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俺は梶原にからかわれ...というか。

梶原はマジだったのかもしれないがこれはいけない。

俺は立ってからそのままトイレに向かう。

それから俺は盛大にため息を吐きながらトイレを済ませてから表に出る。

そして梶原の元に戻ると梶原はつまみを食べていた。


「あ、お帰りなさい」

「...お帰りなさい、じゃねーよ。ふざけんなよお前」

「ふざけていませんよ。私は真面目です」

「真面目って...」

「私はいつだってふざけていませんので」


そして梶原は俺にニヤッとする。

俺はその顔に「ったく」と言いながら居ると梶原が「そろそろ帰りましょうか」と言い出した。

その言葉に頷いて勘定ボタンを押した。

それから清算し帰宅をする為に表に出る。

すると梶原が俺の腕に自らの腕を絡ませた。

うおぃ!


「梶原!」

「言ったでしょ?私は先輩が好きですって」

「言ったな!外だぞここは!」

「それが?」

「胸を押し付けるな!」


油断も隙も無い。

そう思いながら俺は梶原の手を振り払う。

それから「帰るぞ。馬鹿な事をしてないで」と言いながら帰る。

すると「はぁい」と梶原は俺の後ろを付いて来る。

そして帰宅していると...人込みの中から「ねえ」と声がした。

背後を見る。


「...その女...誰?」


それは...俺の妻のゆかりだった。

俺を見ながら眉を顰めている。

その言葉に俺は「コイツは後輩だ」と説明する。

すると梶原はそんなゆかりにニコニコしながら頭を下げた。


「初めましてぇ」

「...初めまして」

「貴方が噂の人ですね?アハハ。私、梶原って言います」

「...私の夫に何か用事ですか」

「夫www」


梶原は含み笑いをする。

それから薄ら目になってから「失礼ながら貴方は浮気していると先輩に聞きましたけど。貴方に文句を言うとかそんな権利有ります?」とゴミを見る目をした。

俺はその言葉に「直球で言うな!?」と言う。

するとゆかりは「...」となってからますます不愉快そうになる。

だけどまあ正論ではある。


「という事だ。ゆかり。俺はまた外で寝るから」

「帰って来てよ」

「いやいや。帰るもクソもないでしょう?何を言っているんですか?」

「...貴方は黙っていて下さい」

「黙りませんよ。...他人とセックス?気持ち悪いですね。貴方」

「貴方は何様?」

「アハハ。まあ私は何様でも良いですよ。私はなんでそんな真似をしたのかって聞いています。私、先輩が好きなので」

「...好きって...そんなの簡単に浮気ですよね」

「先に浮気したのはどっちでしょうか?私は根に持つタイプですよ?最低最悪な事をしています」


言葉にゆかりは悔しそうに唇を嚙んだ。

その姿に「という事は本当なんですね?」と言ってから「よくもまあ他人と簡単に性交とかやれますね。貴方。汚らわしいですよ真面目に」と言いながら真顔になる梶原。

それから「私、先輩を大切にするんで。今直ぐに離婚して下さい」と言う。

おちょくるのも半分ありつつ。


「...私は別れない。あくまで彼は...」

「彼はって一体なんですか?貴方が邪魔なんですよ。別れて下さい。貴方に彼を任せておけない」

「私の事を挑発しています。貴方は」

「はい?私は正論を言っているだけなんですけど」

「貴方は私の夫を奪って...」

「私は彼だけを見ている。でも貴方は全てが違いますよね?彼以外を見ていますよね?汚らわしい」

「何か間違ってます?私。正論だけ言ってますよね?」


その言葉にゆかりは歯を食いしばる。

それからギロッと梶原を睨む。

梶原は俺の腕に自らの腕を絡ませた。

そしてゆかりを見る。

ニコニコしながらだが。


「彼は貰います。私が必ず。貴方がどうあれ私は彼を必ず落としてみせます。私が」

「...私はあくまで浮気とは思ってない」

「負け惜しみですか?恥ずかしいですね。貴方」


それから梶原は俺を見上げてから「先輩。行きましょうか。話になりません」と言う。

俺は梶原を見てからゆかりを見る。

ゆかりは「...」と俺達を見てから人混みに消えた。

恐らくは家に帰ったとは思うが...。


「先輩」

「あ、ああ。どうした」

「あんな人は捨てるべきです」

「...確かにな」

「離婚とかそれは置いて。...私は彼女を粗大ごみでも良いので捨てるべきかと」

「...だな」


俺はゆかりが消えた方角を見てから溜息を吐く。

それから「じゃあ帰る。...気をつけてお前も帰れよ」と話した。

梶原は「私の家に来ませんか?」と話す。

前も言ったが。


「おっさんが若い女子の家に行く訳にはいかない」

「先輩はクソ真面目ですね。私は気にもしないのに」

「俺が気にするの。また明日な」


それから俺は帰宅しようと歩み。

数歩行ってから振り返る。

そして俺は梶原を見る。

梶原は「?」を浮かべている。

俺はそんな梶原に「だけど感謝するよ。あの馬鹿に色々と言ってくれてな」と肩をすくめた。

そうして梶原にヒラヒラと手を振りながら帰る。

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