無装の俺④
「この世界には少なくとも2桁以上王が存在するのじゃがまぁ、年を重ねることに受け継がれなかったり新しく増えたりしたりもする。しかし儂が面識があるのでも冥王、希望王、死王、鬼王、全王、破壊王、再生王、妖精王、偽王とかがいるのじゃ。」
王ってそんなにいたのか。
「じゃあ、儂の願いを言おう。儂の願いは王を殺してほしいと言うことじゃ。どの王と言う訳ではないのじゃが王の数をへらして欲しいのじゃ。」
俺の目的は剣王である親父を殺すことだ。
その為には手段を選ばないし目的を果たす為には誰だって殺そう。
しかし問題はある。
「俺は戦えないぞ。心武を持ってないし。」
そう、俺は心武が無い。
そもそも心武が有ったらこんなことにはなっていないが今、俺が親父に真っ正面から戦おうとしても刹那の間に勝負は決まるだろう。
「心武と言うのはあれか?神が人々を弱体化させるために作ったヤツか?」
は?
心武が人を弱体化させる?
むしろ心武は人を強くするものだ。
心武の宝珠があれば色々なことが出来る。
しかも心武が無いと身体が崩壊するとも言われている。
「どうやらその様子だと神の計画は順調に進んでしまっとるようじゃの。まぁ、説明してやろう。そもそも心武は何で出来ているか知っとるか?知らぬだろ。心武はの。心核を外に引き出し半ば無理矢理に別の形を与えて出来たのが心武じゃ。」
心核ってなんだ。
半ば無理矢理?
「心武は滅茶苦茶と言っていいほど効率が悪い。魔力を込めても半分近くは心核に吸収されず外に放出されて蒸発する。だから本来強力な能力を持てる心核でも弱体化するのじゃ。」
多分俺達で言う宝珠が心核なのか。
無理矢理に外に出されるから無駄に魔力を漏出して宝珠の進化が遅いということか。
「ん?そう言えばお主。お主は心武を持っておらんがどうした?」
「俺は心武を持てなかったんだよ。」
俺はここまで落ちてきた理由も含めてピアディスに説明する。
「なるほどのぉ。中々いい拾い物をしたの。」