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神竜帝国のドラゴンテイマー  作者: 八茶橋らっく
2章 精霊姫と魔王軍
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28話 テイマーの戦い方

「匿ってと言われてもな……」


 俺に張り付いてきた少女は必死そうで、少女の美貌に反して外套も薄汚れている辺り、明らかに訳ありだ。

 一体何事かと思っていると、路地裏からバタバタと男たちが駆けて来た。


「待ちやがれクソガキ! 逃げ切れると思うなぁっ!」


 腕に独特の刺青を入れ、少女へ怒鳴り散らしている男たちは明らかに穏便ではない。

 男の一人は剣の柄に手をかけながら、言った。


「おい、あんちゃん! とっととそのガキ返せや。痛い目見たかないだろう?」


「……鼻にピリピリくる匂い。お兄ちゃん、多分あの人たちは悪い人だよ」


 ロアナは男たちを睨みながら言った。

 猫精族は他人の感情や心が匂いで分かると聞く。

 ロアナがこう言うなら間違いないのだろう。


『レイド、ここはその少女を助けてあげませんか?』


「なんだかこの子を引き渡しても、ロクなことにならなさそうだしな。……乗った!」


 俺は魔力を解放し、魔法陣を展開した。

 そのまま近くにいたシムルグ二体を素早くテイムし、手伝ってもらうことにする。


「あいつらを蹴散らしてくれ!」


『ヒューン!』


「なっ、この鳥ども……があぁ!?」


 男たちは暴れるシムルグに蹴散らされ、跳ね飛ばされてしまった。

 温厚とは言え、突進すれば小屋程度なら砕いてしまうと噂とシムルグの膂力だ。

 男たちもシムルグの相手で手一杯と見える。


「さあ、こっちへ!」


「あっ……!」


 この隙に少女を抱えて、ルーナやロアナも連れて離脱する。

 去り際にシムルグ二体のテイムの解除も忘れない。


「ああやってテイムを解除すれば、俺がシムルグたちを使役していたって証拠も残らない。心置きなく逃げられるな」


『良い機転の利かせ方かと。テイマーらしい戦い方です』


 ルーナと会話をしていると、少女は目をぱちぱちと瞬かせた。


「……あなた、テイマーなの? 竜騎士じゃなくて?」


「ああ。俺はテイマーだ。どうして竜騎士だと思ったんだ?」


 もしや帝国で、俺がドラゴンと一緒にいるところでも見たことがあるのか。

 そう思っていると、少女は予想の斜め上の言葉を放った。


「……あなたの横のお姉さん、古竜でしょ? 雰囲気で分かるから」


 何と、少女はルーナの正体を看破していたのだ。

 なるほど、それで古竜と一緒にいた俺を竜騎士だと勘違いした訳だ。


「勘の鋭い種族ならそう言うこともあり得るのか……」


 エルフのような精霊に近い種族は、相手の魔力を見ることができる。

 それによって正体を看破することも可能なのだろう。

 ひとまずは落ち着ける場所を探して、この子から事情を聞かなければ。

《作者からの大切なお願い》


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