自声5
大人になった、中身は一向に育ってないように思う。中身が無いのか。無いように思う。空っぽの箱。中身のない、ただの箱。僕は、この先生きていけるのだろうか。締切られたカーテン、隙間から零れる光すらも嫌になり、カーテン同士をテープで止めて貼り付けた。外は嫌いだ。光も、嫌いだ。
今まで、生きた中で出会った先生達。そんなあなた達は、今どうしているだろうか、と思う。今初めて考えてみる。モンスターペアレント。問題児。この問題はいつの時代も変わらず、ついてくるだろうものだ。
ねぇ、今苦しんでますか?
「苦しい、助けて」そんな声が聞けたら、あなたの口から絞り出される言の葉を聞けたら、引き裂かれるように思う、耳障りに聞こえる悲鳴が聞けたら、僕は、笑う、蔑む、怒る、どの行動をするだろう。もしかしたら踊り出す、かもしれない。先生、あなたが涙と鼻水を垂れ流し、辛くて辛くて仕方が無いと、髪の毛を振り乱し、手足が赤く腫れ上がるまで、自分を叩きつけ、自分のパレットを、赤と黒で塗りつぶす時が来たら、その時は僕は心底同情し、ざまあみろ、と笑いましょう。
「今、苦しんでますか」
その言葉を、もし、問われたら、「苦しいとは、何ですか」と問い返しましょう。心がざらつく事、訳もなく涙が零れること、その二つくらいしか、今の僕にはわからないです。先生、教えて下さい。苦しいとは、何なのでしょうか。辞書で調べても、言葉でわかっても、心が分かってくれないのです。
なんて話しても、常人には理解されないでしょう。それどころか、少し時代の変わる、偉い人、言い方を悪くいうと、古い人間には、「甘え」やら「わがまま」なんて、言葉で片付けられるでしょうね。それこそ、イラつくやら、色々と言われることでしょう。若者と年配者、それは時代が少し違うだけでら分かり合えなくなるものだと僕は思う。