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黒羽二冠と2人きり!?

 ということがあったそうです。

私の知りうる全情報を氷見六段に話した。

まぁ、最も大事なおじいちゃんと島崎さん、知り合いの席主さんの話し合いはわからないけど。


「話してくれてありがとな。それと氷見六段って言うのはやめてほしい。すぐ七段になるから」


「あ、はい。では氷見さんでいいですか?」


「ああ。」


 氷見さんがニカっと笑う。

ぎょろ目で少し強面だけど笑った顔は素敵なんだなぁ。


「静湖。ここでなにをしている。」


 私の後ろから低い美声が聞こえた。

後ろを振り向くとなんと黒羽二冠がいた。


「ちょっとこの人と話してただけだ。」


 氷見さんが私の方を見ると、黒羽二冠もこちらを向く。

うう。ワイルドイケメンに見つめられるとドギマギしてしまう。

すると、黒羽二冠が私の前までやってきた。


「この度はうちの氷見が時間を使わせて申し訳ございません。」


「いや、私の意志で氷見さんと話していたので謝る必要がありません。」


 黒羽二冠が私の前に来て驚いたがこれは正直な感想だ。


「……なら、よいのですが。静湖。もう遅い。彼女を送ってやれ。」


 黒羽二冠が少し微笑んで私を見ると心拍数が跳ね上がった。

普段、無口ですこーし不愛想なイケメンが優しく微笑んでる!!


「初めからそのつもりだよ。」


 氷見さんが当然のように返す。

私はどうなるのだろうか。


「えっと、送る。とはどういうことでしょうか?」


「ああ。言葉の通りだ。もう、いい時間だしな。車で送ってやるよ。」


「別に大丈夫ですよ。電車で1時間もかかりませんから。」


 流石に送ってもらうなんて申し訳ない。それに緊張するし。


「電車で帰るならお金も掛かる上に疲労も溜まるでしょう。彼は貴女を不快にさせる

ようなことはしないはずです。」


 ……黒羽二冠の声や口調には逆らえない、威圧感がある。

全然怒っているわけではなく、むしろ優しい声色なのに。

あんまり頑なに固辞するのは逆に相手に失礼だし。


「ありがとうございます。お言葉に甘えます。」


 黒羽二冠と氷見さんの厚意に甘えよう。


「じゃあ、駐車場から車持ってくる。入り口前に来たら先生に電話するから

青葉さんと待っててください。」


「ああ、わかった。」


 え!? ということは車が来るまで黒羽二冠と2人!!

それは非常に緊張する。時間が持つかも心配だ。

などと思考を巡らせているうちに氷見さんは行ってしまったようだ。





 ………氷見さんが車を取りに行ってからどのくらいの時間が経ったのだろうと

30分くらい待っているような時間感覚になる。

一ファンとしては好きな将棋メシはなんですか。とか師匠の由利先生との極秘エピソード

などなど、聞きたいことはたくさんあるがおこがましくて聞けない。

それに、ファンとしての距離を守らないと。


「君は、島崎杏介君と関係があるのですね。」


 以外にも先に沈黙を破ったのは黒羽二冠だった。


「はい。現在島崎さんが経営している青葉将棋道場は元々私の祖父がやっていました。」


「そうなのですか。島崎君が元気にしているようでよかった。彼は僕の弟弟子で

その縁で静湖は本当に世話になったようですから。島崎君が奨励会退会後、何も言わずに連絡を

絶ってしまい静湖は心配していたのでしょう。」


「氷見と話していて、氷見さんは島崎さんを慕っていたのだなぁ。というのは伝わりました。」


「静湖は見た目、口調ともに無愛想に見えるが根は優しい人間なので応援してやってくれると嬉しい。」


「はい。氷見さんの将棋を追っかけます。」


 普段、厳格な表情が多い

黒羽二冠のびっくりするほど優しい笑みに氷見さんとの深い絆が垣間見えた。


 そんな姿に和んでいるとピピっと黒羽二冠の携帯電話が鳴った。


「ああ、わかった。」


 二言だけ話して手短に携帯電話を切った。


「静湖が来たようだ。君と話せて楽しかったよ。ありがとう。」


「恐縮です。私の方こそ楽しかったです。」


 ファンとしての距離を守らないと。と私は簡潔に答えた。


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