思考27 中間報告とせかいの共有
・・・パシャッパシャッ・・・
『えーこの度は前回投稿より数か月も間を開けてしまった件につきまして、ブレインズを代表しこの遠闇より謝罪させていただきます。ほんとーに……申し訳ございませんでしたぁ!!』
パシャパシャパシャパシャッ(大量のフラッシュ)
「久々過ぎて読者の皆さんがノリについてこられなくなるとか考えなかったんですかぁッ!」
『えーぜひかけ湯代わりに思考1辺りでも読み直してから読み進めて頂ければと思う次第でありまして……ねぇこれ今回ここまでする必要あった?』
「おぉっと言い逃れですか、見苦しいですよ遠闇氏ぃッ!」
「読者さんの中にカエルの謝罪会見の根強いファンがいるものでぇッ!」
「これもファンサービスの一環なんですよぉッ!」
『ファンサービスが謝罪会見って絶対おかしいよねぇッ!!?』
パシャパシャパシャパシャパシャパシャッ(大量のフラッシュ)
【白の部屋】
白い部屋にドアがよっつと温泉がある。適度に広い。
カエル一匹とカピバラ一匹とクマ一匹と、たくさんのゾールとカサセオイがいる。
「 モ フ モ フ は ぁ ぁ ぁ っ !?!?!? 」
宵闇|《わ、驚いた。一体どうしたんだい?》
遠闇『うーんと……ちょっとした消化不良的な? やりたい設定の話し合いまで行けなかったんだよね』
《あー、それは残念だったね?》
「ええーんモフモフぅぅぅぅ」
「モサモサを堪能したかったよぉぉぉぉ」
「フワフワに包まれたかったぁぁぁぁ」
しらず〔無念なのは判ったから、カサセオイのアバターで私と宵闇の毛皮の上を這い回るのはやめてくれ……〕
「おーしカピバラの毛皮が意外とゴワゴワなことが判ったところで、近況報告するぞー」
「はーい」
「はーい」
「はーい」
〔このまま進めるのか。身動き取れないんだが〕
『いざとなったら潰しちゃっても大丈夫だよ。カサセオイの殻は意外と硬いから』
〔そうか。カタツムリよりもサザエに近い貝殻を持っているんだったな〕
《なるべく背中とか頭の上にいてね。お尻で踏んじゃうとゴツゴツして痛そうだから》
「はーい」
「はーい」
「はーい」
『頭はオイラの特等席!』
《……だそうだよ》
「宵闇クンの私物化はんたーい!」
「はんたーい!」
「あたしたちゾールアバターだと触れ合えないことに今気付いた……哀しい……」
「というわけで今回は中間報告な訳だが」
「さて。途中で知的生命体の話をする時に一回集まったから、どちらの世界も順調に生物を設定中というのはもう共有されているな」
「レポートも見てるしね」
「お互いの世界は直接見に行ってないけど、レポートの情報は共有しているんだ!」
「Bチーム、あの音響セットってなにさ?」
「Aチームこそ、電気ポットってなにさ?」
「あーでも、前回に引き続き一度に設定する生物量の少なさは今後の課題だな!」
《実際、どっちの世界でもひとつ生き物を作ったらその近縁種が数十~数万存在してるんじゃないかと思う。かといってずっと似たような生き物の設定ばかりでもつまらないじゃない?》
「ふむ。我々はその中の一種類に目を向けて観察をしていると思えばいい訳か」
〔SFの部屋でボンテンムシの設定からその他の虫の存在が明確になったように、一つの生き物を設定するごとに、実は世界はもう少し鮮明になっていってるのかもしれないな〕
〔それじゃあ両チーム共手短に報告を頼む〕
『よしきたAチーム!』
「ハイ! 【ヤツアシテンモク】【ボンテンムシ】【寄生菌】といった盆地の生物をいくつかと、棲んでいる天体・【エースエーフ星】の自転・公転について設定したよ!」
「今後は盆地の外の生き物も一緒に考えたい!」
「あわよくば毛皮生物つくりたい!」
「だんだん飛行生物誕生に近づきつつあるぞ! ドラゴンにはまだもう少しかかりそうだがな!」
《続けてBチーム》
「ハイハーイ! こっちは【洞窟の生物】【リクガメラ】などをつくりました!」
「【ムチムー】や【ゾール】や【ヒラタムカデ】の事だね!」
「とりあえず魔法能力中心に生き物の設定を考えて、それがどんな環境に棲んでいるのかを考えていくつもりだよ!」
「必要に応じて違う環境の小部屋を用意するつもりだ!」
「魔法設定の詰め次第でドラゴンも飛ばせるかもだけど、まだ時期が早いかな!」
「正直魔法については語りたいことの3割くらいしか出せてない!」
「……と、駆け足で振り返ったけど、残り時間は何をするの?」
「モフモフタイム?」
「またゾールアバターだけ不参加……っ!」
「くそーせめてオイラ達で皆の周りを囲ってやる! デヤー全力移動開始っ」
「「「オラ~ッ」」」
「めちゃんこ遅い」
「動いてる?」
〔モフモフタイムじゃない。踏み潰すから、散れ〕
「散開ぃーっ」
「「「きゃあ~っ」」」」
「これ動いてるの?」
《潰しちゃっても大丈夫だよ。しばらくしたら増殖して復活するから》
〔うーん……君らは弱いんだか逞しいんだかよく判らんな〕
「ワッハッハ! これが私たちブレインズがつくった生き物たちさ!」
「「「ドヤー!」」」
『ほんじゃあ改めて、今から始めるのは……第3回ッ、遠闇の疑問質問コーナーの時間だぞ! てわけでよろしくしらず!』
〔了解〕
「相変わらずどの辺りに遠闇要素があるというのか」
「いいかげん“しらずの疑問質問コーナー”に改題しては?」
〔今日はそこそこ重要なようなそうでもないような質問が来てるから早速いくぞ〕
・せかるよに出てくる設定・世界観を自分の創作に使ってみたいんだけどいい?
〔こんな質問がちらほら来ている〕
「ひゅーっ、まじか!」
「喜ばしいものだな」
「ウフフ、“自分ならこの設定でどんな世界をつくるだろう?”って、いつか思わせたかったことのひとつなのよね」
「せかいづくりの目的や目標設定とは違った、いわば野望みたいなものだな!」
「そうそう、そんな対読者向けの野望が私たちにはいくつかあるんだぜ!」
「あ、っていっても単に、これを読んだ人もオリジナル生物考えたくなったり設定の深堀りをしたくなるといいな、とか読者諸君の新たな嗜好を開眼させられないかな、みたいなちょっとしたものばっかりだから、読者諸君は特に意識しなくて大丈夫だよ!」
「うんうん、ぜんっぜん深く考えなくて大丈夫、だよ!」
「ここはほんの入口だから、怖くないから、ね!」
《君たち、ありありと怪しいよ?》
「それでは、質問に対する我々の見解を頼むぞ、しらず君」
「ジャカジャン!」
〔結論から言えば、自由に使ってくれて構わない。むしろ望むところだ〕
「ひゅーっ、望むところだぜ!」
「やったぜ!」
〔魔法設定でも、生物設定でも、宇宙や天体の設定でも自由に使ってくれ。それに、ここで決定した設定を忠実に守る必要もない〕
「そうだよー! 魔法設定の微生物や音波に反応って部分を元に新たな魔法を構築してっても構わないし!」
「生物の見た目や生態、僕らが考えてみたけど選ばなかった意見の一部だけ活用したっていい」
「名前を変えたって、名前だけつかったっていいぜ!」
「このせかるよは設定工場みたいな所があるからなぁ」
〔 私 は、 私たち がつくったこの【せかいつくるよ】に出てきたあらゆる意見が、わずかでも創作の刺激……きっかけになればいいと思っている〕
《 僕ら はただひたすら意見を出し合って設定を生み出すだけの存在……だけど生み出された設定のほとんどは今のところここ以外の行き場はないんだ》
『だから オイラたち のお喋りをきっかけに新たな“ 世界 ”が生まれるのが本当に嬉しいのさぁ』
『――ってことで、あと他に注意事項ある人~?』
「むーなんだろう?」
「別にこっちへの報告義務もいらないしな?」
「ここまで楽しく読み進められるような【じょうきゅうしゃ】たちならきっと楽しく自分の世界に昇華して組み込むことが出来るだろうとも思っている」
《あ、でも他の人がたまたま同じ設定を元ネタにして物語をつくる可能性もゼロではないから、そこだけは注意が必要かな》
「あるね!」
「なんなら作者が一番ここで生まれた設定を活用する可能性があるしな!」
《もしその辺りを尋ねられたら“ブレインズのお喋り見てたら思いついた”とでも言っておくといいんじゃないかな。この辺の話はあとでレポートにまとめておこうか》
『ちなみのちなみにだけど、もし「ブレインズを使いたい」と言って来た場合は……?』
「えっ」
「まさかのそっち!?」
「流石にいないのでは!?」
『いないと思うけど念の為。どうせなら同じタイミングで考えといた方がいいでしょ?』
「そこんとこどうなんだ、しらず君?」
〔いや……無論駄目とは言わないが……そこのブレインズもひたすらオリジナル設定について考えるってこと……? 出来るの? 大丈夫なのそれ? こんなまともじゃない話書きはじめて頭の心配されない? ええ?〕
《キャラが維持できてないよ、しらず君》
「やーでもあれだな、もし実行に移す奴がいたら、俺たちにとっちゃご近所さんみたいなもんだな!」
「ご近所世界のブレインズ、面白そうダネ!」
「別世界の遠闇君や宵闇君や、まだ見ぬ新たなブレインズに会えるかもしれないのかぁ」
「そっちのブレインズもブレインズって呼ばれてると嬉しいなぁ」
「てなわけで、そろそろ頃合いかな?」
「次回はなにするの?」
『他にもいくつか意見が届いてるから、遠闇の疑問質問コーナー続行だぞ!』
「ほー。次回こそそのコーナー遠闇がやるんじゃろーな?」
『やるよ』
「あ、そうなん?」
「ん? でも……毎度しらずちゃんに押しつけてた疑問質問コーナーにわざわざしらずちゃんじゃなくて遠闇ちゃんが出張ってくるってことは、つまり……」
『次回! ずっと細胞のターンッ!!!』
「「「「「やっぱりかぁーっ!」」」」」
つづく
「ブレインズはご意見・ご質問をいつでも募集しているぞ!」
「要はお喋りしたいだけである!!」




