まて、同意していない。やめてくれ。
いきなりの転生。
後に、猿夜叉丸になる男の転生の理由
”諸事情により投稿が遅れるため、秘蔵のお話しを特別公開いたします。”
いきなり降り始めた強い雨。
雨あしが、さらに強まり、フロントガラスを叩く、視界が効かない。
”カッシャカッシャ……”
ワイパーを最大限ガンガンに働かせても、前が見えない。
「うわ~っ、いきなりの春の嵐だ、こんなの台風じゃねえか?
異常気象でもこれはないわ~。
天気予報当てにならねぇ~。桜の花がみんな散っちゃうよ」
これ以上運転するのは危険だ、諦めて車を止めるようか?と思いながらも、湖岸道路を北上した。
もうすぐそこに、お気に入りの公園があるんだ。
そろりそろりと徐行しながら車を走らせた。
「ヤレヤレよっと、到着~っ」
さすがに『前が見えない運転』は神経をすり減らす。
ADバン(社用車)を、『豊公園』の駐車場に停めて一息ついた。
「ふ~ぅ」
この公園の駐車場はもちろん無料だ。
駅まで走れば数分の好立地なのに、剛毅なことだ。
多少雨あしが弱まったようだ。
車に積みっぱなしだったボロイ傘を差し、駅前へ向かう。
確かに、駅のすぐ傍にも駐車場があるにはあるが、もちろん有料だ。
目指す、スーパーも「1000円以上お買い物をすれば…」、1時間はタダだ。
でも俺は、何となくここへ車を止める。
言って置くが、俺は「ケチ」じゃないぞ。
この公園が好きなのだ。
すぐ目の前には、『琵琶湖』が見える。
「琵琶湖はいい、ささくれだった、こころが洗われる」
少しばかり薄雲っているが、そこはあえてスルーだ。
見渡す限り、琵琶湖だ。(あたりまえか?)
子供の頃は、あの琵琶湖の向こうに『アメリカ』があると信じていた俺。
笑うなよ。
「海の向こうにアメリカがある」と保母さんに聞いたんだ。
琵琶湖の向こうは、京都・大坂、名古屋よりも遠いんだ。
同じ滋賀県なのに、感覚的に姫路、浜松ぐらいに遠い。
なんと言っても、周囲は200km。向こうは遙か先だ。
100km以上は離れている計算だ。
京都、大垣、岐阜、敦賀、名古屋といった、県外の大都市の方が遙かに近い。
新幹線利用なら、確実に大阪、姫路、浜松のが近いのではないか?
少なくとも、同じお金を払うのならば、他県の観光地にまで行った方が面白いと思う。
ん、俺は、一体何を考えているんだ?
長浜の町に生まれた俺は考え事しながら、駅前をめざし傘を差して歩いた。
あいにくの曇りで、伊吹山が見えない。
少しばかり残念に思いながら、うつむいて歩いていた
”ん!!”
気付くとそこには……。
白猫がいた。真っ白な、白い猫だ。
笑え、シロだょ。
『猫好き』の俺は、野良だろう(?)
猫に異常な興味を示し、近寄ろ……”ビシッッ!!!!!”…とした。
~ ・ ~ ・ ~ ・ ~ ・ ~ ・ ~
『あれ?』
「あな~たは、神を~信じま~すか?」
へ?
「あなたは、死にました」
嘘?
「雷に撃たれるはずの、猫をかばって、あなたは死にました。
おおっ、なんと、健気で勇敢な若者だ~!私は感動を禁じ得ない~っww」
……というわけで、神様(自称)にたいそう感激されました。
「近年希に見る、心正しき若者よ!」
そんな、偶然です。
「なんと謙虚な!!」
いえいえ
「私の力で、転生してあげよう。『と・く・べ・つ』サービスだよん」
いえ、仕事がありますんで、できれ…ば…
「お~それは……無理ぃ、死んだ人間は元には戻せなぁ~ぃ……ごめんょ」
そんなむちゃくちゃな!
「大丈夫、ま~かせて。ハーレムチートで、うはうは、だよ君ぃ」
え、ハーレム?
「そう!エルフ、猫耳、ドワーフ、犬耳にスライム、何でもござれのファンタジーな世界に連れて行ってあげよう」
いえ、イイです。
「遠慮ヮ無用だ。奴隷ハーレム、OKだよ~。」
ううう、ちょっと興味があるかも……。
「というわけで、同意を得たことだし」
まて、俺はなにも言ってい…
「私はKamiだ、心に願うだけで良いんだよ~♬。
君の願望を満たしたあげよう、心配は要らない。私はKamiだ、(恥ずかしいだろうから)
何も言わなくていいよ、君の好きなエロゲの世界に(適当に)送ってあげるよ~。
それ~っ!」
いや俺ゲームしない…えろげ?…わああぁぁああ~ああっっぁあ。
「あれ? あの子の記憶にあるゲ~ムって……」
私の作品「長政?はつらいよっ!!」
歴史パートでは描かれなかった主人公のお話。
(シリアスな歴史物に、このKamiは似合いませんよね?)
エロゲ世界へのサービス転生のハズが、主人公は……
歴史ゲーム以外ゲームをしない男だった。
『信秀の坊や』『太閤談志伝』
魅惑のハーレムチートの幕開けか?