が知ったら、妾は恥さらしとしてその場で斬首されてしまうだろう。寧ろこんな痴態を身内に晒したくはないし、妾としてもこの地に魔王軍が攻め込んできてほしくないと言うのが正直なところだ」


 魔王は配下に寛容だったと聞いているが、魔王軍そのものはそうでもないらしかった。


《作者からの大切なお願い》


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