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失恋帳の囁き

作者: シガ

AIを使用しています

 街外れの古い木造家屋。生まれた時からここに誰かが住んでいる形跡はない。日当たりも風通しも最悪だが、だからこそ秘密基地として最適だった。程よい薄暗さが、この小さな部屋にある何もかもの陰影を深くしている。子供心に、それがなんだかかっこ良いと思ったんだ。僕の幼馴染も、きっと同じ様に思っていたに違いない。


 久々に実家へと帰り、思い出巡りの中で、あの時代の面影を探すべく、再びここへ入る。窓はきちんと閉ざされ、カーテンは淡い生成色で、風さえ触れない。そこで私は「それ」を見つけた。


机の上に置かれた、厚みのある黒革のノート。表紙には金文字で、かすれたようにこう記されている。


──失恋帳。


 誰が置いたのか、いつからそこにあったのか、まったく見当がつかない。だが、手に触れた瞬間、背筋をかすめるような微かな寒気を感じた。まるで「開けてはいけない」と囁く声と、「開けてくれ」と求める懐かしい声が、同時に私の耳元に触れたような――そんな錯覚。


私はページをめくる。一枚目には、ただ一行だけ。


『失われた愛は、ここに収められる』


 その行の下には空白が広がっていたが、二枚目からは、まるで誰かが書いた“報われない想い”が綴られていた。


『傍に立って、見つめるうちに心が惹かれていった』

『笑う姿、その日は一日中頭から離れない』

『けれど、送った手紙は帰ってこない、そのまま疎遠になってしまった』


 筆跡は見慣れているが、誰の字か思い出せない。そして三ページ目に差しかかったとき、私は息を飲む。そこに書かれていたのは、数日前に死んだはずの人物の名前だった。


――「風葉」


 私が救えなかった人の名。幼馴染で、小さい頃から一緒だった。彼女とは高校までずっと隣にいたのに、とある出来事から距離ができて、大学に入ってから疎遠になった。就職してから数年後、偶然ネットニュースで、風葉が亡くなったことを知った。原因は自殺。


 それからずっと胸に重い鎖がかかっている感覚があり、今でも言葉にできない思いが心の奥底で疼いている。このノートの存在が、その鎖を引き寄せているようだった。


 震える指でページを押さえ、続きを読もうとした瞬間、背後の床板がミシ、と鳴った。誰もいないはずの部屋で。


 息が止まり、心臓が耳元で不規則な太鼓を叩く。私はゆっくりと、まるで錆びた歯車が軋むように首を回した。


 六畳間は、さっきと寸分違わず静寂に沈んでいる。淡い生成色のカーテンは相変わらず風さえ拒み、薄い午後の光を濾過しているだけだ。ただ、空気の重さが明らかに違っていた。さっきまで微かな寒気だったものが、今は喉元を締め付ける氷の塊のように感じる。


「だ、誰かいるのか」


 掠れた声が、室内の静寂に吸い込まれる。返事はない。しかし、その場を離れるという選択肢はなかった。あの「風葉」の名前が書かれた文章を、このままにしておくことはできない。私は期待していた。なんの前触れもなく、遺書も何もなく駅のホームを飛び降りた彼女の何か、その心情を明かしてくれるのではないかと。


 再び、黒革のノートに視線を落とす。三ページ目には、まだ続きがある。名前の下には、風葉の筆跡ではない、しかし異常なほど整った字でこう記されていた。


『愛しき者から、常に救いを求めていた。彼女の渇望は泉のように深く、他の誰もが満たせなかった。』

『結局、最後に彼女を救ったのは、彼女自身が選び取った「無」である。』

『そして彼女は、私の「失恋」のコレクションに加えられた。』


私は読み終えた瞬間、ノートを握る手が冷たくなり、思わず声が漏れた。


「これは……誰だ。誰がこれを書いたんだ......?」


 風葉が死を選んだことを、この筆者は救済と呼んでいる。そして、その心中にあった渇望を、まるで美しい宝物のように「コレクション」と称している。次のページをめくろうとして、ふと気づいた。


 三ページ目の下端、ページの角が、まるで小さな力で引っ張られているかのように、わずかに震えているのだ。その震えは、まるでノートが呼吸しているかのように、あるいはページの下で何かが蠢いているかのように、断続的に、微かに、続いていた。


私は恐怖を振り払い、意を決して四ページ目を開いた。視界が黒く染まる。


 四ページ目には、一行の文章も、名前もない。あるのは、インクが乾ききる前に乱暴に閉じられたかのような、黒い指紋が一面に塗り広げられている。さらにその中心には、高校時代の卒業アルバムに使われたのと同じ私の個人写真。ところどころ指紋が付けられ、見る影もなく歪んでいる。


 その指紋は、まるで誰かがインクに指を浸し、そのままページに強く押し付けたように、生々しく、そして――まだ濡れているかのように、光沢を帯びていた。そして、私の手首に、ひやりとした何かが触れた。 振り返る暇もなく、背後から囁き声が聞こえる。


「……開けてくれて、ありがとう。健」


 その声は、耳元で囁かれたはずなのに、どこか遠く、井戸の底から響いてきたようにも聞こえた。私は反射的にノートを手放して身を引き、辺りを見回す。だが誰も――いない。六畳間は形を保ったまま、ひどく歪んで見えた。空気がねじれ、私の視界の端で、影が水のように揺れている。眩暈を起こしたのか?空気の悪い所にいたから。だとしたらあの触れた感触も、彼女の声も、幻聴や幻覚なんだろうか。


冷たい、体温のない指。


 それが手首に滑るように触れてきた瞬間から、皮膚の一点が氷に沈められたように痺れている。やはりこれは幻なんかじゃない。


「風葉!!いるのかーっ!?」


 声は震え、六畳間の壁にぶつかって鈍く返ってくるだけ。返事はない。しかし、声は“確かに”そこにいた。私の背中と壁のあいだ、ほんのわずかな空気の層の中に溶けて。


 心臓が、次の一拍ごとに痛みを帯びて跳ねた。そのとき。黒革のノートが、ひとりでにページをぱらりめくった。


 インクの匂いがふっと立ちのぼる。まるで今しがた書かれたばかりのように、ページの端が湿っていた。五ページ目。あまりにも見覚えのある筆跡で、こう記されていた。


『君は、まだ“僕の死”を真実だと思っているのかい。』


 喉が詰まり、呼吸が乱れる。この文字は――間違いなく、風葉の筆跡だった。けれど、風葉は死んだ。忘れもしない三日前、確かに通夜が行われた。彼女の遺体は損傷が激しく密葬という形で行ったため彼女の姿は見られなかったが、そう話す彼女の両親が流す涙は噓ではなかった。


なのに。


その下へと、インクで描かれた文字列は続く。


『死んだふりをするのは、そんなに難しくなかったよ。肉体を捨てただけで、周りが勝手に悲しんでくれるからね。』


その瞬間、部屋の空気がぴしりと割れた。後ろに――いた。息を押し殺しても分かる。

この空気の歪みは、確かに“誰か”が呼吸している。


「……風葉、なのか?」


 後ろの存在は何も答えない。徐々に恐怖で息苦しさを増していく。これは不味い、急いでこのノートを閉じて、ここから出よう。そう思った矢先、耳のすぐ後ろでくぐもった笑い声が滲んだ。


「ねぇ、どうしてページを閉じるの? せっかくここまで来たのに」


 背中に、氷のように細い指が、ゆっくり、ゆっくりと滑りおりた。その感触は、風葉がかつて私の肩に触れたときのような優しさを装っていた。だが次第に体の感覚が奪われていく。その冷たさは、生きている者の体温を奪い尽くす死の抱擁だった。私は悲鳴をあげようとしたが、喉から出たのは乾いた呼吸音だけだった。


「君はもう、僕の愛を受け入れる準備ができてるよね。もう、逃げられないよ?」


囁きは、甘く、淀み、そして奈落のように深かった。私の理性を焼き尽くす。逃げられない。その言葉は、まるで呪詛のように、この六畳間の四方の壁に刻み込まれているように響いた。私はノートを抱えたまま、全身の筋肉を硬直させた。もはや振り返る勇気も、ここから逃げ出す力もない。


ただ、この失恋帳が、風葉の最期の真実を教えてくれて、この状況を何とかする鍵になるという、狂気じみた希望だけが残っていた。指は、背骨に沿って一番下まで滑り、そして、私の腰のあたりで止まった。ノートが、またひとりでにページをめくった。今度は、ビリッと、紙が引き裂かれるような音を立てて。


六ページ目。


 そこには、これまでの整然とした筆跡とは異なり、激しい乱れと、ページから溢れんばかりのインクの黒で、殴り書きのように文字が並んでいた。


『健は、僕にとって唯一の救いだった。厳しく辛い環境の中で、唯一大切だと思える人。だけども、君は僕の「本当の顔」を見てくれなかった。いつも見つめていたのは、君が勝手に作り上げた偶像だけだ。幼い頃からの友愛が邪魔をして、本物の僕を見ようとしなかった。だから僕は死んだ。君の偶像を殺してやったんだ。そして今、僕と君はこのノートの中で、永遠に生き続ける。君が僕の愛を拒絶したこと。君が僕を救えなかったこと。その後悔こそが、この「失恋帳」の新しい表紙だ。』


 文字を追うにつれ、背後の冷たい指が私の腰を掴んだ。力は強くないが、決して離さないという執着に満ちている。


視界の端、窓から漏れる光が映す黒革の表紙が、かすかに蠢いた。表紙の金文字『──失恋帳──』の下に、新たな文字がインクが滲むように浮かび上がり始めたのだ。


『――健の』


風葉の「愛」は、私を捕らえ、私の存在そのものをこのノートに閉じ込めようとしている。


「嫌だ! 私は……風葉、君の気持ちを……受け入れなくて……悪かった。だけどこんな方法じゃ、風葉だって……!」


 私がノートから顔を上げ、叫んだ瞬間、部屋中の空気が一気に熱を帯びた。そして、掴まれた腰のあたりから、凍てついていたはずの指が、人間の体温を持ったかのように暖かくなった。振り返ると同時に、私の背中は柔らかなシャツの感触に包まれた。そこにいたのは、三日前に死んだはずの、最後に顔を合わせた時と同じ顔をした風葉。しかし、その目は狂気の光を宿し、彼は私を見つめる代わりに、開かれたノートを見つめていた。


「逃げないで。もうどこにも行かないで。僕の愛の、最後のページになってよ。」


 彼の唇が、私の耳元に触れる。その息遣いだけが、異常に冷たかった。このほのかな温かさは偽りだ。私の心を完全に掌握するために、風葉は自らの「人間性」の残滓で罠を仕掛けているのだ。


 その冷たい息が耳朶をなぞった瞬間、背骨の奥で“何か”がひび割れた。恐怖か、後悔か、それとも――彼女の言葉が刺さったのか。私は掴まれた腰を振りほどこうとしたが、風葉の指はまるで根を張った植物のようにしなやかで、逃れられなかった。


「離れてくれ……風葉、頼む……」


 掠れた声で訴えても、彼女は私の顔を見ない。ただ、ノートを見つめるその目は、恋慕と狂気がひとつに混じった“黒い光”で満ちていた。


「ねぇ、健。君はまだ、僕の愛が痛いって思ってるの?重いって思ってるの?大丈夫だよ、 健が僕のためにしてくれることは少なくていいんだ。たった一つだけ受け入れてくれれば、言う事なんでも聞いてあげる」

「な、何をすれば離れてくれるんだ?」


その誘い自体が、罠だった。


「簡単だよ。君が僕から一生離れなければいい」


私がわずかに動揺したその瞬間、風葉は私の背中を――強く抱きしめた。


 その腕は細いのに、壊れそうなほど強い。そのまま前のめりに倒れ、ノートに頭がぶつかる。私をページの中へ押し込もうとするかのように、額と顔がノートの厚みへ沈む。まるで、風葉の愛情が私の身体を飲み込み、この失恋帳に吸い込んでしまうかのように。


「――君はずっと、僕を気にかけてくれていた。親が離婚した時も、お母さんが再婚して家に居場所がなくなった時も。僕がどんなに心を許せる人を求めていたか.....間違いなく君だったんだよ。なのに、君は僕の場所になってくれなかった。気持ちが孤独にさまよい続けたんだ、そして君は僕から逃げてしまった。だから、君のせいなんだよ」


耳元で、氷が砕けるような声が囁いた。僕はなんとか顔を挙げるが、徐々に体が透明化し始めていることに気が付いた。物理的にノートへ囚われなくとも、精神がここへ吸い込まれようとしているようだ。


「私には君を受け止める勇気がなかったんだ!最初は君を救おうと色々励ましを考えた!でも.....時間が私を待ってくれなかった。学年が上がるにつれて考えることや取り組むことが増えていったんだ。自分だけで精一杯だったんだ.....」


途端に、ノートが熱を帯び、表紙の金文字がじり、と形を変えた。私の名前が刻まれようとしている。まるで焼き鏝で皮膚に刻印されるように、じわりと文字が浮かび上がってくる。


「失恋帳――健の」


その“新たな表紙”が完成すれば――私はもう戻れない。完全に文字が浮かび上がる前に、私はなんとか彼女の愛を振り切らねばなるまい。そうしなければ、風葉共々永遠にこのノートに閉じ込められる。それはお互いが望む結果ではないはずだ。


「やめろ……やめろ! 風葉、それが愛だなんて――」


「愛だよ。救いだよ。僕と君が傍にいれば、お互い救われるし愛し合えるんだ!そうじゃなかったら僕達は……長く付き合ってこなかった」


「違う!本当に相手のことを思うなら、互いに自由を尊重するべきだと思うんだ......私は君を支えきれなかった.....君が傍にいる間、私は自分のことを考える時間がなかったから...」


「ここへ入ればそんなのいらなくなるさ.....」


 風葉が微笑む。その笑みは、生前のあの優しいものとまったく同じ形なのに、まるで別人のように冷たい。彼女の指が、私の胸元にそっと触れた。さらに体が薄くなっていく――私自身が、“物語”になり始めている。


風葉は私を抱きしめたまま、ゆっくりと顔を寄せてきた。


「大丈夫。君の“最期の言葉”は、僕が美しく書いてあげるから。」


 ノートのページが、風がないのに激しくめくれ、真っ黒な空白が私を待ち受ける。その深淵に落ちる直前――私は最後の力を振り絞り、後ろへ振り返って、彼女の瞳を見て、名を叫んだ。


「風葉ッ!本当に……本当にお前が望んでるのは、こんな形の幸せなのか!?」


ぴたり、と。風葉の動きが止まった。その一瞬の静止が、六畳間すべてを硬直させた。


 風葉の瞳が震えた。その奥に、ほんの微かに――“人間の色”が、戻ったように見えた。彼の顔を覆っていた狂気の仮面が、一瞬だけ剥がれ落ちた。その表情は、愛する者に取り憑かれた怪物のものではなく、この秘密基地で共に遊び、語り合い、笑いあった少女のものだった。


「……望んで……」


風葉の唇がかすかに動く。その声は囁きではなく、助けを求めるような、弱い呻きだった。


「望んでない、僕の魂が、望んでない……!」


彼女の意識が揺らいでいる。彼自身もまた、この「失恋帳」の力に囚われた、最初の犠牲者なのかもしれない。その一瞬の逡巡が、健に逃れるための唯一の機会を与えた。


「それが、本当の君だ!風葉!!君は自分の幸せに他人を従わせるようなことはしない筈だ!君は優しいから...」


 私は叫び、床にある黒革のノートを、風葉の胸板へ向かって、渾身の力で叩きつけた。鈍いゴッという衝撃音。ノートは風葉の身体に押し付けられ、彼女の中へ取り込まれていく。


「うあああああ……!」


 風葉は苦悶の声をあげた。彼女の体から、黒いインクの影が煙のように立ち上り、ノートへと吸収されていく。「失恋帳」そのものが、風葉を喰らっている。


「健、ごめんね.....僕は君に、こんなノートに頼るべきじゃなかったんだ……」


 風葉が最後に振り絞った言葉は、自分自身を救えなかった私への呪いではなく、私を案じる、幼い頃の風葉の言葉だった。彼女は最後に自分を取り戻せたのだろう。


 私は身体を解放され、もつれた足で後ろへよろめいた。空気を歪ませていた黒いインクの煙は、消滅した。六畳間は元の静寂に戻ったが、その中心には、ノートから必死に出ようとする風葉の手があった。


 私は、この中途半端な状況をそのままにして逃げることはできなかった。決着をつける。ノートにも、風葉の亡霊にも。


 風葉、小学生の頃はよく一緒に遊んだよね。君の家は勉強熱心で、私の家は比較的楽観的な方だった。それでも僕たちは暇を見つけて遊んでたね。君の母親は私にも叱ってきた。思えばあの気質が、彼女と母親の不仲の原因になったと思う。そして、お互い成長して、風葉は変わり果てていった。両親が離婚して引き取った母親が再婚し、孤独な生活に苛まれ、メンタルが病んでいったのだろう。当時の私には分からなかった。そんな彼女が常に傍にいるというのは、私にとって負担だった。だから関係を切ったんだ。彼女の気持ちをこれ以上支えたくなかったから。


「私が……私が、最後まで救えなかったのは……君が、救われようとしなかったからだ」


 私は床に落ちている灰皿を拾い上げ、風葉の手を叩きつけた。手はノートの中へと落ちていき、失恋帳はもとの形状へと戻った。淡い生成色のカーテンから差し込む、静かな夕陽の光。その下で六畳間は、空気が澄んだように感じた。私は床に崩れ落ちた。


 胸に残ったのは、恐怖と喪失感。そして、ほんの微かな救済感。失恋帳は、誰がつくったのか、どこから風葉の所へ来たのか、結局分からないままだった。だが、それは彼女が私に対する執着を利用して、魂を永遠に閉じ込めようとした呪いの器だったことだけは確かだ。私はその後家の裏でノートを炎の中へ投げ込んだ。燃え盛る焚き火を見て、過去から解放された気がした。これからは自分の人生を生きていきたい。


「……僕の愛は、終わらない……」


 ふと、背後から声が聞こえた。振り返るが、そこには誰もいない。まさかと想い火を消して失恋帳を探すが、火はすぐにその黒い革と紙を焼き尽くしたのか、跡には何も残ってなかった。

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