15話 魔物の対処
ドラゴン専用のポーションをある程度量産し、魔力回復のために休憩していた時。
ポーション作りを手伝ってくれたルーナが『レイド、少しいいでしょうか』と魔物に関する話題を切り出した。
そのまま話を聞くことしばらく。
「そうか、最近竜の国付近でも、大型の魔物をよく見かけるのか」
『はい。最近魔物の動きが活発化しているのはご存知かもしれませんが、先日のグリフォンのように竜の国にも大型の魔物が迫っているのです』
ルーナは俺がポーションで治療したドラゴンを見つめて言った。
『レイドが治癒してくれたあの古竜も、先ほども言ったように、狩りの最中に魔物に襲われて負傷したのです。レイドのポーションがあれば多少の傷は問題ありませんが、それでも心配で……』
「だからレイドお兄ちゃんも、外出する時は気をつけなきゃだめだよー?」
ロアナも俺が作ったポーションを保存用の瓶に詰めつつ心配そうにしていた。
「心得ておくよ。でも竜の国付近でも魔物の動きが活発化しているのか……」
『竜の国付近でも、ということは帝国でもそうだったのですか?』
「ああ。それでドラゴンたちが竜騎士に酷使されて、とんでもなかったんだ」
今はどうなっているか分からないが、しかし竜舎にいたフェイたち空竜もバカじゃない。
本当にまずいことになれば操竜術を使われる前に集団で逃げるとか、そういう手を講じるだろう。
「でも色んな場所で魔物が現れるってことは、魔王が復活する兆しでもあるのかな?」
「魔王って、あのおとぎ話の魔王か」
ロアナや俺の言う魔王とは、魔物を統べる王として語り継がれている存在だ。
遠い昔に魔王は魔物を率いて大陸全土を支配しようとしたが、とある竜騎士と神竜により封印されたと言われている。
一説によればそれは史実に基づく話だと、帝国の学者から聞いたのを思い出した。
『実はわたしも、魔王が目覚める兆候ではと考えているのです。かつて魔王が現れた際にも、各地で強大な魔物が活発化したと伝えられていますから』
「なるほど……。とはいえ、居場所も分からない魔王はさておき。今は竜の国付近にいるグリフォンみたいな大型の魔物をどうにかするのが急務ってわけだ」
でないとドラゴンたちも落ち着いて狩りができないだろう。
竜の国で世話になる以上、俺ももう少し仕事はこなしておきたかった。
魔力も回復したので立ち上がると、ルーナが見つめてきた。
『レイド、どうするつもりなのですか? 何か妙案があるのなら、ぜひ教えてください』
「ざっくり言えば、テイマーらしくこの辺の大型の魔物を全部テイムしようかと。多少魔力は食うけど、これが一番いいと思う」
提案すると、ロアナとルーナは固まった。
「へっ……? お兄ちゃん、どゆこと!?」
『竜の国付近にいる大型の魔物を、全部テイムするんですか!? そんな無茶苦茶な……!?』
「い、いやいや。無茶も何も言った通りにやるつもりだけどな」
ロアナとルーナの勢いに、思わずたじろぐ。
……テイマーとしては当たり前のことを言ったつもりなのだが、ここまで猛烈な反応を返されるとは予想外だった。
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