将棋イベント前半戦
ついにやって来たイベント本番!!
イベントはなんと35人満席! 応募総数で言うとこれ以上は道場入りきれないためお断りもだしてしまった。
次は大きな会場を借りてイベントをしようと野望を島崎さんと語った。
今回のイベントは13時から15時30分まで。
そのあと別途有料で雪野将王のサイン会と指導対局。
すべて終わるのは17時30分ごろの予定だ。
開演の3時間前、10時に道場に向かい、最終的な飾りつけと準備に島崎さんとリハーサル。
私は司会と会場整備役だ。
「進行役なんて大役緊張します。青葉将棋道場の名を汚さないように頑張らねば!」
「そんなに気負うことはないよ。アットホームなゆるいイベントでアドリブ満載になりそうだし。
青葉さんが作ってくれたクイズ今から楽しみだな。」
「珠玉問題を選びましたよ。楽しみにしていてください!」
プログラムの将棋クイズは私が作った。
全体のプログラムは
開会のあいさつ
雪野将王を丸裸に!? フリートークと質問大会
島崎さんと雪野将王が男に威信をかけて三番勝負で対決する。
第一の勝負 将棋は筋力? 腕相撲対決。
第二の勝負 どっちが将棋通? 将棋クイズ対決。
第三の勝負 オセロ対決。
お楽しみ抽選会、閉会
となっている。
当初は島崎さんと雪野将王のも予定していたが記念対局解説する人が確保できず流れてしまった。
第2弾の開催時には絶対に実現させたい!
「青葉さん。こんにちは」
「高村さん! こんにちは。」
この前におとな将棋教室に来て下さった高村さんが見えた。
「今月は忙しくて体験しか行けませんでしたが来月は月2回ほど行けると思いますのでよろしくお願いします。」
「はい! いつでもお待ちしています。今度、級位者大会も開催したいなぁと思っているので是非よろしくお願いいたします。」
キャンセルもなく全員お客さんが入りきりイベントスタート!!
「本日は暑い中お集まりいただきありがとうございます。青葉将棋道場席主の島崎と申します。
こちらは先代のお孫さんで僕と一緒に道場を切り盛りしている青葉蜜柑さんです。」
「こんにちは。今日はよろしくお願いします。」
少し緊張しているが皆様にご挨拶し拍手をいただいた。
「早速ですがゲストをお呼びします。雪野冬馬将王です。」
雪野将王が登場するが否や割れんばかりの拍手が会場全体に響いた。
「雪野将王、一言お願いします。」
島崎さんからマイクを受け取る雪野将王。
「皆様こんにちは。お暑い中お集まりいただきありがとうございます。この度は奨励会同期で友人の
島崎さんにイベントに誘ってもらいました。小規模のなイベントということでリラックスして楽しめると思います。」
雪野将王の挨拶が終わりプログラムへと入っていく。
島崎さんがインタビュアーになって雪野将王にいろいろ聞いていくという内容だ。
私も椅子に座って話を聞く。
「雪野さんが小学生の頃はライバルだったんですが、みるみる先を越されて15歳、高校1年生でプロになった際は正直複雑でした。中学2年生のときなんであんなに急に強くなったんですか??」
「なんでなんしょう? 当時も今もわからないんですよ。 なんか調子いいな。
と思っていたら中学2年生とき1年で奨励会4級から二段まで昇級、昇段しました。タンタンタンっと」
「奨励会時代に開館周りを掃除するイベントがあって、島崎さんだけがしっかり掃除していました。島崎さんは真面目で優しすぎるんですよ。僕なんかどうやってサボろうかな。みたいなことばかり考えていました。」
奨励会時代の話から
「将王のタイトル戦前は柄にもなく緊張してネガティブになっていたのですが、祖母がタイトル戦出る僕のために用意してくれた和服を見て、絶対将王を獲って祖母を就位式に招待すると心に決めました。」
タイトル戦の裏話などいろんな話が聞けた。
トークタイムのあとは参加者からの質問タイム。
雪野将王は次々と質問に答えていった。
好きな食べ物はビーフシチューとハンバーグ。
対局時のゲン担ぎは特になし。
好きなタイプは話し上手で面白い人。
インドア派。スポーツは苦手。
そして、最後に当てられた男性が
中学三年生で三段リーグに入って中学生棋士になることを意識していましたか。
という質問をした。
「そうですね。意識していなかった。と言うと嘘になります。中学生棋士は大記録なので。
中学生棋士を逃して残念な気持ちはありましたが来期は絶対上がってやるぞ。と思っていたのでしっかり昇段できたのは嬉しかったです。」
濃厚なトークイベントは終わった。
雪野将王のことをたくさん知れて一観客として楽しかった。
休憩をはさみ、島崎さんと雪野将王の男の三番勝負。
負けた方はなにか秘密の告白をしければいけないルールだ。
第一の勝負 将棋は筋力!? 腕相撲対決だ。
「ズルいですよ。運動神経抜群で大学時代ハンドボール部だった島崎さんに勝てるわけないですよ。」
「まぁ、そこは開催者特権ということで……ね。」
と島崎さんが笑う。
勝負の結果は島崎さんの勝ち。
あまりにも一方的な勝負に雪野将王は少しへこんでいた。
2回戦は将棋クイズ。
この将棋クイズは私が出題者となり舞台に上がる。
「皆様よろしくお願いします。」
私が考えた珠玉の問題お二人は解けるかな?
「では、第1問。じゃじゃん!」
「効果音入れるんですね」
雪野将王のツボにはまったようで笑いふるえている。
「そこまで笑っていただければ光栄です。問題です。阪田三吉名人、王将が木村義夫十四名人と花田長太郎八段と対戦した京都のお寺はどこでしょう?」
「1問目から難問すぎない!? お客様の中で分かる人いますか?」
島崎さんがお客さんに問いかけると1人の女性が手をあげた。」
「すごいですね!!」
2人は驚嘆する。
雪野将王は顎に手を置いて瞑想するように島崎さんはうーんと頭を抱えるように考えていた。ホワイトボードに答えを書いていた。
「では、回答を出していただきます。」
2人はホワイトボードに書いた回答を出した。
「では、雪野将王お答えください。」
雪野将王は本願寺と書いたフリップをあげた。
「京都のお寺と言えば本願寺しか思い浮かびませんでした。」
「続いて、島崎さんお答えください。」
島崎さんが平安神宮と書いたフリップをあげた。
「島崎さん、平安神宮は神社ですよ。」
雪野将王がつっこむ。
「あ! そうだ。あはは。」
島崎さんが少し恥ずかしそうに笑う。
全問終了して、正解数は雪野将王1問、島崎さん1問だったためサドンデスになり結果
雪野将王の勝利で1対1となった。
勝負の行方は最終勝負に持ち越された。