28話 テイマーの戦い方
「匿ってと言われてもな……」
俺に張り付いてきた少女は必死そうで、少女の美貌に反して外套も薄汚れている辺り、明らかに訳ありだ。
一体何事かと思っていると、路地裏からバタバタと男たちが駆けて来た。
「待ちやがれクソガキ! 逃げ切れると思うなぁっ!」
腕に独特の刺青を入れ、少女へ怒鳴り散らしている男たちは明らかに穏便ではない。
男の一人は剣の柄に手をかけながら、言った。
「おい、あんちゃん! とっととそのガキ返せや。痛い目見たかないだろう?」
「……鼻にピリピリくる匂い。お兄ちゃん、多分あの人たちは悪い人だよ」
ロアナは男たちを睨みながら言った。
猫精族は他人の感情や心が匂いで分かると聞く。
ロアナがこう言うなら間違いないのだろう。
『レイド、ここはその少女を助けてあげませんか?』
「なんだかこの子を引き渡しても、ロクなことにならなさそうだしな。……乗った!」
俺は魔力を解放し、魔法陣を展開した。
そのまま近くにいたシムルグ二体を素早くテイムし、手伝ってもらうことにする。
「あいつらを蹴散らしてくれ!」
『ヒューン!』
「なっ、この鳥ども……があぁ!?」
男たちは暴れるシムルグに蹴散らされ、跳ね飛ばされてしまった。
温厚とは言え、突進すれば小屋程度なら砕いてしまうと噂とシムルグの膂力だ。
男たちもシムルグの相手で手一杯と見える。
「さあ、こっちへ!」
「あっ……!」
この隙に少女を抱えて、ルーナやロアナも連れて離脱する。
去り際にシムルグ二体のテイムの解除も忘れない。
「ああやってテイムを解除すれば、俺がシムルグたちを使役していたって証拠も残らない。心置きなく逃げられるな」
『良い機転の利かせ方かと。テイマーらしい戦い方です』
ルーナと会話をしていると、少女は目をぱちぱちと瞬かせた。
「……あなた、テイマーなの? 竜騎士じゃなくて?」
「ああ。俺はテイマーだ。どうして竜騎士だと思ったんだ?」
もしや帝国で、俺がドラゴンと一緒にいるところでも見たことがあるのか。
そう思っていると、少女は予想の斜め上の言葉を放った。
「……あなたの横のお姉さん、古竜でしょ? 雰囲気で分かるから」
何と、少女はルーナの正体を看破していたのだ。
なるほど、それで古竜と一緒にいた俺を竜騎士だと勘違いした訳だ。
「勘の鋭い種族ならそう言うこともあり得るのか……」
エルフのような精霊に近い種族は、相手の魔力を見ることができる。
それによって正体を看破することも可能なのだろう。
ひとまずは落ち着ける場所を探して、この子から事情を聞かなければ。
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