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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

戦斗

ヒュルルルルル~






「最終弾着まで、5、4、3、2、1、今」


ドカ~~~ン



敵陣に最後の砲弾が落ちた




「喇叭手突撃喇叭吹け」


中隊長の号令で喇叭手が突撃喇叭を吹き、離れた至る所から突撃喇叭が鳴り響く。


「突撃!!!」




「「「うおおおおおおおおおお!!!!!!」」」










戦斗





あちこちから木霊する突撃喇叭に万歳の声



伏せていた兵達が


壊れた鉄条網の隙間から


怒涛の如くなだれ込む




友軍の射撃支援を受けつつ


我もまた前進す







目指すは敵陣内部


トーチカからチカチカと見える閃光


忽ち響く友軍とは違う射撃の音






バタバタと倒れる戦友の屍を乗り越え


よじ登って進み


塹壕で弾丸を込めている敵兵を


銃剣で刺し撃ち倒し


混乱して背中を向けた敵兵を背後から銃剣で刺す





こうして彼我入り乱れての戦斗が始まった





戦斗の中


磨かれた軍刀は血を滴らせながら光り輝き


銃先つつさきの銃剣は


血を浴びて鈍く光る






追撃され回り込まれ分断され追い込まれ


包囲された敵兵は


高台に残るトーチカへと必死に逃げ



幾つもある不気味な銃眼から


必死に友軍を狙い撃つ




一足遅れて到達した我が部隊





「あれが敵司令部か。」



隣で伏せながら戦況を見る小隊長が言った







別方向より友軍部隊も攻撃を繰り返しているが


堅牢な敵指令部は中々破れない


だが陥落も時間の問題だろう



我が隊は装具点検と突撃準備を行う


いよいよ敵司令部へ突撃だ





準備が出来た刹那


轟音が響き渡り


数秒遅れて敵司令部と銃眼が断続的に爆発


我が部隊の前進を阻んだ鉄条網や障害物が


バラバラに吹き飛び



敵司令部へ続く一本の道が出来上がる





なるほど…中隊砲と連隊砲を前線まで運び



敵司令部に直射したのか




道理で吹き飛ぶ訳だ。



忽ち響く突撃喇叭と小隊長の号令


鬨の声が響き渡り


兵が司令部になだれ込む




忽ち上がる万歳の声と敵司令部に上がる日章旗




内地を出てから幾月ぞ


我が虎○○○○部隊


○○高地の敵方面軍司令部を占領せり










司令部の至る所から響く万歳の声を聞く度


感極まり涙が溢れる



この敵陣を落とす為


沢山の戦友や古兵の先輩が死んだ




だが


今は死んだ先輩や戦友の分まで喜ぼうぞ



この戦勝を








       終

色々とぼかして書きましたが読んで御不快な気分をされた方がいたなら申し訳御座いません。


当時の従軍日記や戦記のような形で書いてみました。



当然戦後に広まった考え方は排除し、漢字の書体を除き極力リアリズムに拘りましたのでこのような形になりました。



戦前戦中の戦記や本を読むとこんな感じで書かれている本が沢山有りますので、興味のある方は是非読んでみて下さい。




今回は部隊の動きや戦闘などの道筋を考えるのに苦労し、比較的簡単な物にしました。


これ以上難しい物を書けと言われたら不可です。


でも簡単な敵陣地で戦車部隊と共同の作戦なら何とか書けるかもしれません。



大体の流れとして砲爆の援護を受け小隊ごとに砲爆の援護で出来た穴からなだれ込んで敵陣を制圧する。


こんな形でしょうか。



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