鬼装の俺①
「ありがとう。なら、これからは君は鬼人王ジオンと名乗るといい。鬼と人との中間。そして王の一人である僕の力を丸々引き継ぎ自分の心核の力も上乗せされて恐らく君は王の中でも強い部類に入るだろう。それだけの能力があるなら王と名乗ってもいいだろう。じゃあ、くれぐれも力の使い方には気を付けて。」
そう鬼王ムメイは言い残し消えていった。
そして目が覚めると目の前にはピアディスが立っていた。
「ようやく目覚めたのか。遅かったの。かれこれ30分近く寝ておったぞ。」
あ、良かった。
これで何年も立ってるとかそういうオチじゃなくて。
「じゃあ、改めてお主の名前を聞こう。お主は何者じゃ?」
「俺は鬼人王ジオン・アルファ。鬼王ムメイの意志を受け継いだ者。」
「なるほどのぉ。鬼人王か。では儂と同格になったと言うことじゃな。しかしお主、心核を使った戦い方を知っておるか?」
「いや、知らない。」
「そうか。なら教えてやろう。」
おぉ!
それは有難い。
「心核はこうやって使うのじゃ。」
そう言いピアディスはレイピアを握った。
レイピアは特に変わったものではなくそして心武でもない。
「動くなよ。」
スパッと、ピアディスがレイピアを使って俺の頬に浅い傷をつけた。
次の瞬間、俺の目の前に無数のレイピアがありそれが一斉に俺の体に突き刺さってきた。
「これが儂の心核の能力じゃ。どうだ?」
本来穴だらけになっているはずの俺の体は無傷だった。
「儂の心核はの能力は幻じゃ。ただちぃと特殊で目どころか感覚まで騙せるのじゃ。匂いも痛覚も音も全て相手に幻として脳に届けることができる。大人数にも使用可能じゃ。まぁ、多少の制限があるのはしかなが無いじゃがな。」
いやいや、多少制限あってもピアディスの能力は反則級だ。
確か俺がいた国とは別のところだけど幻術の宝珠をもった心武の使い手が居たのを聞いたことがある。
幻術は3人までにしかかけれないし幻を見せるだけで触ったら気づける。
そしてかけるためには相手をかなり弱らせないといけないらしい。
でも俺が住んでた少数の村にも噂が詳細に伝わってくるくらい有名な実力者だ。
「しかしまぁ、儂の心核は直接的な戦闘向きではないからのう。鬼王ムメイの心核は儂よりももっと戦闘向きじゃったぞ。それこそ儂が肉弾戦では勝つには厳しいくらいにな。」