15話:孫たちが安田商事・回顧録の出版
父の残した財産を元手にして、戦後のヨーロッパの復興と共に安田商事の売り上げ、利益も増えていき、町の中心のビルに事務所を構えて、イギリス、フランスの商品を日本へ、日本の高級な絹織物、陶磁器を地元の富裕層に販売していった。安田正吉が学生時代の恋人のミッシェル22歳と1946年5月16日、安田金子が1946年6月8日に恋人のサミュエルと結婚した。
また1946年6月22日に金子姫子が恋人の米国人ジムと結婚式をマルセイユの教会で挙げて、安田家と恋人の親族、親戚、安田商事の社員で祝福した。安田姫子とジムは、安田衣子のアパートの近くに住み、一緒に朝食、夕食をとるようになった。その後、1946年6月29日に安田竜男が恋人のスザンヌと、1946年7月12日に安田浩二が恋人のラズニーと結婚した。
1946年8月12日に安田二郎が恋人とのエミリアと結婚した。1946年は、第二次世界大戦が終わって平和が戻って安田家で結婚式のラッシュで大忙しの年となった。その後、安田正吉、夫婦に1948年2月14日に長男の安田健一、1948年9月12日に、次男の安田健二、1948年10月に長女安田恒子が誕生した。
安田浩二、夫婦に1947年3月に長男、安田哲一、1948年8月に次男、安田哲二、1950年4月に長女、安田幸子が誕生した。安田竜男、夫婦に1948年5月に長男、安田太郎、1949年9月13日に次男の安田秀夫、1950年12月15日に長女、安田富子が誕生した。安田二郎、夫婦に長男、1948年9月に長男、安田翔太が、誕生した。
1949年11月に次男、安田翔二、1950年12月に長女、安田歌子が誕生して、安田金子、安田姫子夫婦も子供を授かった。そうして安田家ではフランス・マルセイユに渡って3代で大勢の子孫に恵まれ、特に男の子のほとんどは安田商事で働くようになり、一家は益々、発展していった。安田衣子は以前から安田亀吉の波瀾万丈の人生を長い間、書き貯めておいた、
それを書いた数冊の日記を読み直して小説として書き始めたいと言う話を聞いた。その小説を読んだ姫子は感動して、是非、出版の手伝いをかって出て安田衣子の小説の内容を安田衣子の日記を読みながら文章のおかしい所を修正し日付の確認をして10万字に及ぶ長小説として完成させた。その後、推敲、校正を繰り返して「橫浜、生糸商人の世界冒険の旅」という題名で完成させた。
そして1948年10月に内田姫子が日本に渡り数社の出版社に、この小説の出版をお願いして回った所、現代旅行社という旅行の本などを出版してる会社で、初版100冊でも出版しても良いが、経費はいったん安田さんが支払ってもらう。
そして売れて黒字になった場合に費用と利益を渡すという条件で出版してくれる事になった。その後、現代旅行社で小説の行間に内容にあった旅先の風景写真やベスビオ火山、背景写真などをいれて読みやすい様にしてくれ、出版された本2冊をもらい安田姫子は1948年11月にマルセイユに戻った。