自声
初めまして、お久しぶりです。こんにちは、天王寺要です。
今回新たに執筆させていただく事にしました、今回の題材は現代社会一人一人抱えているだろう心について書いていこうと思います。小説なのかなんなのかわからない様な、モノになるのではないかと思いますが、最後まで書けたらなと思います。
※この作品は精神病、虐め、トラウマ、などの表現が多数存在します事を書いております
白い絵の具、黒い絵の具を何層にも交互に塗り重ねた様な、薄暗く、しとしとと降る雨の中、人々が歩く、歩く、歩いていく。 僕の右側を、左側を、追い越して行く、すれ違う。イヤフォンをして、携帯を片手に子供を連れて、歩いて行く。
そんな中に僕はいる。
歩いて行く少し早いペースですたすたと歩いていく。
傘なんて本当はいらない。「雨に濡れたい」そんな気分。
傘にだって色がある。透明なビニール傘、ビニールを越して見える曇り空、灰色。そんな中ふと思うのは、僕はいったい誰なのだろうと言う馬鹿げた質問。僕は僕じゃないか、なんて誰でも分かる。
歩くペースを少し落としてビニール傘越しに空を見た。相変わらずいろんな色をぐちゃぐちゃに混ぜた色をしていた。
ガチャっと鍵を開けて家の中に入ると鞄を放り投げ、ポケットからスマホを取り出し、面倒なスマホケースを外した。自分の部屋まであと少し、洋服を脱ぎ捨て洗濯機へ、階段を上り部屋着に着替えてベッドに横たわる。やっと自分の家に帰ったと思えた。
外は、きっと苦しいんだ僕が生きていくには、苦しいのだ。何もない日は家にいるのが一番良い。
でも、苦しいと本当に思えないのは何故だろう。何故。昔は電車に普通に乗れた。人の顔も怖くはなかった。何より外に対しての恐怖は持っていなかった。それがある時、怖くなった、同じ年の人が、同性が異性が大人が子供が、人が怖くなった。どうしてなのか自分自身分からない。
そしていつの間にか芽生えていた人に対する恐怖と同時ぐらいに、感情も欠落していった。少しづつ、パズルのピースが崩れていく様に。