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神竜帝国のドラゴンテイマー  作者: 八茶橋らっく
2章 精霊姫と魔王軍
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42話 ルーナとアイル

 アイルからあれこれと事情を聞き出した俺は、彼女を連れて猫精族の集落へ向かっていた。


「なあ、人間の男よ」


「俺はレイドだ」


「ではレイドよ。こう言ってはなんだが、妾を連れ回してよいのか? 普通は隔離しておくところだと思うのだが」


「隔離した結果、俺の封印術がアイルの配下に解かれたんだから。こうなったら目の届く距離にいてもらう他ない。……ちなみにまた配下に封印を解かせようとしても無駄だからな?」


 いつでも目を光らせているぞ、というニュアンスで言うとアイルは「うっ」と肩をすくめた。


「レイド、貴様は本当に人間の男か? かつて寄ってきた人間の男どもは全て、妾の色気で骨抜きにしてやったものだが……サキュバスとしてのプライドがへし折れそうだぞ」


「曲がりなりにも本気で殺しあった相手に、俺は欲情しない」


 そう言いつつ平静を装ってはいるが、実際アイルはとんでもない美人でスタイルも抜群だ。

 これもサキュバスの魅力なのか、現にしょげている姿も妙に可愛らしい。

 正直に言えば、俺もアイルの仕草にどきりとさせられることがなくもないが……。


『レイドの言うとおりです。一流のドラゴンテイマーは己の欲望に流されないもの、しのぎを削った敵に欲情するなどあり得ません』


 ルーナもこの調子だし、アイルにどきりとさせられたのは黙っておこう。

 何よりアイルに隙を見せるのも良くないだろうし。

 そう思っていると、アイルが訝しげな視線を送ってきた。


「レイド、妾に興味なしとは……もしや不能なのか?」


 思わず吹き出しそうになったが、こほんと咳払いをして落ち着いた。


「不能じゃない。俺だって若くて健全な男だ」


 ……とは言え帝国では激務のあまり、女の子と付き合ったことさえなかったけれど。

 思い出しながら悲しくなっていると、アイルはなぜか残念そうにため息をついた。


「ふぅむ、そうかそうか。不能ならひとつ、妾がこの体を使って機能を回復させてやろうと思ったのに……うぐぐぐぐぐ!? 何をする竜姫!?」


 振り向けば、ルーナが怖い笑顔でアイルの頬をつねっていた。


『以前も言いましたが、レイドに色仕掛けは厳禁です。たとえ彼に効かなくとも……見ていて妙に胸がむしゃくしゃします。なぜでしょうかね?』


 ルーナに気圧されたのか、アイルは涙目で言った。


「わ、分かった分かった! しかし男を誘惑したくなるのはサキュバスの性、どうか少しくらいは許すがいい! 寛容に!!」


 ルーナは仕方がないと言わんばかりにアイルの頬を解放した。

 アイルは赤くなった頬を抑えているが、そうしているうちに目的地の猫精族の集落についた。


「さて、アイルにはこれからこの場所で暮らしてもらうけど、危ないことは絶対にするなよ? それと……」


「……胸の大きな炎の女! わたしに隷属の首輪を付けた恨み! 覚悟!!」


 アイルにあれこれ言い聞かせていると、突然ミルフィの声が横から響いた。

 そしてミルフィの放った水弾が、アイルの横っ面に思い切り直撃した。


「んっ? ……ぶはあああぁぁ!!??」


 アイルは悲鳴を上げながら吹っ飛び、近くの木に激突してまた気を失ってしまった。

 やはりミルフィも、隷属の首輪を付けられていた件は大いに怒っているらしかった。


《作者からの大切なお願い》


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