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神竜帝国のドラゴンテイマー  作者: 八茶橋らっく
1章 竜姫との出会い
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11話 猫精族の集落

『レイドのこれからの生活拠点ですが、今からご案内します。きっとわたしの部屋よりも快適だと思いますから』


 ルーナに連れられ、竜の国の奥にある渓谷へと向かってゆく。

 道中、古竜たちがのんびりと昼寝をしたり水浴びをしたりと、思うがままに暮らしている姿が視界に映る。


 ──フェイたち空竜たちも、ああやって広々とした暮らしをさせてやりたかったな……。


 帝国の竜舎近くにも池や草原はあり、空竜たちがくつろげる空間はあったが、そこに出られるのは非番の昼間だけで夜間や朝方は竜舎にいてもらう他ない規則だった。

 もう少し開放的にと上に掛け合ったことも数度あったが、当時ははぐらかされて終わりだった。


『レイド、見えてきましたよ』


「小さな建物がちらほら、古竜以外の種族が住んでるのか」


 竜の国と言うだけあって、古竜しかいないものだと思い込んでいた。

 そのままルーナと共に向かった先、建物がある場所には、端的に言えば獣人たちの集落があった。


「ここにいるのは猫精族か。もう絶滅したって聞いていたのに……」


 猫精族とは、精霊寄りの獣人という不思議な種族だ。

 精霊とは自然の力を司る存在であり、獣人とは身体に獣の特徴を宿した人型種族のことを指す。

 彼ら猫精族の起源は、精霊と猫型獣人の混血が種族を構成するほどに増えた結果とされており、魔術は扱えないが魔力による爆発的な身体強化が特徴とされている。

 しかし元々の数も少なく年々減少傾向にあったため、近年の魔物の活発化もあり、帝国ではここ数年で絶滅してしまったとさえ言われていた。

 俺も見るのは久しぶりだが、まさか竜の国で生き残っていたなんて。


「あ、姫さま! 今日はどんな用件で……おお、人間さんがいる!」


 ルーナを見て駆け寄ってきた猫精族の少女は、猫耳と尻尾がある以外は完全に人間そのものの見た目をしていた。

 肩までかかる茶髪はふわりとしていて、子猫のように柔らかだと感じた。


『こちらは以前お話ししたレイドです。わたしを相棒として認めてくれた、ドラゴンテイマーになります。昨日やって来たのですが、竜の寝床は人間には硬いと思いまして。レイドには今日からこの集落で暮らしてもらおうかと』


「おお〜、そゆことですか。あたしはロアナ! よろしくね、レイドお兄ちゃん! ……ちなみに、呼び方はこれで平気だよね?」


「ああ。好きなように呼んでくれ。ロアナ、これからよろしく頼むよ」


 自己紹介後、互いに軽く握手をする。

 明るくはつらつとしていて、話していて元気をもらえそうな少女だった。


「……ん、ロアナ。どうかしたのか?」


 ロアナは握手したまま、くんくんと俺の手の匂いを嗅いでいた。

 猫精族だから嗅覚も鋭いのだろう。


「お兄ちゃんから色んなドラゴンの匂いがする。全部で軽く百は超えそうだけど、お兄ちゃんって一人でそんな数のドラゴンの世話をしていたの?」


「へぇ、匂いで分かるのかい。実際ロアナの言う通りだよ。神竜帝国の宮廷に仕えていたんだけど、俺以外にドラゴンテイマーがいなくてさ。少しお手伝いさんはいたけど、作業は基本的に俺だけだった」


「一人で百体以上も……! お兄ちゃん、若いけど凄腕なんだね。姫さまが相棒に選ぶだけあるよ」


『でしょう? わたしの目に狂いはないのです!』


 ふふんと胸を張るルーナ。

 俺も褒められて少し照れくさい気分だった。


「それに姫さまの力が三年前から上がっていることにも納得だよー。こんな凄い人にテイムされちゃったんだもん」


 三年前からルーナの能力が向上しているとなれば、やはり俺がテイムした影響だろう。

 テイマーによるテイム対象の魔力や身体能力の向上効果は、互いが離れていても十分に機能する。


「ってなると、あたしもお兄ちゃんにテイムされたら強くなれるかな? あたしもっと強くなりたいからさ、試してみてよ!」


 なんと、初対面でテイムを申し入れてきたロアナ。

 思わず「えっ、本気か?」と生返事を返してしまった。

《作者からの大切なお願い》


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