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神竜帝国のドラゴンテイマー  作者: 八茶橋らっく
1章 竜姫との出会い
19/93

19話 竜の国の温泉

 竜王から金貨や財宝をもらった後、俺はそれらを貯めておくことにした。

 闇雲に使うより、ほとぼりが冷めるまで竜の国で静かにしていた方が、帝国側から干渉されることもないだろうと考えた次第だ。


「また必要な物があればこっそり買いに行くのもありだけど、今は特に不自由もしていないからなぁ……はあぁ」


 かく言う俺は現在、のんびりと温泉に浸かっていた。

 体中がほぐれて、何やら間の抜けた声が出た。

 山奥の秘境にある竜の国にはいくつか温泉が湧いていて、ここは猫精族が使用している温泉だ。

 夜分遅くなので実質貸切状態だから、のびのびとできている。

 星明かりが綺麗で、中々に贅沢をしている気分になる。

 さらにさっき猫精族の一人が渡してくれたお酒(一族で作る名物、マタタビ酒と言うらしい)を口にすると、より体が温まり、気分がよくなる。


「帝国じゃこんなにのんびりできたこともなかったかもなぁ。竜の国はのどかで落ち着くや」


『満喫しているようで、わたしも嬉しい限りです』


「……んっ?」


 今、聞き覚えのある女の子の声が聞こえた気が。


 ──でもここは男湯だし、流石に聞き間違いだろう。酒の飲み過ぎか?


 そう思いつつ振り向けば、いつの間にか人間の姿のルーナが真後ろにいた。

 忍び足で来たのか、湯煙もあって全く気がつかなかった。


「えーと、ルーナ。今日はもうロアナの部屋に戻ったんじゃ?」


『レイドが温泉に入ると聞いて、やって来たのです。それに人間の殿方は女性と温泉に入ると嬉しいものだと、老竜たちから聞きましたよ?』


「その老竜、どこからそんな知識を……」


 ルーナは若干顔を赤らめつつ、一糸纏わぬ姿でちゃぷんと温泉に入ってきた。

 人間の姿になった古竜は精神面も人間に寄ると聞くし、やはり全裸だと恥ずかしいのだろうか。

 ……まあ、俺もルーナを直視できなくて困ってるけども。


「ルーナ、無理しなくてもいいんだぞ?」


『しかし人間には、裸の付き合いという言葉もあると聞きましたよ? 確かに人間の姿で全裸となれば少し恥ずかしいですが、レイドなら構いません。相棒同士、親睦を深めるのもよいでしょう』


 そんなものなのだろうか。

 人間と古竜の感性の違いに思えなくもないが、ある意味役得か。

 そう感じていれば『何より』とルーナは話を続けた。


『樹海の前でレイドがわたしに乗った時、自分の力がより強まるのを感じました。実はテイマーにはテイムしている対象と触れ合えば、強化できる能力もあるのではないですか?』


「確かにそういう力もあるな」


 テイマーは本来なら、テイムした魔物を使役して戦う存在だ。

 俺みたいな竜の世話に役立てている方が少数派だし、【ドラゴンテイマー】ならぬ【ビーストテイマー】スキルを持つ人はテイムした獣と頻繁に触れ合って力を高めると聞く。

 腹や背を撫でたり、ともかく常に一緒にくっ付いている者もいるとか。


『ですからわたしがこうして一緒にいることも合理的なのです。……お分かりですね?』


 いたずらっぽく微笑むルーナに、思わずどきりとした。

 温泉で見るルーナは、スタイルもいいし色っぽいし、おまけにいい匂いまでした。

 男としては中々悩ましい展開だが……


「ありがとうルーナ。……近くにいてくれると、俺も何だか落ち着くよ」


 ドキドキとした感覚は自然と薄れ、今度は安堵感が心に広がっていた。

 今まで仕事ばかりで誰かとのんびり接することも少なかったからか、ルーナとこうしていると不思議と心が落ち着くのだ。

 テイムしたルーナの心を感じ取って、ルーナは信頼できるとはっきり分かるというのもあるだろうが。


『ふふっ。ではレイド。触れ合った方が強くなれるのであれば、しばらくこのままで』


 ほんのりと顔を赤らめたルーナが、軽くしなだれかかってくる。

 しかも『普段わたしの背に乗っているのですから、これくらい問題ないですよね?』と上目遣いで言われてしまえば是非もない。

 古竜は強さを尊ぶと言うし、ルーナの強化にもなるならと思い、俺はしばらくルーナと温泉を満喫していた。

《作者からの大切なお願い》


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