表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/21

将棋大会の幕が切って落とされた。


 受付を終えて一息つく。

大会直前の緊張感で周りの空気がピリピリとしていた。

なんだか自分にはこういう真剣な場はそぐわないような気がして落ち着かない。

気を紛らわそうとキョロキョロあたりを見回してみると相沢さん姿が見えた。


読書をしている相沢さんに駆け寄る。


「相沢さん。お久しぶりです。」


「あら、青葉さん。お久しぶりですね。青葉さんも大会にエントリーしていたのですね。」


相沢さんは少し驚いている様子だ。


「島崎さんにエントリーしてみてはとすすめられて出場しました。」


「そうなのですか。あの……島崎さん元気ですか?」


「元気だと思いますよ。今日も道場が休みだから付き添っていただいています。」


「島崎さんもいらしているのですね。」


「はい。今は別行動でここにはいませんが。」


島崎さん関連の会話がひと段落つくと話題は自然と将棋になった。


「年始の対局とても勉強になりました。最新の対抗系はあんな感じになるんですね。」


「私もわからないことだらけですが研究会で教えてもらいました。」


「これからも、いろいろ教えてください。」


「今度の春休み青葉将棋道場に行こうと思っています。その時はよろしくお願いします。」


「来てくれるんですか! わーい楽しみにしています。」


「そろそろ、開会式を行います。選手の皆様はお集まりください。」


 相沢さんと話していたらあっという間に10時になり開会式が始まる。

大会のルールは、2勝通過、2勝失格、持ち時間は20分切れたら30秒か。

切れ負けじゃないのは助かるな。

予選で敗退しても棋士、女流棋士の先生に指導対局してもらえるようだ。

じゃあ、すぐ帰ることはないのか良かった。


 開会式が終わり大会の幕が切って落とされた。


 緊張するな。頑張ろう。

ベストを尽くせばおのずと結果もついてくるはずだ。


 相手は20代くらいの方か。振り駒の結果後手番になった。

戦型は私が居飛車急戦、相手の方が振り飛車穴熊の対抗系となった。

じっくりした展開になってしまった。

ダメだ。相手のペースだ。このまま大駒交換になると穴熊の遠さが生きてくる。

穴熊崩しと言えば角桂香歩の端攻めだよね。

準備のため歩を調達する。よし、歩が4枚になった。

いっちゃえー!! と多少強引だかガジガジ攻めていく。


 結果は相手の方が受け間違えたので勝つことが出来た。


 次の相手は10歳くらいの女の子。

小学生で名人クラスなんてすごいな。

振り駒の結果先手番で戦型はまたも対抗系。

しかし、比較的穏やかな進行だった先程の対局とは違い大駒が派手にぶつかり合う激しい乱戦となった。

おお……すごく鋭い攻めだ。若さってすごい。

前局では攻める力が試されたが、今局は受けの力が試されている。

望むところだ。受け切ってやる。

そうとう危ない場面があったが玉も受けに参加する不屈の粘りで勝利。

 

 2連勝で決勝トーナメント進出だ。とても嬉しい!

島崎さんとの指導対局特訓の成果だ。

決勝トーナメントは1時からか、私も割と早指しの方だが2局目の子がそれを

上回る速度だっため対局の濃さとは裏腹にとても早く終わってしまい、ただいま、11時24分。

他の対局者に迷惑がかからないように廊下で休憩していると島崎さんが見えた。



「お疲れさま。随分早く終わったんだね。結果はどうだった?」


「2連勝で決勝トーナメント進出できました! 島崎さんのおかげです。


「はは。ありがとう。じゃあ、昼食にしようか。」


「そうですね。どこにしましょうか。」


「青葉さんが良かったら。おすすめの将棋メシがあるのだけど行ってみるかい?」


「行きたいです。島崎さんのおすすめの将棋メシ食べたいです!」


「ここから少し歩くからあまり棋士の先生でさえ知らない人も多いのだけどハンバーグが絶品のお店なんだ。」


「おー! ハンバーグ大好きなのでとても楽しみです。」


 決勝トーナメントに向けて英気を養うべく出発だ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ