鬼装の俺②
鬼王ムメイの心核の能力。
それは炎。
鬼火の心核。
これは伝説でも語られている。
1、その炎は鬼王ムメイ以外に消せない。
2、その炎は蒼く幻想的である。
3、その炎は温度が自在に操ることが出来る。
4、その炎は纏うと身体能力が上がる。
5、その炎は鬼王ムメイを傷つけない。
これが鬼王ムメイの伝説だ。
そして今、鬼王ムメイの心核は俺の中にある。
そう、俺は鬼王ムメイの心核の能力が使えるのだ。
絶望王ピアディスに戦い方を教えてもらい約2年たった。
鬼王ムメイの心核を受け継ぐと元は茶髪だった髪は黒くなり額の右の方には細く黒い陶磁器の様な角が1本生え、赤かった目は漆黒に染まった。
「もう、お主は充分強くなった。例え他の王と対峙しても渡り合えるだろう。これからは鬼王ムメイのしてきたことをすれば良い。」
ピアディスはそう言う。
「今までありがとう。また、ここに来る。」
俺は地面に踏み込み鬼火の心核を身体に纏い飛ぶ。
これから俺がやることは俺の親父であり剣王でもあるガイアに復讐をすること。
待ちに待ち望んだガイアへの復讐をする事ができる。
俺は地上から地下1000mある地獄の狭間と呼ばれる渓谷の壁を飛び移りながら地上を目指す。
そして俺は約2年ぶりに地上に出た。
「待ってろよ。ガイア。」
俺はまず、元住んでいた村に向かう。
馬車でもかなり時間が掛かる道のりでも今の俺ならすぐに着く。
ついた先には俺がいた時とほとんど変わらない風景があった。
俺は村を囲っている柵を飛び越え村に入る。
「キャッ。だ、誰?」
飛び越えた先に居たのは俺の元カノだった。
俺は今はフード付きのマントを被っているので角は彼女からは見えない。
「あなた生きていたのね。ジオン。てっきり心武を貰えなかったから親に見放されて死んだと思ったわ。まぁ、今更帰ってきたところであなたの居場所、働き口も、そして生きる場所も無いわよ。」
俺だと分かると彼女は明らかに見下した態度になった。
何で俺はこんなのと付き合っていたのだろうか。
いや、元々はコイツの性格は知っていた。
権力や発言力が強いやつには媚びて逆に弱いやつには今みたいな態度を取る。
知っていたけども見ないふりをしていた。
少なくとも付き合っている時はコイツの事が好きだったのだろう。
あぁ、反吐が出る。